留学をしようと決意してからまずしたことは、当然のごとく”計画を立てること”でした。

そのためには情報がなければ始まらないので、色々な形でまずは情報収集を始めました。

そもそも理系でアメリカ大学院に留学する人というのはそれほど多くないので、情報の絶対量は少ないと言ってもいいと思います。留学斡旋業者の説明会なんかにも1,2度行ってはみましたが、大学院留学に関してはほぼMBA(経営修士)留学しか扱っておらず、斡旋業者ですら理系留学に関してはほとんど情報を持ち得てません。周りに経験者どころか、理系の知り合いもさほどいなかったので、情報集めはコツコツと自分でやるしかありませんでした。

一昔前なら、この情報集めで難儀をしたんでしょうが、そこは現代っ子の最大の武器、インターネットを駆使すればちょちょいのちょいです。インターネットすげーってこのとき本当に思いました。

経験者の方で自分のサイトで理系留学に関する情報を提供している方は色々といますが、中でも自分がかなり参考にしてお世話になったサイトを「留学に役立つサイト集」 にあげておきました。

こういった形でネットを活用して色々と情報を集めた結果、大学院入試で絶対かつ最重要で必要なのは

・GPA(Grade Point Average:成績平均値)
・Letters of Recommendation (教授からの推薦状)


と、判明しました。

この時点で、あわよくば理系大学院に直接入ろうという考えが砕かれました。日本だと入試で点さえ取れれば、文系学部から理系大学院に、なんてことは可能だと思うけど、アメリカの場合、入試要綱にきちんと理系学部を卒業していることが必要と書かれていたりします。それがなくとも、教授からの推薦状が必要とあっては、どのみち学部を絶対出てないといけないわけで、このときに自分の計画がおぼろげながら出来上がってきました。

それはつまり、

日本の大学の物理学科に編入 → 良い成績を取る&教授に気に入られる → 高いGPA&推薦状をゲット → 出願&合格

という子供でもわかるような形。

もともとお金がなくてアメリカを目指すのだから、日本で物理学科に編入といっても、選択肢は限られてくるわけで、実家から通える「神戸大学」しかもはや眼中にありませんでした。
大阪大学も編入は受け入れているんですが、高専からの編入しか出来ないとのことで断念しました。
アメリカを目指すなら知名度のある東大や京大などの旧帝大出身の方が有利なわけで、1年生からやり直すことも考えないこともなかったんですが、そのための受験勉強とわざわざ1年生からやり直すことを考えたら時間の無駄だとしか思えなかったので(年齢的なこともあるし、当然学力的なことも)、その考えは早いうちに却下しました。

神戸大学1本で勝負と決めたのにはもう一つ理由があって、物理学科の教員の1人がカリフォルニア工科大学でPhDを取得して、学生にアメリカ留学を勧めていてHPも作っていたんです。

すべてのことが自分にとって好都合なまでに出来上がっていて、ここまできたらなんか自分に風が吹いてるとしか思えず、もはや計画が失敗することなんか全く考えませんでした。何か困難なことを成し遂げようとするときはこういう自己暗示的なところがあってちょうどいいと思います。
自己暗示をより強固にするために、上述のサイトを参考にしたやり方ですが、自分の場合は早いうちから周囲に「俺はアメリカに行く!」ということを言ってました。そうやって自分を追い込むことで逃げ場をなくしました。これは誰にとっても有効とは思いませんが、少なくとも自分にとってはそれが功を奏しました。

編入の時期に関しては、編入試験ための物理の勉強を集中してやりたかったのと、学費を稼ぐための時間が欲しかったので、外大を卒業してすぐではなく、1年後と設定しました。編入試験が夏なので、夏まで勉強してその後働くという感じで。

そうと決まればあとは編入試験に向けて勉強をするだけです。

が、前に言ったように同時に色々なことが出来るほど器用ではないので、外大4年生のときはどちらかというと卒業するのに必死で、そっちに全力を傾けていたので、正直理転のための勉強はほとんどしてませんでした。ただそれでも物理に必要となる数学ぐらいは物理の勉強始める前にやっておこうと思って、高校数学のやり直し&大学1、2年レベルの数学を少しずつ、暇を見つけてはやってました。

卒論を書き終えて暇が出来た3月頃から物理の勉強を始めました。編入試験が7月の上旬だったので、4ヶ月の間に詰め込んで、編入試験はなんとかクリア。その後、夏から派遣社員として3月までの契約で働かせてもらって、1年目の入学金+学費をまかなえる程度になんとかお金も貯めました。

そして、いよいよ物理学科に入学してからは、当然のごとく良い成績を取るために勉強、勉強の毎日で、今まで独学でやってた分知らないことだらけで、編入して1年目は物理の勉強で手一杯で、留学のための行動はおろか、英語の勉強すらままならない状況でした。

今思えばこのときに少しずつ英語を勉強していればよかったとちょっと後悔してます。

結局、大学院出願のことで具体的に動き出したのは、編入した年度の1月、TOEFLを初受験するところから始まります。
11,12月ぐらいが出願なので、1月に初受験はちょっと遅すぎた感が否めません。

もともと外大生のくせして英語は苦手だったので、このときのTOEFLのスコアは38。しかも、リスニング30点中3点。。。

理系大学院で必要とされるTOEFLスコアは大体80点以上です。はるか遠いです。

結論を先に言えば、このTOEFLが結局出願に際して最後まで足を引っ張りました。語学はほんと苦手なんだよなぁ。。。。

でもそんなこと言ってる場合じゃないので、初受験の日から英語の勉強も本格的に始めました。進級した4月からは英語に加えて、実際に出願する大学の選別作業にも入りました。
実はこれが結構大変。。。アメリカの大学って腐るほどあって、どれも優劣がつけがたかったりするので、どの大学院に出願するか、が一番の難所だと自分では思います。


長くなったので、今回はこの辺で。
次回以降は大学院の選定作業と、それ以降の具体的な行動を書いていきます。