山と平野 | 米の心

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日本という国は四方を海に囲まれており、また、その陸部においても大部分を山が占めている国ですね。

 

そのため平野部というのは非常に狭い範囲でしかなく、また、かつてはその平野も多くは湿地帯だったと言われています。代表的なのは関東平野ですね。

 

この関東平野は日本では珍しいほど大きな平野となりますが、他の地域をみるとやはり山が海近くまで迫っているというところも多いです。

 

京都などは四面を山に囲まれていますが、この辺りは落語の世界などで西と東の違いなどでよく出てきますね。愛宕山などのネタを見てみれば、それがよくわかると思います。

 

中国地方などに目を向けてみると、もうこちらはほとんどが山といった形で、実際に通ってみればわかるのですが、海沿いまで本当に山が迫っているというところが多いです。

 

岡山などはその中で例外的なところといえます。岡山平野は中国地方でもかなり広大な平野部でここは他の中国地方の街並みと違うところがありますね。

 

今では中国地方第一の都市といえば広島ですが、岡山はかつてはそれなりに栄えた町であったというのは、その交通上の重要なポイントにあったというだけではなく、その広い平野を十分に生かせる環境であったからといえるのかもしれません。海から山が遠く、そこを十分に使え、水資源にも困らないため、人が住みやすく、また、農作なども盛んになったというわけです。

 

これが、お隣の広島となると話が変わってきます。どうしても、山が近いですから、都市の設計が変わってきます。実際に岡山から広島へと通ってみればわかるのですが、広島の街並みというのは海沿いに延々と続くように連なっています。

 

これは、山が近いためその街の発展が横へ横へと広がっていく形にしかなりえないからですね。そして、それでも足りないとなったときには山を切り崩して人が住むということになります。

 

いつだったか、広島で大規模土砂災害がありましたが、広島でそのようなことが起こるのは、この都市設計によるものです。海が近く山も近いため、発展するには海沿いに広がるしかなく、それが限界になれば山を切り崩すしかありません。そして、山を切り崩せば当然土砂災害のリスクは高まるというわけです。

 

島根などで落石の話などもありましたが、実際、あちらこちらの山道を通っているとその周辺を十分に土砂災害対策をできているところというのはほとんどありません。それをするだけのお金がないからですね。

 

また、広島は先ほども記述した通り平野部が極めて少ないところですので、結果としてその発展が農作を中心にはしにくいところがあります。工業が発展したというのは、海が近いという点だけではなく、十分に農業で発展するほどの土地の確保が難しかったからというのはあると思います。

 

海と平野と山の関係をみながら街をみるというのはその都市がどうしてそう発達したのかというのがわかって面白いところがあります。

 

坂ひとつ、山ひとつの意味をみながら散歩をしてみるのも面白いかもしれません。