クライマーズ・ハイ 試写会(スペースFS汐留)


「チェック、ダブルチェック」


1985年、子供心にもこの出来事は覚えています。N○Kでもドラマ化(2005年12月http://www.nhk.or.jp/drama/html_news_high.html )されました。観たのですが、詳細はおぼろ・・・直後に現地入りした記者のものすごい苦労が印象に残ってます。原作とこちらのドラマの方も観てみたくなりました。


地元で起こった最大の事件、他紙よりも少しでも多くの情報を得て読者に報せること。スクープとして記者としての名声を得たい、メジャー紙に勝ちたい、綺麗事ではない熱さ溢れる作品でした。他社との競争だけでなく専制君主のような社長、過去のスクープの栄光にしがみつく上司達、功名心に逸る部下。編集部内でも足のひっぱりあいのようなこともある上に、同じ会社内の部署間でも新聞広告を取ってくる営業部との紙面で争い、印刷や配布の元締めである販売部との駆け引き。そのスジの出入りのような怒号飛び交うもみあいなんて、今なら国会か株主総会くらいなんでは?

こういったらフェミニストには怒られそうですが、一体いつ家に帰ってるんだろうというような勢いで正に男の職場。もちろん女性もいましたが、何かにつけて厳しかったのではないかなーと。隠密行動だって目立ちそうだし。


新聞記者としての自分と組織の一員の狭間で苦悩する悠木に堤真一。すさまじい事故現場に最初に入ったサヤマの堺雅人、鬼気迫ってて、ドラマに負けない濃ゆーいキャスティングでした。


グリコ森永、中曽根首相の頃、携帯電話もネットもなく(ポケベルはあった)足で稼いで伝達手段は無線や限られた固定電話のみ、必死で現場に行き関係者へ取材を敢行し顔色から情報を読み取る。一報で部内が騒然と一斉に動き出す、情報収集と裏付け、締め切りに向かって追い立てられる時間との戦いも臨場感に溢れてて「そこに山があるから」という山男の名言?通り、彼らはヤマ(事件)にとりつかれた=クライマーズ・ハイってことなんだなあ、と。


仕事へのプライドが彼らを支え紙面を作っていく、145分という長さを感じさせない熱いドラマでした。


http://climbershigh.gyao.jp/ クライマーズ・ハイ (2008年7月5日公開)
製作年度: 2008年
製作国・地域: 日本
上映時間:145分
解説: 1985年、群馬県御巣鷹山で起きた日航機墜落事故をめぐって翻弄(ほんろう)される地元の新聞記者たちの姿を描く社会派ドラマ。実際に記者として日航機墜落の取材をした作家・横山秀夫が自らの体験を反映した同名小説を、映画『金融腐蝕列島 [呪縛]』の原田眞人監督が映像化した。地元新聞社の熱血漢デスクを『ALWAYS 三丁目の夕日』の堤真一が演じたほか、『殯(もがり)の森』の尾野真千子ら実力派が集結。感情が激しく交わる濃密な1週間の人間ドラマに圧倒される。(シネマトゥデイ)
あらすじ: 1985年8月12日、乗員乗客524名を乗せた日航機123便が、群馬と長野の県境に墜落、その一報が北関東新聞社に入る。編集部で全権デスクに任命された悠木和雅(堤真一)は記者として扱う一大ニュースに対する興奮を禁じえないが、中央紙とのスクープ合戦や組織や家族との衝突を経て、命の重さに対しわき上がる使命感を覚える。(シネマトゥデイ)
督 原田眞人
原作 横山秀夫
音楽 村松崇継 脚本 加藤正人 、成島出 、原田眞人
出演 堤真一(-) 堺雅人(-) 尾野真千子(-) 高嶋政宏(-) 山崎努(-) 遠藤憲一(-) 田口トモロヲ(-) 堀部圭亮(-) マギー(-) 滝藤賢一(-) 皆川猿時(-) でんでん(-) 中村育二(-) 螢雪次朗(-) 野波麻帆(-) 西田尚美(-) 小澤征悦(-)

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