2009-01-08 20:56:25

年越し派遣村の真実 - 「どんな仕事でも良いので働いて収入を得たい」とのまじめな求職者が多かった

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 ※全労働省労働組合 から、「年越し派遣村」の報告が届きましたので紹介します。とりわけ注目してもらいたいのは、「相談内容の特徴」のところです。事実として、「年越し派遣村」は「どんな仕事でも良いので働いて収入を得たい」とのまじめな求職者が多数相談に訪れていました。坂本哲志総務大臣政務官(自民党衆院議員)の「年越し派遣村」に「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのか」という発言が、大きな間違いであったことを事実で示してくれています。(byノックオン)


 全労働省労働組合(略称、全労働)は、全国の労働局・監督署・安定所で働く組合員が第一線窓口で実感している「派遣切り」「期間工切り」に遭った多くの労働者の厳しい実態の改善を求め、緊急雇用対策等の充実を要望しています。また、労働行政に携わる労働組合として、本部役員を中心に「年越し派遣村」のとりくみに参加しました。


 ◆求人情報の閲覧


 全労働の活動は、本部テントの横に設置された、生活や労働、医療相談を行う相談テントを中心に行いました。


 求人情報は、職種ごとにファイル化し、相談テント前に自由に閲覧できるよう設置しました。設置するなり、多くの村民が熱心に閲覧し、それが途切れることはありませんでした。閲覧した村民からは、厳しい雇用情勢にあっても、意外に住込可能求人が出されていることに驚かれ、熱心に求人内容をメモする姿が見られました。


 このとりくみを通じ、非常に厳しい環境に置かれた離職者に、5日以降に安定所に行けば求人があるという安心感を多少なりとも与えるとともに、再就職に向けた意欲を喚起することができたと思います。


 ◆履歴書用紙と履歴書用写真の提供


 履歴書用紙は、近隣の文具店から在庫すべてである80セット(履歴書用紙と職務経歴書用紙各4部と封筒がセットになったもの)を購入しました。また、不足が見込まれたため増刷しました。希望者には無料で配布しましたが、思いの外遠慮がちに受け取る人が多かったです。


 履歴書用写真は、パソコンやデジカメ、プリンターを持ち込み、撮影・配布しました。撮影にあたっては、テントの白地を背景にするとともに服装等のアドバイスも行い、できるだけ有料の写真と近い水準をめざしました。また、撮影した写真はデジカメ背部の映像で本人に確認してもらい、納得できるまで撮り直しました。厳しい環境の中で、鏡を見る機会もなく、着の身着のままで過ごしている村民からは、何度も撮り直す対応に感謝の言葉が寄せられました。また、所持品の中にスーツを持っている男性が、着替えて撮影に来たり、女性の希望者に対し、ボランティアの女性が化粧品や鏡を貸す場面も見られました。提供する写真は、提供枚数を制限することなく、いくらでも希望に応じることを強調しましたが、ほとんどの希望者が遠慮がちに1枚か2枚の希望にとどまりました。それでも、全期間を通じ約200シートを提供しました。


 履歴書用紙と写真の提供は、村民にとって市販品の購入が経済的負担であることから、希望者からは大きな好評を得ました。


 ◆生活・労働相談


 相談活動は、弁護士や司法書士など法律・生活相談の専門家と、労働組合役員など労働問題の専門家がペアになり一人の相談者と対応する方法で行いました。


 開村時には、職業相談や融資の案内が有効なケースが多く見られましたが、日を追うごとに相談は深刻な内容が増えました。所持金が極端に少なく千円未満の方も多く、身寄りもないといった相談者がほとんどでした。このようなケースでは、本人に就労意欲があっても、交通費なし、食事も取れない、住むところもないという状況であり、面接などの通常の応募活動ができる状況とは思われません。必然的に生活保護申請などの生活支援の相談にシフトしていきました。


 また、派遣村後半には、経済事情から病気を抱えていながらも医者にかかっていない相談者や何日も食事をしていない相談者が増え、生活・労働相談の後、医療相談を受けてもらう相談者も多数ありました。


 ◆相談内容の特徴


 相談テントには、「生活保護を受けたい」という相談も当然数多くありました。しかし、それと同じか、あるいはそれを上回る数の「仕事を探したい」という申し出がありました。どんな悪条件でも「仕事に就いて、自分で生きて行こう」とするまじめな求職者の姿が見られました。そして、おとなしくて従順で、仕事を減らされても寮を追い出されても、黙ってそれに従ってきた人たちでした。


 「仕事を探していて早く就職したい」という相談には、これまでの職歴や最終の仕事と離職日、派遣村に来た経緯、離職後の住居などを、時間をかけてていねいに聞き取りました。その間に、住込求人もあり、通勤ならさらに多くの求人があることも伝えます。相談者の多くは、どんな仕事でも良いので働いて収入を得たいとの思いを語ります。私たち相談員は、生活基盤を確認する必要から、蓄えや所持金も尋ねます。すると、ほぼすべての相談者が預金もなく所持金も底をついて派遣村にやってきていました。離職後求職活動をしても見つからず、あるいは年末に解雇されてすでに求職活動をする場所がなかった人たちです。そして、もともと低賃金で働いていてもネットカフェ等で過ごしていた人たちですから預金などありません。なけなしの所持金でネットカフェやマクドナルドで夜を過ごし、路上経験のある人もいました。何人かは、路上生活中に所持品を盗まれ、免許証なども失っていました。


 こうした人たちは、5日に安定所が開いて求職活動が出来たとしても、お金がなく給料日まで待てないため一般的な月払いの求人に応募できません。したがって、派遣村終了後にそのまま放り出せば、日銭稼ぎの仕事を強いられることになり、弱い非正規雇用の立場から脱却できません。


 私たちは弁護士等と相談し、職業生活を立て直すには生活保護が有効であることを説明しました。それでも多くの相談者は保護には否定的で、自立したいと訴えました。私たちは、保護は長期間受けるものではなく、生活基盤が安定し、再就職して要保護状態を脱すれば保護は打ち切りになる一時的なものであることを説明しました。


 ニュースで報じられる集団申請者の中には、こうした人たちが数多く含まれます。もちろん、最初から生活保護の相談に来られる人も相当ありました。しかしそれも、病気で働けなくなって収入が途絶え、治療も出来ないで住居をなくしているような、深刻な事情のある人であり、国が保護するのは当然の方々です。


 詳しく紹介することは出来ませんが、命にかかわる相談も多数行われたものと思われました。そうした相談活動に全労働は関わることが出来たのと同時に、相談者に寄り添い、相談者を救うことへの執念こそ必要であると、あらためて教えられました。

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コメント

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4 ■「派遣村」でのシュウカツ

全労働の方たちの活動ぶり、内容としても、実情とかみあって、村民の方との心の交流を感じました
すばらしいリポートありがとうございました。
トラックバックもはらせてもらいました。

3 ■無題

派遣村の真実
仕事を選ばないと言っておきながら農業は考えたこともないし重労働はしたくない
結局その程度なのかもしれません

2 ■無題

すばらしい報告ありがとうございます。
ところで派遣切りを反対するのはわかりますがデモのとき『憲法9条を守れ』などという全然派遣切りとは関係のないたすきをかけていらっしゃったようですがあれはいったい何だったのですか?
まさか「ネット右翼が我々を陥れるためにやっていたことです」なんてことはいわないですよね?

1 ■希望は連帯

すばらしい報告をありがとうございました。特に相談内容の特徴のところを読んで、ちょっと目がウルウルしてしまいました。あまりの惨状に絶望してしまいそうになりますが、はたらくものの希望は連帯ということを胸にきざみました!

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