ライブドアですが、報道によると、えらい粉飾してます。


企業経営や会計の教科書に、「利益は経営者の意見、キャッシュは事実」と言う言葉がよく出てきます。発生主義の原則をとっている会計においては、利益はどうしても恣意的なあるいは主観的な要素が出てくるためです。具体的には、貸したお金が返済される確率や、減価償却方法、在庫の評価、営業権の償却期間など、恣意的な見積もり、会計方針によって損益計算書はかなり変わってきます。恐らくライブドアの損益計算書は相当細工されていることでしょうから、分析しても無意味です。


なら、キャッシュは事実といいますから、過去5期分のキャッシュフロー計算書を見てみます。


cashflow


簡単に営業キャッシュフローと、投資キャッシュフローの関係を説明しますと、あくまでも企業は営業キャッシュフローの極大化を目指しており、投資キャッシュフローはそのための種まきをしているということです。


営業キャッシュフローが、儲けた銭、投資キャッシュフローは、種まきの銭 です。(まあ、詳しく言い出すと必ずしもそうではないのですが、話を簡単にするためにこう理解していただいた方がよいと思います)

そして、財務キャッシュフローはそのための資金調達の動きということです。


始めに断っておきますが、「キャッシュは事実」と言っても、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの勘定をわざと付け替えるという粉飾をライブドアはやっています。営業キャッシュフローの計算が当期利益から始まるので、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローは粉飾されているはずです。本当に信頼できる数字は、期末残高(通帳、金庫の現金を見ればすぐ分かる)ぐらいでしょう。しかしながら、相当粉飾しているにしても、面白いことが分かりました。


やはり、キャッシュフロー計算書を見ると、調達した資金に比べこの会社はほんとうに本業(営業キャッシュフロー)はほとんど儲かってなかったようです。営業キャッシュフローは、5年で179億円しか儲けていません。しかも、報道によると少なくとも最低80億円程度は粉飾してますから、実際は100億円程度しか儲けていません。投資家から1,568億円+80億円=1648億円を巻き上げて、リターンは100億円です。(恐らく、さらに粉飾が判明するかもしれませんのでひょっとしたら営業キャッシュフローマイナスかもしれません)


一応彼らの言い分だと、投資に822億円使っており、将来の営業キャッシュフローに貢献するはずだと言うでしょうが、実際に買収した会社の収益力は「?」という先ばかりのようですので、眉唾物です。


つまり、この会社は投資家から金を巻き上げる会社、株式市場をATMのように扱っている会社であることが分かりました。そういう意味では現金創出能力は、天下一品であります。完璧です。言ってみれば、本業が好調なように見せかけて、さらに株を投資家にだまして売っていたような会社です。


楽天も、主に借入により相当投資活動にお金を使っており、将来の営業キャッシュを稼ぐ責任があります。別に、楽天を批判している訳ではありませんし、経営がまずいという訳でもありません。将来本当に営業キャッシュフローを稼げば問題ありません。同社への投資家は投資した会社が本当にキャッシュを稼ぐのかどうか充分に見極める必要があります。


その点、yahooというのは、驚異のビジネスモデルで、投資家や金融機関から資金を調達することなく、数百億円のキャッシュを稼ぐ力を持っている会社です。ここはM&Aを行っておりませんが、恐らくYahoo!に集中することで将来さらにキャッシュを稼げると言う自信があるのでしょう。


このように、M&Aを積極的に行っている会社への投資は、将来、営業キャッシュフローを本当に稼げるのかを見極める必要がありますので、是非過去のキャッシュフロー計算書にも目を通された方が良いと思います。


(当投稿は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、読者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。)   







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