「ミサイル防衛」は巨大利権ビジネス - 「北朝鮮危機」利用し兵器に群がる政軍産官複合体
テーマ:憲法9条・平和の問題北朝鮮のミサイルの脅威に備えるには、ミサイル防衛(MD)システムの一層の充実が欠かせない。さまざまな訓練を重ねて迎撃の精度を高め、システムの実効性を向上させることが重要だ。
これは、きょうの読売新聞の社説の一節です。しかし、共同通信や毎日新聞などは次のような報道をしています。(※今回のエントリーは、「ミサイル防衛」に関する各紙等からの抜粋を紹介します。引用部分は色を付けて掲載します。byノックオン)
政府筋は23日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した場合の迎撃について「ピストルの弾をピストルで撃ち落とせるはずがない」と述べ、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などミサイル防衛(MD)による迎撃は不可能との認識を示した。(共同通信3月23日配信記事)
鴻池祥肇官房副長官は26日の参院予算委員会で、北朝鮮の長距離弾道ミサイルに対するミサイル防衛(MD)について「ピストルの弾同士が当たるのは、なかなか難しい」と答弁した。MDを巡っては政府高官が23日、「鉄砲を撃ってきたのを鉄砲で撃っても当たらない。(ミサイルを)撃ってきたら当たるわけがない」と発言しており、鴻池氏も同様の認識を示した形だ。(毎日新聞3月26日付)
米国の戦略国際問題研究所のガイ・ベンアリ氏は本紙に、「ミサイルの弾道さえ正確な情報はつかめていないと思う」と作戦の難しさを指摘。「日本のPAC3は最新装備に更新されていると思うが、どれだけ厳格な試験がなされているのか」と迎撃能力にも疑問を投げかける。たとえ迎撃ミサイルが命中しても破片の落下で日本国内に被害が出る恐れもあるという。
防衛情報センターのフィリップ・コイル上級顧問も「現実に起きる事態は(事前に想定した)筋書きのある試験とは違う」と米国防総省の「自信」に首をかしげ「もし(迎撃ミサイルが)外れたら、北朝鮮にばかにされるだけ」とする。日米が迎撃を試みるのは得策でないとの立場だ。
パトリオットやイージス艦を使ったミサイル防衛について「パトリオットやイージス艦が防衛できる範囲は広くない。日本の国民が依存するのは無理と思う」と語った。(東京新聞3月29日付朝刊)
「政府筋」や中曽根弘文外相はMDの有効性に疑問を投げ掛けている。「当たるはずがない」「撃墜は極めて難しい」と言明したのだ。MDシステム構築には1兆円を超す経費が掛かるとされる。それが「高価なおもちゃ」にすぎないとしたら、これほど国民をばかにした話はない。(新潟日報3月26日付)
破壊措置命令に基づいて、最新のイージス艦と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を緊急配置した防衛省の姿勢を「矛盾をはらんだ政治ショー」と説明するのは、軍事評論家の前田哲男さん。「第一に技術的問題として現在のシステムでは長距離弾道ミサイルに対応できない。それなのに多額の税金を注いでいる以上、『迎撃できる』と言わざるを得ないところに防衛省の苦悩がある。半面、これまでやりたくてもできなかったPAC3などの緊急展開を訓練代わりにできる。複雑な気持ちなのでは」(東奥日報3月31日付)
そして、日刊ゲンダイ(4月3日付)は、「迎撃ミサイル危機は巨大利権ビジネス 『北朝鮮ミサイル迎撃』のウラにある巨大ビジネス MD(ミサイルデイフェンス)計画には8000億円超の税金投入 やれもしないのに実戦配備の大宣伝」と見出しを打って、次の記事を掲載しています。
『「憂国」と「腐敗」 日米防衛利権の構造』の著者でジャーナリストの野田峯雄氏が言う。
「政府は自ら実戦化した舞台をつくり、戦闘への備えを進めています。これが本気なら、PAC3配備という隠して当然の軍事行動について、なぜマスコミを集めて見せびらかすのか。原子力発電所の燃料運び込みですら、ダミーの車両を走らせるなど細心の注意を払っています。それなのに軍事機密は、だだ漏れで偽装工作もしない。常識では考えられないことをやっているのです」
これだけ備えても迎撃は不可能だ。北朝鮮の銀河2号は、日本の頭上を通過する10分後には上空300キロを飛行する。一方、海上自衛隊のイージス艦から発射される迎撃用ミサイルSM-3の上昇限度は250キロ程度。撃ち落とそうにも届かない。
PAC3なんて射程は半径20キロ。せいぜい落ちてきた物体を破壊する能力しかないが、それこそ鴻池官房副長官が言うように、「鉄砲の弾を鉄砲の弾で撃ち落とすようなもの」でムリ。現実には手も足も出ないのだ。
それでも大騒ぎしているのは、ミサイル防衛(MD=ミサイル・ディフェンス)計画が利権になっているからだ。
「計画を推進する米国に両手を引っ張られ、日本は小泉政権の04年度からMDに予算を付けてきました。その総額は、09年度概算要求額を含めると8076億円に上ります。これに群がっているのが、日米の軍需企業群と政治家たち。とかく政治家は安全保障とか憂国の情とかきれい事を並べますが、本当の動機は不純。北朝鮮危機は防衛利権で甘い汁を吸う連中に利用されているわけです」(野田峯雄氏=前出)
そんなことは百も承知のはずのNHKは連日、北朝鮮の問題をトップの扱いで報じている。戦争をビジネスにしている連中のために、大宣伝してやっているのだ。この国は、やはりおかしい。
収賄容疑での逮捕を直前にして、「政治家の方がもっと権限があるじゃないか」と語ったのは、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者です。MD(ミサイル防衛)には迎撃ミサイルだけでなく、イージス艦、地上レーダーや航空機、軍事衛星からのミサイル監視網、それらを統合運用するコンピューターシステムなど、複雑な技術体系が必要で、軍需企業はここに巨大な市場を見込むことができるのです。この点について、『日刊ベリタ』 で、安原和雄さんが次のように指摘しています。
飛来するミサイルをミサイルで撃ち落とすというミサイル防衛は、技術的な有効性が疑問視されているだけではない。総額1兆円を超える巨額の兵器ビジネスでもあり、財政赤字が巨額になる中で巨額の血税の浪費が半ば合法的に続いていく仕掛けである。笑いが止まらないのは日米の「政軍産官複合体」という闇に潜む構造的巨悪であろう。
防衛省と兵器メーカー上位10社との契約額(2006年度・億円)はつぎの通り。 ①三菱重工業2,776 ②川崎重工業1,306 ③三菱電機1,177 ④日本電気831 ⑤I.H.I.マリンユナイテッド(石川島播磨重工と住友重機械工業の共同出資会社)446 ⑥富士通441 ⑦東芝423 ⑧石川島播磨重工業365 ⑨小松製作所363 ⑩富士重工業199
これらの企業は年間1,000万円から3,000万円程度の自民党への献金を行っており、しかも防衛官僚のこれら兵器企業への天下りは、多い企業では100名近くに上っている。こうして「構造的利権の中の政軍産官複合体」と呼ぶにふさわしく、日本の政軍産官を腐食させる構造的要因ともいえる。
日本政府が想定する、打ち上げ失敗によるロケットの突然の落下に対する迎撃は、当の米国さえ実験自体を実施しておらず、到底不可能である。今回の発動の目的は、データ収集とMD作戦の予行演習にある。
MD発動の標的は、血税と憲法9条に据えられている。ここぞとばかりに自衛隊のプレゼンスを見せ付け、MDの正当性をアピールすること。さらに、戦時態勢に住民と自治体を動員することで憲法9条の足枷を取り払い、日米軍需産業に巨大なMD利権を保証することが目論まれている。これはまさしく、「憲法破壊命令」そのものだ。
私たちは、北東アジアにおける軍拡競争が宇宙へと拡大しかねない重大な局面に立ち会っている。軍拡スパイラルからの脱却は、「ミサイル防衛」ではなく「ミサイル軍縮」の先にしかあり得ない。自らが相手に与えている脅威を自覚し、保有兵器を相互に削減していくアプローチを粘り強く探る以外に、持続可能な平和に至る道はない。
エントリーの最後に、「ミサイル防衛」と直接関係しての発言ではありませんが、こうした事態の本質をつく言葉として紹介します。
ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・京都産業大学教授が、3月8日、明治大学で自身も呼びかけ人をつとめる「九条科学者の会」の発足4周年記念の講演で、ズバリ次のように語りました。
改憲派は、なぜ憲法9条を変えたがるのでしょうか? 僕は物理屋です。因果律で考える癖があります。なぜ9条を変えたがるのかと。彼らは憲法の条文に不備があるからと言っていますが、解釈改憲で自衛隊がソマリアまで行く時代です。条文不備のせいじゃない。憲法9条があったのでは出来ないことをやりたいからに違いありません。つまり自由に兵器を使うということです。





1 ■無題
本当に軍事を知らない人間は、笑えるなー。
> 当の米国さえ実験自体を実施しておらず、到底不可能である。
当たり前じゃん。ミサイルを破壊するのが主目的なんだから。破片なんて想定外だよ。でも、まさか「破片が落ちて国民が死にました。すみません」で終わらせるつもりか? そんな能なし、いらない。
だいたい、朝日や毎日? ひゅうが型護衛艦が進水した時、「自衛隊初の全通甲板」とか爆笑モノの報道したところじゃないか(全通甲板もった護衛艦なんて、今までも山ほど作ってるよ)。
そんな所の情報を信じている時点で、間抜けとしか言いようがない。