続報を見かけましたので、掲載しておきますね。

 

病院は「生命の危険がある」と児相に通告。児相はすぐに必要書類をそろえて翌日昼、両親の親権喪失宣告を申し立てるとともに、それまでの緊急措置として親権者の職務執行停止(親権停止)の保全処分を求めた。

 家裁は6、7時間程度の審理で親の意思より子供の福祉が優先すると判断、その日夜に保全処分を認めた。

 病院はこれを受け、家裁が選任した親権代行者である弁護士の同意を得た上で治療を実施。男児は命を取り留め、その後請求取り下げで親権を回復した両親の元で順調に育っているという。

 こうした輸血拒否への対応については日本小児科学会など関連学会が08年2月、合同で指針をまとめており、今回のケースでも病院側はこの指針に従って対応した。

▽医療ネグレクト

 医療ネグレクト 児童虐待の一つである養育拒否(ネグレクト)の一形態で、親が子供に必要な治療を受けさせないこと。病院に連れて行かない、薬を飲ませないなどのほか、合理的な理由なく手術を拒否するなど子供の生命に直接かかわることもある。背景には、親の死生観や子供の障害への悲観などがある。

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共同通信

信仰より救命優先

 信仰上の理由で輸血を拒否する「エホバの証人」信者への輸血について、日本輸血・細胞治療学会など関連5学会の合同委員会(座長=大戸斉・福島県立医大教授)は、15歳未満の患者に対しては、信者である親が拒否しても救命を優先して輸血を行うとする指針の素案をまとめた。

 「信教の自由」と「生命の尊重」のどちらを優先するかで悩む医療現場の要請に応えて検討を始め、「自己決定能力が未熟な15歳未満への輸血拒否は、親権の乱用に当たる」と判断した。

 合同委員会はこのほか、日本外科学会、日本小児科学会、日本麻酔科学会、日本産科婦人科学会の国内主要学会で組織。年内に共通指針としてまとめる。

 エホバの証人への対応はこれまで、日本輸血・細胞治療学会(当時は日本輸血学会)が1998年、18歳以上の患者は本人の意思を尊重し、12歳未満の場合は、家族が反対しても輸血を含む救命を優先するとの指針をまとめていた。しかし12~17歳については、発育途上で判断能力に個人差があるとして対応策を示していなかった。

 今回の素案では、治療法に対してある程度の自己決定ができる年齢を、義務教育を終える15歳に設定した。15~17歳の患者については、本人と親の双方が拒めば輸血は行わないが、それ以外、例えば本人が希望して親が拒否したり、逆に信者である本人が拒み親が希望したりした場合などは輸血を行う。

 15歳未満の患者に対しては、本人の意思にかかわらず、親が拒んでも治療上の必要があれば輸血する。18歳以上については、これまでの指針通り、親の意向にかかわらず本人の意思を尊重する。

 大戸教授によると、エホバの証人信者が子への輸血を拒否する事例は、大学病院など全国100以上の病院で少なくとも毎年数例は起きていると推定される。

 エホバの証人 キリスト教系の宗教とされる。「血を食べてはならない」という聖書の教えに従って輸血を拒否し、無輸血治療を求めている。信者は公称で世界に674万人、日本には22万人。本部は米ニューヨーク市、日本支部は神奈川県海老名市にある。

[解説]15歳未満輸血指針案 子どもの命最優先

 15歳未満の子への輸血を親が信仰上の理由から拒んでも、治療上の必要があれば輸血を行うという指針素案を輸血関連5学会がまとめたが、信仰上の理由で輸血を拒むこと自体は患者の自己決定権の一つとされる。

 最高裁も2000年、女性信者に無断で輸血した病院を運営する国と医師に損害賠償の支払いを命じる判決を出した。大阪医大病院では先月、信者の妊婦が帝王切開の手術中に大量出血したが、妊婦側の意向で輸血できずに死亡した。

 医療の現場では、インフォームド・コンセント(医師の十分な説明と患者の同意)に基づく治療が求められており、エホバの証人の信者に対して輸血は強行できないという考え方が定着しつつある。しかし、こうした自己決定に基づく治療が認められるのは、一定の判断能力を持つ大人の信者だけで、子どもは別だ。

 桃山学院大の永水裕子講師(医事法)によると、米国では12歳前後に満たない子どもの場合、信者である親が拒んでも裁判所が輸血を命じるのが一般的だ。

 国内でも大阪家裁が一昨年、脳に病気を持った乳児の手術を宗教上の理由で拒否した両親に対し、「手術の同意拒否は親権の乱用」と指摘。親権を一時停止する保全処分を認めるなど、医療の機会を奪うのも児童虐待の一つであると司法が判断するようになってきている。

 子どもは社会の宝であり、その命は最優先で守るべきだという考え方が強まっている。新しい指針素案は、そうした流れにも沿った判断といえそうだ。(科学部 吉田昌史)

 

読売オンライン

医療ネグレクトですか。

おおこわ。

子供が重篤な基礎疾患を抱えていたら・・?

高齢者で自分で判断できない認知症については・・?

いままでなあなあでやってきていたのですが

きっちりコンセンサスが必要なようですね。

個人的には「合理的な理由がなければ治療する」という文言が入ることを

希望します。