バルセロナはヘルシンキより広い!
大通りがいくつもあるし、エリアによって
全く違う雰囲気で、それぞれ魅力に溢れていました。
18世紀半ば、バルセロナの人口に伴い拡張された
エシャンプラという地区には
多くのガウディの作品が残されています。
その目抜き通りグラシア通りに
向き合うようにガウディの山と海はあります。



「カサ・ミラ」別名ラ・ペドレラ(石切り場)
山をイメージして造られたといわれており
ガウディ晩年の作品で世界遺産になっています。
切り出したままの石の粗い表面を残した
石造りの外壁は重厚感がありますが
なだらかにうねる曲線のおおらかな表情は
人の手によって造られたものとは思えぬ
自然界の創造物のような雄大さと繊細さを
併せ持った魅力的な建物です。
6階建ての新築集合住宅として建てられ
部屋や窓の形がすべて違うつくりになっています。


門扉やベランダの手すりに見られる
アイアン細工の独特の形状は
外壁の曲線と溶け合って
心地よい一体感を感じさせました。


忘れてならないのは屋上に並ぶ数々の煙突。
奇妙な姿は宇宙人、騎士のマスクともいわれていますが
バルセロナの強い風を上手く逃すように
デザインされているそうです。




「カサ・バトリョ」
こちらは海をイメージして造られたそうです。
ガウディ円熟期の傑作ですが「カサ・ミラ」が新築なのに対し
五階建ての建物を全面的に増改築したものです。
増築された屋根裏階の青く光る屋根は「竜の背」と呼ばれ
ひときわ目を引く造形です。
外壁に様々な色ガラスや円形タイルなどを用い
陽光に照らし出され幻想的な姿を見ることが出来ます。
ベランダの仮面のような不思議な造形や
直線を一切排除した人骨のような柱など
強烈な個性のパーツを上手く繋ぎ合わせる
絶妙のテクニックには本当に脱帽です。
普通なら下品なものになりかねないですよ。
こちらも部屋は全部違うつくりのようです。



海をテーマにしていますので
ステンドクラスは海中のイメージでしょうか。
水玉がリズミカルに並ぶ様は
とても軽やかで気に入りました。


屋上の煙突。
色ガラスを多様しお花のモチーフが可愛らしく
柔らかなデザインと調和しています。




カサ・ミラにあったガウディチェア
これでガウディはおしまいです。

彼の作品はあまりにも独創的過ぎて
当時は相当奇抜なものだったでしょう。
現在でも十分に斬新ですし。
今日のようにガウディを天才扱いすることを
彼自身は望んでいないかもしれませんが
彼が残した様々な作品を目の前にした時
陳腐ではあるけれども
感嘆のうなり声やため息と共に
それ以外の言葉が思い浮かばないんですよね。
でも、天才と簡単には呼びたくない自分もいたりして。
学生時代、担当教授がガウディの作品を見て
「悪魔か、天才か」と呟いたそうです。
なるほど!そんな言い方もありですか。
今まで以上に興味深い人物となりました。