2010-12-06 23:18:25

☆動画その2☆乙女の日本史 文学編『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー』

テーマ:乙女の日本史 文学編
10月10日に行われた「乙女の日本史 文学編」発売記念イベント音譜

辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー~歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット~』

動画その2をお届けしますラブラブ








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2010-12-06 23:01:24

☆動画その1☆乙女の日本史 文学編『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー』

テーマ:乙女の日本史 文学編
10月10日に行われた「乙女の日本史 文学編」発売記念イベント音譜

辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー~歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット~』

動画でご覧いただけるようになりましたラブラブ








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2010-11-14 17:36:05

『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー 歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット』5

テーマ:乙女の日本史 文学編

コン! コン平だコンニコニコ

最近、ついにおこたを出したコン!ドキドキ

雪国生まれのコン平は、寒さに強いのではなく寒さに敏感なんだコンコンあせる


さて! 前回よりお送りしている 「乙女の日本史 文学編」発売記念イベント

『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー~歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット~』音譜の様子を今回もお伝えします! 

いよいよ最終回! 乙女のためになる情報も満載です!



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前回の様子はこちらワイン
樋口一葉 は薄幸系美少女



辛酸先生(以下、辛酸)「樋口一葉は、女性としての魅力があるから、

周りの男性にお金をもらえたということもあるんでしょうか?」



堀江先生(以下、堀江)「樋口一葉は自分のモテ方を知っていたんですね。

美人はどうしても、やや高慢に見られたりするじゃないですか。

一方、一葉は美人だけれどどこかオドオドして挙動不審なところがあり、

美人としてふるまえない美人だったんです。キャラの転換というか、ギャップがあったんですね」



辛酸「五千円札を見ると、顔が平面に見えるのですが、実際は美人だったんですね」



堀江「樋口一葉は、黒目がちな瞳が男性にとってキラーポイントだったと。

顔でモテたタイプだと思います。さらに、薄幸キャラとしての魅力もあったんですね。

自分を薄幸キャラとして売って、さらに24歳で亡くなったことで、

彼女の薄幸系美少女としてのブランドは確立されたわけです。

彼女が亡くなった二カ月後、早くも全集が出版されているくらいですから。

それくらい、特に男性から見てもどこかぐっとくるような存在だったのでしょう。

なんとかしてあげなきゃ、と思わせるのがコツ(笑)」



辛酸「不肖私も高校時代『薄幸そうに見える』と友だちから指摘されて

このペンネームを思い付いたのですが、

やはり樋口一葉みたいに美人薄命じゃないと薄幸ブランドが確立できないですね。

長く生きすぎました……。
もしかしたら五千円札を持っていると、男性に援助される運がついてくるかもしれないですね」



堀江「逆転ホームランが打てるかもしれないですね(笑)。

愛情で失敗しても、仕事で成功するかもしれません」



■美人じゃなくてもモテた岡本かの子


辛酸「本書を読んでいると、樋口一葉や岡本かの子のように、

後世に名を残す女性はどちらかといえば嫌われやすい性格なのかなと思います。

性格が強烈というか自己中な人が多いのでしょうか」



堀江「岡本かの子は、息子である岡本太郎にも甘えてしまうほどの甘えたがりだったんです。

しかしあまり美人ではなかったんですよ。どちらかといえばブス。

ちょっと三白眼というか、写真かざれば魔除けの効果がありそうな感じですよね。


この人はおバカキャラで売っていたんだけど、実はものすごく努力家で、

本をたくさん読んでいたんです。しかも文才があった。歌人として活躍した後に小説を書いています。

つまり、かの子には容貌の代りに知性があった。

当時は文章を読んだら、それだけでその人のことを好きになってしまうような時代です。

そのため、男性と同じ目線で話ができたことも大きいのではないでしょうか。


彼女自身は、男を見る目が結構クールなんですよ。

ただ体型がぽっちゃりしていたこともあって、包容力があるように見られる。

それでいて甘えたがりですから、ある種の男性にとってはツボだったりするんです。

かの子自身にも、自分に弱い男性を惹きつけて離さない食虫植物のようなところがあったんだと思います」



辛酸「捕まえたら離さない感じですよね。そして相手はハマって出られなくなると」



堀江「しかしそれは女性から見たら『ブスなのになんでモテるの』と面白くないわけです。

特にブスはブスが嫌いですから。岡本かの子は、ある種の女流作家たちにものすごく嫌われたんですね。

ブス同士で結託して女子会を開き、岡本かの子の悪口を言ったりするんですが、

やはりそれではモテないんです。どんどんブスの溝にはまりこんでいく。


一口にブスって言っても、色々あります。

外見的な美醜というより、つきつめれば、自分のよさを上手くプレゼンできてない場合は、

外見的には美人に近くても、ブスになっちゃうんですね。

そうなると自分に自信がなく、男性と上手く向かい合えない。

その上でブスの悪口をいうブスは最悪のブスです(笑)。


岡本かの子はそういうことはせず、自分のことが好きな男性の視線を感じたら、

磁石のように引き付けて離さなかった」



辛酸「フェチ的なものですね。美人でもすごい険のある表情をしている人っていますよね。

美人すぎても逆に不吉だったり。

あと、よくカフェとかで人の悪口で盛り上がっている女性グループがいますが、

皆しゃべり方とかジェスチャーがおばさん化していてブスオーラがたちこめています。

岡本かの子みたいに自分はイケてると思い込むこめば、内側から説得力がでてくるんですね。

YAWARAちゃんにも通じる女子力です」



堀江「これからは、説得力を女子力に加えてもいいかもしれません(笑)。

しかも、岡本かの子は白黒写真しか残ってないのが残念ですが、

化粧まで基本が白塗り系でケバく、虹色の服を着たりしていたそうです。

一般的には短所かもしれないけど、そういうのが好きな男性はいるんですよね。


ところで、あまり大きな声では言えませんが、

宇野千代 が実はすごく服のセンスが悪かったって、

密かに思われてたことを知っていますか?」



辛酸「和服のイメージがあって、素人にはあまりセンスの悪さがわからないのですが……

たしか扇子やハンカチを作っていますよね」



堀江「宇野千代は桜が好きなんですね。

でもハンカチは、大屋政子系のショッキングピンクだったりするんです。

母がもらって悩んでました。私ってこういう色が好きだと思われてるのかしら、とか(笑)。

素材はよく、なまじ高級感漂うだけにカラーが……。


宇野千代はたしかに「おしゃれ好き」だったので、「おしゃれさん」だったということになってる。

でも、情熱の画家でエッセイストでもあった三岸節子に言わせると『彼女はあんなにセンスが悪いのに、

着物のデザインして大丈夫かと思った』ってバッサリ(笑)。

しかし、宇野千代はとにかくモテた。客観的に見て美人だったこともあるけど、

彼女の「センスの悪さ」には、ある種の男性の心に訴えるような、独特のフェロモン要素があったのかも。

今も昔もアイドルの衣装のセンスが悪いのと一緒なんですよ」



辛酸「ちょっとダサい方がスキがあるってことですよね。

モード系の女性はモテないのは昔からだったのでしょうか」



■性格が悪くないと生き残れない?


堀江「真性おしゃれ女子オーラに、男性が身構えてしまうからでしょうね。

多くの男性は自分のおしゃれセンスに不安を感じてます。

「わがファッションに一点の悔いもなし」ってタイプはもの凄いナルシストの男か、ゲイの一部くらいです。


話をブスに戻しますが、そんなに美人でもないのにモテる女にかぎって、

すごく自分のことが好きなんです。

自分が万人ウケしないことを分かってるけど、卑屈ではない。

だから自分に寄ってくる人の相手を真正面から出来る。


林真理子さんもよく著書で書かれていますが、自分のことが嫌いだと、

どんどん顔や表情が暗くなっていって、逆にどんどん悪いものを引き寄せてしまう。

岡本かの子は自分のことが大好きですから、やはりいいものを引き寄せたんでしょうね。

そんな風に、樋口一葉キャラか岡本かの子キャラで

明日からがんばってみるのもありかもしれないですね(笑)。

辛酸さんはどっちがいいですか」



辛酸「ええ……中間くらいがいいですね。

お札になるのは魅力的ですが……。

この本を読ませていただいて思ったのですが、

やはり仕事で生き残っていくにはビッチというか性格が悪くないとだめなんですかね」



堀江「辛酸先生はよく『セレブは目が笑っていない』とか

『実は性格が悪い人しか残らない』と書いてらっしゃいますよね。

性格が悪くないと残らないというのは、文学史だけでなく日本史を通して見ても真理だと思います。

ただ、性格が悪いということは、他人に流されない強さを持つと言い換えてもいいのでは。


やはり自分を強くもたないといけないのでしょうね。

今の自分の中身、外見、その他いろんなところに不満はあるでしょうが、

いつかよくなると漠然と思っててもダメ。

とりあえず、今の自分はこれしかないんだなと思って受け入れる。

そこから、自分をどういうところで好きになれるかですよ」



辛酸「そういうことを学べる本でもあるんですね。

今回はためになるお話、ありがとうございました。

現存している女性作家が読んでも、今後の生き方の参考になりそうです」



堀江「そうあって欲しいかな、とは思いますね(笑)。

こちらこそ、長い時間ありがとうございました」


これで、トークショーは終了です!

辛酸先生、堀江先生、ありがとうございました!


現代の乙女も、もちろん男性も・・・

それぞれが持つ悩みやぶち当たる壁を

乗り越える強さを持つにはどうしたらいいのか?

「乙女の日本史 文学編」には、これらのヒントがたくさんちりばめられています!



コン!


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2010-11-08 15:04:21

『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー 歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット』4

テーマ:乙女の日本史 文学編
コン! コン平だコン音譜
最近やっと秋晴れだコンもみじ晴れ
きちんと晴れてくれないと、いつのまにか紅葉が終わってしまうコン虹

さて!しっぽフリフリコスモス

前回よりお送りしている 
コスモス「乙女の日本史 文学編」発売記念イベントコスモス

もみじ辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショーもみじ
~歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット~

の様子を、今回も引き続きお届けしますコンオレンジ


前回の様子はこちらワイン



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■自殺する文豪たち……男性は単に弱いだけ?


辛酸先生(以下、辛酸)
なぜ、文豪は自殺したりするんでしょうか?



堀江先生(以下、堀江)
確かに多いですよね。なぜ文豪が自殺するかについては本書でも触れたのですが、
日本には、死ぬことで自分の全ての責任が取れるとか、
死んでしまうことでその人のすべてが美化されるといったような、
死に対して甘い文化があるんじゃないかなと思います。

自殺した文豪の多くは、恥ずかしさで苦悩した末に自殺してしまうんですね。
「自分が生きたいように生きられない、こんな恥ずかしいことはない」と強く思い込み、
次第に鬱っぽくなり、しまいには「もう死んでしまおう」となる。



辛酸:ほとんど男性の作家さんですよね。
女性の作家さんはみんな強そうですが。



堀江:樋口一葉 や岡本かの子はたとえ不幸でも最後まで生きぬく強さがありますが、
特に近現代文学の時代は、男性の弱さやもろさが表面化してきている気がします。



辛酸:そういう男性作家さんの小説が教科書に載っていることによって、
今の日本人は自殺へのあこがれというか、肯定感みたいなものが刷り込まれてしまって、
結構自殺率に影響しているような気もするんですが。



堀江:あがめ奉られるタイプの「名作」になっているのは問題かもしれません。
現在、日本では年間で3万人以上の方が自殺されているそうですが、
この事実に対して、「人生自体がひとつの戦争になっている」と誰かが言っていたことがとても耳に残っています。

しかも比較的男性が多いというのは、単に男性が弱いというだけではないんです。
おそらく明治維新のころは、男性は女性に対し、
上からガーっと何でも言えるくらい強いことが求められた。
ある小説では、夫に「愛人を見つけてこい」といわれた妻が愛人を探しに行くようなものもあるくらいですから。
そういったことができるくらい強い存在で、「家の中の長」と書いて「家長」。
男性は家の中で、専制君主としてのキャラクターを植え付けられるんですね。

しかし、もちろん男性全員がそうではなかった。
作家には特に、家長とは逆タイプの男性が多く、
また、作家でなくても家長としてうまく振る舞えない男性はたくさんいたんです。



辛酸:本書にも書かれていましたが、草食系の男性は昔からたくさんいたんですね。



堀江:当時の男性は世間で求められているような「男性」になりきれなくて、
苦しんだ面が大きいと思うんですよ。
また、作家というのは(いつまでも子供でいられる)ピーターパン的なもので、
社会のルールの外に出ているんですね。
特に白樺派はその色が顕著です。
社会の傍観者的要素がとても強かったんですね。



■女性を受け入れられない宮沢賢治

辛酸:宮沢賢治はかなりの不思議キャラですよね。
そういった価値観には捉われないというか。
本書にも、好きな女性に対して布団一式を送ったというお話が出てきますよね。
この布団で一緒に寝ようというメッセージなのでしょうか……。
ピュアそうなのにいきなり大胆です。



堀江: ちょっと生々しいですよね。
ここは本書221ページ「賢治の奇妙な恋愛―小岩井農場」ですね。
ここでは、ちょっとスピリチュアル系のお話になってくるのですが、
この章でレコードからチャイコフスキーの「声」を聴いたりする宮沢賢治の不思議な能力についても書いています。

宮沢賢治は女性に対しても不思議な愛し方をしますよね。
彼は、自分が創設した「農業私塾」の女性教師である高瀬露(たかせつゆ)と出会い、
彼女になんらかの好意を抱いて布団を一式送ります。
しかし、お互いが好意を認め合ったと思いきや、突然態度を変えてしまうんです。
結局、彼女を生身の女として愛せないんですね。



辛酸:彼女も布団アプローチでその気になったのが不思議ですが……。ふつうに迷惑ですよね。



堀江:たしかに。しかも賢治が布団をプレゼントするようになった経緯も、謎らしいんです。
よく分かってないらしい。高瀬露が宮沢賢治にカレーを作って振る舞ったことがあるのですが。
宮沢賢治は「自分には食べる資格がない」と食べることすら拒否してしまう。
そんな「カレーライス拒否事件」というものがあります(笑)。

しかも、彼女はみんながいる前で自分の作ったカレーを拒否されてしまったわけだから、
ものすごくショックを受けて、近くにあったオルガンめがけて走っていき、
鍵盤をめちゃくちゃに弾いたそうです。
JAPANのYOSHIKIさんのような激しい演奏をしたんですね(笑)。
そんな派手な修羅場すら、宮沢賢治は平然と……。



辛酸:えっ、宮沢賢治本人がその話を書いたんですか?
しかし彼女のリアクションもシュールというか……。



堀江:類は友を呼ぶものです(笑)。
賢治本人はカレーライス事件のあと、「像に釘を打つ」ようなことを高瀬露にやられた、
とポエムっぽく誤魔化してます。しかし、事件内容については主に周囲の発言からです。
彼らは高瀬を、童貞を誘惑した悪女だと決めつけ、色々証言していますね。
その前に宮沢賢治は繊細な詩を書いたり、
童話の中で弱いものの心を描いたりしているのに、
なぜ恋する女性のことは受け入れられないんでしょうね。



辛酸:ずっと童貞だったとか。妖精っぽいのもそのせいでしょうか。



堀江:そういう説もありますね。
童貞のまま三十路に突入すると魔法が使えるようになるらしいですよ。
一方で、賢治が「『遊郭に行って遊んできた』と朗らかな顔で話していた」
という証言も残っているんです。

とはいえ、みなさんが考えているようなことがあったかどうかは分かりません。
というのも、昔の遊郭、特に吉原など(高級な遊里)は単にいやらしい場だったわけではなく、
どちらかというと優雅なものでした。
まるで天女のような女性と、一日中一緒に過ごせるということがメインテーマだったんです。

これらについては前作(乙女の日本史 )の135ページに書いています。
吉原などはかつて大奥の関係者の女性が、
接待を受けに行ったことをほこらしげに記録してるくらいの場所ですから。

そんなわけで、宮沢賢治は比較的、イメージの中とか、
二次元系の女性にだけ萌える、「二次元系」の男性だったのではないかなあと……。このころから。



辛酸:吉原は今もアミューズメントパークみたいなファンタジックなお城が並んでいますよね。
毎年酉の市の時に通るだけですがドキドキします。昔はもっとゴージャスだったんでしょうね。



■樋口一葉は毒乙女?

堀江:ここまでは紫式部、阿仏尼などパワフルな女性の話をしました。
江戸時代あたりになると、「女流文学の伝統が途切れてしまった」ということをよく耳にしますが、
そんなことはありません。きちんと続いています。
江戸時代は、文学だけでなく、たくさんの女流芸術家を輩出しています。
さらに近代になると、女流文学は第二の復興期を迎えたとよく言われています。
その中にだめんずの文豪たちとガチンコで戦っていたような女性たちがたくさんいたわけです。



辛酸:そういえば、本書にも樋口一葉は実は腹黒かったということが書いてありますよね(本書206ページを参照)。文体からも手強い女性だということが伝わってきますが……。



堀江:確かに「半分古文」って感じで、読みにくいですね(笑)。
樋口一葉は男性に対して「こう行動した方が得だ」というようなことを
知り尽くしたようなところがあったと言われていて、
毒乙女系のガーリーな女性だったと僕は思っているんです。
もう五千円に印刷されている場合じゃないですよ(笑)。
こういうことは研究者の夢を壊してしまうのであまり多くは語られない、
知っていても語られないようなところがあるんですね。

樋口一葉は、19歳から日記を書いています。
日記にはポエムなタイトルがついていて、
現実にあったことと、樋口さんの「一葉フィルター」を通したポエムな世界が生まれています。
最初の日記には「若葉の影」というすてきなタイトルがついていて、
次々と「水の上日記」というような、住む場所などによってタイトルが変わっていくんですね。
没落したら「塵の中日記」というものもあるんですよ。もともと家が貧乏なこともあって。

さらに樋口一葉は、朝日新聞記者の半井桃水(なからいとうすい)に片思いをします。
一葉にとって、彼はどんな存在だったのかを描いた日記があるのですが、
これを読むと非常に面白いことが分かります。

ある日、一葉が半井の家に招待されて、どきどきしながら訪ねます。
その日は日曜日だったため、半井がみんなと楽しく団欒していたにも関わらず、
家の中へ暖かく迎え入れてくれた。
緊張はしたけど「(文学の)先生になってください」と一葉が頼むと、
「女性が文学を極めるのは難しいけれど僕はできるかぎり協力しよう」
などと彼は言った、と日記には書いてある。

しかしこれは「一葉フィルター」が生み出した作り話なんです。
実際に半井が書いた回想記を読むと、最初に来たとき、一葉はすごく挙動不審で、
2時間くらい座布団に座ることを進めても一向にその上には座らず、
ビクビクしながらも必死で愛想笑いを浮かべ、
正座したまま固まっていたそうなんです。

とにかく、用件すらしゃべってくれない、不審な人が来たと半井が思っていたら、
彼女の帰宅後に、知人経由の情報で彼女は樋口一葉という女性で
「文学がやりたい」ということが分かったそうなんです。
女性の身で、しかもどう見ても不健康そうな一葉が作家になれるとは思えず、
半井はこれにキッパリ反対するわけです。
一葉は自分の日記で、自分の好きな人を祭り上げるような、妄想系なところがあったんですね。



辛酸:もしかしたらいつか自分の日記が公開されることを予測して
あらかじめ美化していたのかもしれません。
けれど、一葉はその後、半井ととても深い関係になるんですよね? 愛人というか……。



堀江:よくそう言われますね。たしかにこのころ、一葉は半井に毎月お金をもらっていました。
今でいう20万円くらいですね。もらうってことは愛人としての「お手当て」じゃないかという説もあります。
しかし、僕はそうではないと考えているんです。

平安時代や中世といった時代は、
よほどでなければ、女性が遊んでいても後ろ指をさされることもなかったのですが、
逆に明治維新の後の考え方は、「処女絶対」という思想なんです。

これを一葉もしっかり守っていました。
一葉も、結婚できない人と深い仲になるのはやめようと思っているんですよ。
一葉は他人に「結婚できないのに付き合っている。不潔な関係!」と後ろ指を差されると
過剰反応してすぐに泣いてしまう。振られると未練をだらだらと日記に書いていたりします。
半井と別れて何年も後になっても(恋人じゃなくても)兄と妹として清らかに付き合いたいとか。

そしてお金が足りなくなると、「相場市場にチャレンジしたいから」と
久佐賀義孝(くさかよしたか)という近所の占い師に元手になるお金を「相談」という形で借りに行くんですが、
そこで彼に「つまり君は私の愛人になりたいのか?」と聞かれれば
「なんて不潔な男だ!」と日記に書きつつも、ちゃっかりお金はもらい続けていて。

このころの女性の感覚を考えると、
もちろん一葉も、結婚したい思いは強かったと思います。
しかし、そこでいいお嫁さんになるには処女でいることがとても大事だった。
つまり、そんな貴重なカードを一葉が安々と手渡すとは、僕は思えないんですよ。



辛酸:直前まではいたしていたのかもしれませんね。



堀江:どこまでが正真正銘の「清らかな処女」でいられるボーダーラインなんでしょうかね(笑)。
あとそういう、惚れた弱みに付け込まれる男性はこのころから多かったのかもしれないですね。




この続きは次回更新で!

お楽しみに!
コンいちご

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2010-10-30 15:24:48

『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー 歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット』3!

テーマ:乙女の日本史 文学編

音譜音譜
コン! コン平だコン!
台風が近づいてるコン!台風
みんな、気をつけるコン!!


さて、
前回よりお送りしている クラッカー「乙女の日本史 文学編」発売記念イベント音譜

チューリップ黄『辛酸なめ子先生×堀江宏樹先生トークショー
~歴史はいつでも甘酸っぱい-乙女のパワースポット~』チューリップ赤


の様子を、今回も引き続きお届けしますコン合格


クローバー前回の様子はこちら クローバー




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■日本史の根本は「ヤンキー」?


辛酸先生(以下、辛酸):
歴史文学は、古文で書かれているものを読むんですか?



堀江先生(以下、堀江):
はい。昔は、古文がすごく得意というほどではなかったんですけれど。

歴史文学に登場する女性は、今の女性以上にパワフルなんです。

日本史は、古い時代の方が元気な女性がいるんですけど、

そういう世界の人たちを見ていると、こちらもインスピレーションを貰えるんですよ。

「こんな時代にこんなことやっちゃうの!?」とか、「鎌倉まで歩いていったの!?」とか。

基本的に徒歩ですからね。いや、かごに乗ってもしんどいでしょう。

現代では、女性が元気な分、よく「草食男子はだめだ」という風に言われてますけどね、

昔の女性について読んでいると、現代の女性ももっと頑張ってほしいなぁ、と思ってしまいます。




辛酸:私も去年、「尼門跡寺院の世界-皇女たちの信仰と御所文化-」という展示会に行きました。

皇女が尼寺に入るとき、親に餞別で持たされた「かるた」や「貝合わせ」「すごろく」とか、

そういった展示物を見たんですけれど。

そこで展示されていた尼さんの肖像画と、キャッチコピーみたいなものがあって、

なんかヤンキーの「喧華上等」「花鳥風月」の言語センスに通じるかっこいいフレーズ満載だったんです。

「希有皇女 出家勝因 潜行密用 見解超倫」とか……。




堀江:ヤンキー系は実は結構、日本文化の中枢をいってますよね、ヤンキー魂というか。
藤原家全盛期の時代、都の貴族社会から落ち延びていった平家や源氏たちの子孫が、武士の原点です。

源氏の一人、木曽義仲(源義仲) が育ったとされる群馬や長野エリアは、

現代でも独特のヤンキー文化が根付く地域ですし、

もともと北関東エリアは昔から生粋の東武士(あずまぶし)のテリトリーでした。

そしてこの東武士こそヤンキー魂の継承者なんですよね。


男性だけではありません。本書にも書いたんですが、

貞淑な女と書いて「貞女」という概念が鎌倉幕府の公式史だった『吾妻鏡』に出てきます。

ただ「貞女」とは何かというと、好きな人が生きていても死んでても、その人だけ想える、

熱い心を持っていられる女性のことなんですよ。

まるでヤンキー女子の人生テーマそのものですよね。「命捧げます!」みたいな。

そういう意味では、北条政子 もヤンキー女子ですよ。伊豆のヤンキーです。

源頼朝との結婚を親に反対されて、親が決めた婚約者の邸に連れて行かれてるんですが、

人目を盗んで邸を抜け出し、夜の山道を駆け登って、必死で愛しい頼朝のいる神社まで逃げていくんです。

するとそこで雨まで降ってくるんですよ、いいシーンを演出するかのように(笑)。


日本の歴史文化は、ヤンキー魂を持った荒ぶる者たちが上り詰めてエスタブリッシュメント化されたら、

急速に貴族化するんですね。そして自己顕示欲とか自分の欲望を満足させるだけでなく、

他人に対する配慮を覚えてしまいエレガントになっていくなかで、荒ぶるヤンキー魂を失い、

政治的にも没落していくんですね。藤原家や平家もまさにそうだし、足利家、徳川家もそういう感じかも。

ヤンキー魂は日本文化のいたるところに見られます。


辛酸:よさこいイベントとか、都内各所で開催されているのは、

日本の活気を取り戻すためかもしれませんね。



堀江:そうそう、よさこいとか。東武士も元を正せば都のVIPですから、

パワフルで華麗な意識を継承しています。

東武士の華麗でバサラなDNAを受け継いだヤンキーたちの特効服とか改造車とか、

そういう日本のクラシカルなヤンキー文化が、

海外のファッション誌「VOGUE」に登場したことまであるんですよね。

日本の誇れる伝統文化だと僕は思うんですけど。

まぁ、「尼門跡の世界」の話に戻しましょう。そう思って見れば……



辛酸:それぞれの肖像画の上に、先ほどの漢文の煽り文句が添えられていて、女番長の風格が漂っています。カリスマ性のある尼僧は同性から慕われそうで、世が世なら私も入りたかったです。

「払子(ほっす)」という蠅や霊を追い払うホウキみたいなアイテムにも痺れました。




堀江:ホントだ、尼門跡の肖像画に功績を称える詩句が書かれています。

優しそうなおばあちゃまを称える言葉とは思えないくらい、ギュンギュンしててヤケにかっこいいですね。

禅宗は基本的に、すっごく似顔絵に凝るんですよ。

だからこういうものを見ると、本当に姫君さまが、うららかなお顔になられたって分かる。

でもそこに到るには、わりと色んな苦難を……




辛酸:当時の尼寺は文学サロンのような場所だったそうですが、

修行に没頭される方もいて、手の皮をはいでお経を書かれた物も展示されていました。




堀江:ちょっと根性焼きみたいな。




辛酸:尼寺にも、いじめとかあるんでしょうか。




堀江:どうでしょう、女性だけの世界ですから。

阿仏尼の『うたたね』の場合も、女性だらけの尼寺にいるより、

男性の門跡さまがいるお寺に、阿仏尼みたいなちょいワル尼としては行きたくなってしまうんですね。

尼寺にはやはり女性同士の秩序みたいなものがあって、その中で上手くやっていけるならいいけれど、

彼女みたいに抜け駆けするような性質の人は尼寺にも向かなかったというのは感じてしまいますね。




■友情以上、恋愛未満? 女性同士の「エス」


辛酸:尼の世界も女子校っぽいので、女性同士発展することはあったのでしょうか?




堀江:そうでしょうね。プラトニックな「百合」を通り越した関係かどうかはわからないですけれど。

少し脱線しますが、日本ではつい最近まで「エス」と呼ばれる女性同士の関係がありました。

「エス」とは、シスターの頭文字の「S=エス」。

これは女性の同性愛とも言われがちですが、そうではないんです。

「エス」は友情の一番感極まった形なんですね。

夫婦も、多くの場合、同性の親友みたいには長くは続かない。

恋人も恋人としてはなかなか続かない。

男女の場合というのは、色々と肉体関係を重ねた上でようやく、

同性の親友の境地に至れるのかもしれません。


しかし同性の親友の場合は特に肉体関係がなくても、

そういう親密な関係を持つことができる。特別な親友として一生続くわけです。

よく「ソウルメイト」と辛酸さんがおっしゃいますけど、

その一番熱烈な形が「エス」であったり、

あるいはちょっと後半でお話する予定の夏目漱石と正岡子規とか、

正岡子規の場合は他にも司馬遼太郎の『坂の上の雲』などで

秋山兄弟との熱い親交が描かれてたりしますが、

ああいう人たちの関係も、「ビー」と言うべきなんですね。

「ボーイ」の頭文字の「B=ビー」。「エス」と「ビー」が近代日本にはあるのですが、

彼らは「ビー」だったのかもしれません。




辛酸:たしかに、昔の文学者同士の記念写真とかを見ると

男同士でも濃厚な空気が漂っていたりします。




■変態扱いされた幻の問題作『我が身にたどる姫君』


辛酸:本書によると、平安時代にすごく濃い話があったということなんですが。




堀江:本書79ページの「週刊歴女」の後に続く、

特別読みきり「平安時代の百合の花園」ですね。

特に最初に取り上げた『我が身にたどる姫君』という、

平安時代末期や鎌倉時代に書かれたもの。

昭和4年に九条家の蔵で見つかるまでは、

タイトルだけが古文書の中で知られていただけの、幻の物語です。


でもこれが面白くて、現代のオタク的な「萌え」を先んじているというか。

登場人物の設定が現代的です。現代でも、実年齢より若く見えるとか、

幼げな美少女に萌える男性は多いようですが、

『我が身にたどる姫君』には幼い風貌の美少女だけでなく、

マニア受けする「ヤンデレ美少女」まで出てくるんです。

好きな人のカラダを噛んでしまったりするお姫様が出てきたり。

さらに極め付けが百合描写なんですよ。


もともと『我が身にたどる姫君』は45年もの間で皇室と摂関家との血筋の絡み合いを、

『源氏物語』の設定を借用しつつ作られたフィクションです。

不義密通あたりまえのちょっと困った作品なんです。

そして、お話の中で結構大胆なベッドシーンが出てくるんですよ。




辛酸:これは本当に平安時代に書かれたものなんですか?オーパーツみたいですよね。




堀江:そうですね、平安末期。

平安中期に書かれた『源氏物語』も一般的には「エロい」といわれていますが、

実は一回も具体的なラブシーンがない。

キスをするときに、(『源氏』の登場人物である)匂宮は、

物語の最後に登場するヒロイン・浮舟の唇をふさいでしまって

「声を出せないようにしてしまう」という婉曲な表現でロマンチックにまとめています。




辛酸:そこから先の行為についてはどんな風に書かれているんですか?




堀江:『空蝉』の巻では、光源氏が空蝉という女性を軽々と抱えて部屋の中に入ってしまったら、

つまりベッドインしたら、その内容については何も触れず、

次の文で二人の翌朝の光景を描く……みたいな。

まるでドラマや映画のフェイドアウトですよね。

キスしてると画面が暗くなっちゃって、朝になってて、

腕枕されてる女優さんがシーツで胸まで隠しているような感じ。

それが色事をバンバン描いていても、抑制が利いた表現を重んじる紫式部 の美意識ですね。


なのに、『わが身』が書かれた平安末期、乱世が始まると、

さっきも辛酸さんがご指摘してくださったように

異性はもちろん、同性同士のラブシーンまでもが見られるようになります。

「若い女が4、5人ほど、なんというべきだろうか、

上になったり下になったり、くんずほぐれつ戯れている」

とかいって、こういうちょっと困った内容が描かれてます。




辛酸:4、5人ってなかなか今でもないですね。

よく男性には、レズ行為に男一人で混ざりたい3P願望があると言われていますが、

これだけ多いとなかなか入れないですよね。




堀江:なかなか、乱れ咲きの百合はないですよね。

そのため、この作品は明治時代の学者に「変態的だ!」と言われてしまうんです。

だから昭和はじめに見つかったのに、

実はここ10年、20年くらいまで現代訳もなければ研究も進んでなかったんです。




辛酸:ないことにされていたんですね。




堀江:大日本帝国の時代では、問題図書とか発禁図書扱いなんですよ。

他に出てくる作品は先ほどお話したように、

今のライトノベルの世界を先取りするようなものが多いですね。

ヤンデレ系の美少女が出てきて、夫にまわりついて甘噛みをしたり。

見た目がロリータなのに中身がベトベトしているとか愛に悩んで病んでしまうとか、

大学の真面目な研究者には刺激が強すぎた。大胆な設定が多いんですよ。




辛酸:日本人がロリータ好きなのは今に始まったことではないんですね。

問題は根深いところにあったとは……。

そして平安時代にも主流の文学とは別にサブカル的な流れがあったのでしょうか。




■文学で発揮される日本人の特性


堀江:そうですね。日本の文学は、サブカル的な文脈を外しては語れません。

それは日本人の創造力や、クリエイティビティの高さが一番発揮されるジャンルなんです。

実際、日本から海外に常に輸出されていくものって、

アニメーションや漫画など、サブカルチャーベースの作品が多いですよね。

それらの多くは現実からちょっとずれてる、パラレルワールド的な世界をベースにしています。


『源氏物語』ですら、お約束の心霊描写をはじめ、実はそういう側面が強い。

いわゆる「芸術文学」とか「純文学」といった視点や価値観で、

明治より以前の日本の名作文学を読み解こうとしても限界があります。
「文学」という概念自体、明治時代に輸入したものですし……。


それまでは「つぶやき」に相当する、和歌や俳句。

サブカル的、エンタメ的な文脈で作られた「物語」や、

スピリチュアル系実話文学である「説話」。

さらにいわゆるエンタメ小説である「戯作」などなど。

これらが日本文学のコアだったと思います。

そして忘れてはいけないのが「日記文学」や「私小説」。

文字通り、カミングアウト文学です。




辛酸:今の告白系のブログが流行っているのと似たようなものなんですね




堀江:そうですね。日本人は自分語りが大好きなんです。

告白系のブログ風に赤裸々に自分のことを書いてしまったり。
一方でフィクションの小説などを書くにしても軽く超常現象を起させるとか、

パラレルワールドというか、現実とは少しだけズレた世界観を持たせることで、

より強いエンタメ性も発揮できるということかな。村上春樹の小説みたいに(笑)。

そういった「チャンネル切替え」の上手さが日本人の創作のいいところで、特性なんだろうと僕は思います。



この続きは次回更新にてご紹介! お楽しみに晴れ


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