変酋長の小部屋 PART#10 | コオロギ養殖のブログ(レトロPCルーム)

変酋長の小部屋 PART#10

月刊電脳倶楽部編集長(株式会社満開製作所の社長)
であった祝一平氏(ペンネームね。本名は伏せておきます。)が
電脳倶楽部内で「変酋長の小部屋」というコーナーを持っていました。
(個人的に)今読んでも面白いもの(今読むから面白いもの)を抜粋しました

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以下「電脳倶楽部 第95号(1996/4号) の『変酋長の小部屋』」より抜粋

某月某日

 『NINTENDO 64』の4月発売予定が、ソフト開発の遅れで
6月下旬にずれ込むそーな。この遅延はちょっとイタイぞ。『NINT
ENDO 64』は、(任天堂計数を考慮しても)相当な性能だという
噂であるが、なにせ任天堂系のソフトで、3Dバリバリというのは無い
らしいから、開発にあたっては従来の技術からのギャップが大きいよなぁ。
山内社長自身が「ハードよりもソフトが重要」と言ってるからして、は
てさて、花札屋の運命や如何に? べべん、べんべん♪

某月某日

 遅ればせながら満開製作所でもインターネットでWWWしようかと画
策しているが、なんせИТТがナニなもんで、あーだこーだで面倒くさ
い。ISDNを引くのは簡単なのだが、普通の電話と違って「DSU」
と「TA」という機械が必要なのだが、ちょうどぴったりな仕様の製品
が品薄で、「5月まで待ってくれ」だと。む~ん、他のメーカーの物を
捜すしかないか? しかしだな、「DSUとTAの合体」があったり、
「これはレンタルはなくて買い取りだけです」とか、ぐちゃぐちゃであ
る。やっぱ、こりゃ分割だな。まあ、取り合えずはアナログ28.8k
で某プロバイダーとダイヤルアップ接続サービスで始める手続きを取っ
た。もしかしてそれで満足してしまったらISDNは無しかも。

某月某日

 現在SQUAREが、FF VII のTVCMをドバドバ流しているが、
12月発売予定…。それって、単なる黒字減らし? それとも、任天堂
と距離を取るということの宣言か?
 で、考えるのだが、RPGが3Dでポリポリ・ゴンゴンになれば、確
かにビジュアル的には質が上がるのは理解できる。でも、3Dになった
ために困ってしまったジャンルもある。まあ、初期の頃に出たPS用の
麻雀ゲームなんかがその典型例なのだが。とにかく、よう分からん。成
功すれば画期的であることは納得できるが。

某月某日

 SUNがJavaの勢いに乗って、Javaのコードを直接実行でき
るCPUを出すという。ううむ、500$パソコンの心臓部のスタンダ
ードを狙うか? 通信コストが「適正な」北米では、500$パソコン
は結構可能性があるが、日本じゃ「5万円パソコン」を買った翌月には、
ИТТから6万円ぐらいの請求書が来そうだからなぁ。
 で、ひとつの可能性として私が期待しているのは、もしも米国で50
0$パソコンが普及したとする。となれば、当然日本の市場にも「参入」
したがるだろう。しかし、日本ではИТТがИТТだから、参入は不可
能に近い。すると、米国の「例のシステム」がギリギリ・ガッチャンと
作動して「ИТТをどうにかしろ」と外圧をかけてくれるかもしれない!
 500$パソコンよ、われわれ哀れな日本の民に、なにとぞ恩恵を!


X68_DCp96

以下「電脳倶楽部 第96号(1996/5号) の『変酋長の小部屋』」より抜粋

某月某日

 『Oh!+』であるが、ここに正式に「発刊しない」を宣言します。
当初「3,000人以上から予約があったら創刊しよう」という試算だっ
たのだが(それ以下だと、まともな原稿料を出せない)、帰ってきたハ
ガキは約2,700ほど。泣く泣く中止である。まあ、そのかわりと言っ
ては変だが、別冊電脳倶楽部を14号からCD-ROM化する計画が進
行中。今月のアンケートには、できるだけ多くの人から回答が欲しいと
思うしだいであります。さもなきゃ、(ピー)!

某月某日

 満開製作所もとうとうISDNである。でもって、最初はFAXに割
り当てようとしたのだが、ИТТがИТТなもんだから、うちの局番だ
と、「ISDNにすると電話番号が変わります」とかホザかれた。FA
Xの番号が変わると、名刺や封筒、各種商品のラベル、マニュアルにま
で影響が及ぶので、他の回線を割り当てる事にした(満開製作所には、
3回線+FAXの計4回線がある)。しかし、ИТТってホントにИТ
Тなマンマだねぇ。

某月某日

 ИТТの通話料金が申し込んでから4ヶ月がたとうというのに、未だ
に自動引き落としにならない。たーっ!


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以下「電脳倶楽部 第97号(1996/6号) の『変酋長の小部屋』」より抜粋

某月某日

 京都のカルタ屋がカンペキに崖っぷちである。64がコケたら、もう
後はない。早く6月の下旬が来ないかなっ♪。るんるん。

某月某日

 今月号あたりでCD-Rライターのソフト(バージョン0.5ぐらい)
を発表できるかと思ったが、CD-Rは実に手強い。あと何枚CD-R
のメディア(1枚約1,000円)を無駄にしなければならないのか…。
あうあう。

某月某日

 でもって、ついでに cd2pcm.x をCD-R(RICHO の RO-1060C)に
対応させてしまった。モードセレクトで多少てこずったが、元のプログ
ラムの筋が良いので4箇所程の変更で済んだ。おそらく、資料さえあれ
ば、今後どんなCD-R/CD-ROMドライブにも対応できると思う。
ま、その内公開しますです。

某月某日

 んでもって、1996年5月現在での「CD-ROM」についての技
術的評価だったりする。まず、CD-ROMの特徴はCLV(線速度一
定)ということである。これは、12cmの円盤の中に「ベートーベン
の交響曲第九番」が入るようにと設定された時間(74分)のためのギ
リギリの選択であったらしい。CAV(角速度一定)ならば稼働部分や
ピックアップの設計、製作が楽だが、その反面として容量を稼げない。
そこでCLVになったわけであろう。
 で、次に興味深いのが「誤り訂正符号」である。CDのオーディオモ
ードにも誤り訂正機能はあるはずだが、それは「激弱」である。実際、
技術的に見てみると、オーディオモード(CD-DA)での1ブロック
の容量は2352バイトである。そして、これは「正しいとは保証され
てない」のだ。だから、読みだしエラーが発生すると、CDドライブは
「てきとー」に補間などで誤魔化す。これが、安いCDプレイヤーの音
質が悪い理由の一つである(アナログ部分の影響も大きいけどね)。
 それに対してCD-ROMでは1ブロックが2048バイトである。
すなわち、差の304バイトで「誤り訂正符号」の強化が図られている。
おそらく、現在の段階でCDの規格を「作り直す」のならば、完全な誤
り訂正符号を採用した、バリバリの規格になるでであろう。DVDが
(たぶん)それだね。でも、CDの規格ができたのは14、5年前だか
ら、当時としては相当頑張ったんだよな。でも、CD-DAで、データ
が保証されないというのは、けっこうトホホである。う~ん、案外なん
かの方法で回避できないか?
 なんて思っていたら、出ました出ました。つまり、CD-ROMの中
に44.1~48KHzのサンプリングレートの「WAV」ファイルを
ブチ込むのだ。で、「CDプレイヤー」は、「リアルタイムWAV再生
CD-ROM装置」ね。もちろんノイズ対策は万全にして、なおかつア
ナログ部もしっかり設計する。再生時間は64分ぐらいに短くなるが、
これなら(ピー)なオーディオマニアに馬鹿受けしそう♪。おほほ。

某月某日

 う゛~む。今度のカラーザウルスはムムムだぞ。欲を言えば、「TV
チューナーカード」や、(高くてもいいから)「GPSユニット」なん
てのもできたなら、もうアヘアヘだぞ。とりあえずデジタルスチルカメ
ラだけでもけっこう使えるだろう。う゛~む。
(それにしても8MBのフラッシュメモリカードが50,000円か…)

某月某日

 おーい、ИТТ。いつになったら私の所の電話料金の自動引き落とし
が始まるんだぁ? おそらくポケベルやPHS等の移動端末の処理が急
増して、固定端末(普通の電話やFAXね)が後回しになっているのだ
ろうが、いくらなんでも遅いぞ。そのくせ、うっかり期限を過ぎるとす
ぐに回線を切りやがる。まったく、をゐをゐだぜ。「世界で最も効率の
悪い企業」の名に恥じないねぇ。ぶつぶつ。

END