日本人に生まれたことは幸せですか?3 | 地球に恋して ~世界一周散歩ブログ~

日本人に生まれたことは幸せですか?3

リビングストン(ザンビア)での話。

ヴィクトリアの滝へと続く最も主要な道を
タクシーで走っていた時。

あきらかに他の道より綺麗に舗装されたその道路を
一緒にタクシーに乗ってたオーストラリア人が褒めた。

「この道は日本からのプレゼントなんだ!」

ドライバーは私が日本人だと分かってこう言ったのかどうかは分からない。

ツアーの中で
橋とか孤児院とか
日本がアフリカに支援してる姿を何度も見てきた。


日の丸がこれでもかってくらいバカでかく掲げられていたから
バスの誰かが気づく度に教えてくれて
「あぁ、ここでも支援してるんだぁ!」って
私は自分の国を誇らしく思ってた。

だけど・・・
このタクシーの運転手は
私じゃ気づかないことを言ってきた。


「日本がここに道路を作ってくれたから、中国が他の場所にもっと良い道路を作ってくれたんだ。
日本も中国も間違ってる。」



ん?って思った。


「ここはヴィクトリアの滝に行く観光客が必ず通る道だ。日本は俺たちのためにこの道を作ったんじゃない。他に道を必要としている場所なんてたくさんあるのに、ここに観光に来る先進国の人間に日本の力を見せつけるためにこれを作ったんだろう。」


ビックリした。
すごくビックリした。


「そして『日本がこれを作りました!日本はこんなに援助してます!』って、宣伝する。」


私が誇らしいと思っていたソレを
現地の人はこんな風に見てたのかと驚愕した。


「俺はこの観光地に出稼ぎに来てる。俺の村は貧しいから。そこにカナダ人が井戸を作ってくれた。その井戸にいちいちカナダからの贈り物だとか書いてないし、よその国の人間がその井戸を使うことはない。俺たちだけがその井戸はカナダからの贈り物だと知ってる。俺からしたらヒーローなのは大金を使って宣伝をした日本や中国じゃなくて、カナダだ。」


「日本人だって孤児院とか小さな村へ行ってる医師とかそういうこともやってるよ。」
って思ったけど

宣伝と受け取られるド派手な援助をしてしまってる以上
それらの善意も全部かき消されてしまってる気がして
何も言えなかった。



同じ物を食べても

美味しいと感じる人
不味いと感じる人
辛いと感じる人
刺激が足りないと感じる人

色んな感じ方がある。

現地の人と私じゃ
まったく違う感じ方があってもおかしくない。



「私たち観光客が快適にヴィクトリアの滝に行けることには間違いないんだから、気にすることないわよ。」

タクシーを降りると
オーストラリア人夫婦とカナダ人が励ましてくれた。

私は
今までアフリカで見かけた日本からの援助の中で
いくつか宣伝とも取れるものがあったことを思い出してた。

町の名前は忘れてしまったんだけど
たしかザンビアだったと思う。

貧しい村でも町でもない
発展した都会の町の大きな交差点の真ん中(サークル)に
花壇?花畑??があった。

そこにもバカでかい『日本からの贈り物です!』看板が設置してあって
私はバスでみんなから拍手をもらった。

でもよくよく考えたら
交差点の飾りなんかより
その国に必要なものはたくさんあったと思う。

もちろん
日本の立場や外交戦略上
やる必要があったことかもしれないし
日本が素晴らしいことをしていることに変わりはないんだけど

あのタクシードライバーの言葉が
しばらく頭から離れなかった。


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日本は基本
世界中から愛されてると思っていたし

その中でも
日本のお金はすごく愛されてると思っていたので

なんだか忘れられない出来事のひとつになってしまいました。


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今日も遊びに来てくれてありがと(´∀`)