2008-10-18 18:50:03

金融危機前の経済成長でも貧困に落とされ、金融危機対策でも大きな負担を強いられる労働者

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 ILO(国際労働機関)が16日、「仕事の世界報告書2008年版:金融グローバル化の時代における所得不平等」と題した報告書を発表しました。報告書は次のように所得格差拡大のデータを示しています。


 データが得られる73カ国中51カ国で過去20年間に合計所得に占める賃金の割合は縮小を続け、賃金の対GDP(国内総生産)比で見た場合、地域別で最大の低下幅は中南米・カリブ諸国(13%減)で見られ、次いでアジア太平洋(10%減)、先進国(9%減)。


 新自由主義による無規制の金融イノベーションが進んだアメリカなどでは、住宅投資や消費を目的として労働者とその家族の借金が増え、賃金が低迷する状況下ではこれが国内需要を支えるカギとなっていたものの、金融危機によってこの成長モデルが破綻。


 1990年から2005年にかけてデータの得られる国の3分の2近くで所得不平等が拡大し、中流・貧困世帯に比して富裕世帯の所得の方が大きく上昇。同じ期間に賃金所得者層の上位10%と下位10%の所得格差が拡大したのはデータが得られる国全体の7割にのぼっています。


 上級役員層と平均従業員間の所得不平等も速いペースで拡大。アメリカでは2007年に大企業15社の最高経営責任者(CEO)の収入が平均的労働者の所得の520倍(2003年360倍)にも達しています。オーストラリア、ドイツ、香港、オランダ、南アフリカでも同様の傾向です。


 また、著しい格差は社会的に有害で、社会的紛争、犯罪多発や平均余命の低下、さらには子どもが学校から離され労働にかりたてられることにつながると強調しています。


 格差拡大の要因の一つとして、非正規労働の15年来に及ぶ増大があるとし、非正規労働者の賃金が正規労働者に比べ著しく低いことが問題だと指摘。


 税制についても、1993年から2007年の間に法人税は平均10%低下、最高所得税率は3%低下しており、大多数の国で経済成長の利益を再分配するという機能をはたさず、逆に格差を拡大する不公平税制となっているとしています。


 そして、これまで経済成長の利益が不平等に分配され、労働者は経済成長の恩恵を受けてこなかったのに(恩恵を受けなかったどころか、経済成長下でも労働者は逆に貧困に落とされてきたのに)、金融危機に対処する費用の大きな割合を労働者が負担することになると、格差が一段と拡大すると指摘。世界各国が、労働者の所得及び国民の所得分布の改善を図るため、経済、労働、社会の諸政策を結びつけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の促進をしなければ、現下の地球規模の金融危機の事態をさらに悪化させる可能性があるとしています。


 本当に、マイケル・ムーアが主張することが正しいと強く思ってしまいました。(※参照ください→マイケル・ムーアの「ウォール街救済プラン」~労働者給与の400倍得る経営者が救済経費負担せよ


(byノックオン)

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