【予習】歴史を知るとことで愛(関係性)が生まれる
仏教講座、まもなく開講です。ということで少し予習です。仏教の歴史は約2500年前から始まるわけですが、経典としてまとめられるのはこの500年後以降です。何故書簡にまとめなかったのかは講座で話しますが、この後、更に北伝仏教と南伝仏教に分かれていきます。後者、南伝仏教は原始仏教の教えを忠実に守り、釈迦の言葉を伝えてきました。北伝仏教は釈迦の教えだけでなく、様々な宗教を吸収しつつ、革新的な仏教になっていきます。これが大乗仏教というものです。そして日本に伝わったのはこの大乗仏教だったのですが、それには大きな落とし穴があったのです。それは釈迦の教えである、三蔵が正しく伝わらなかったという事です。三蔵というのは仏教の一番大事な経典群です。(三蔵を中国に持ち帰ったのがかの有名な玄奘三蔵法師ですね。)日本に伝わる頃にはオリジナルではなく、劣化コピーの仏教となってしまった訳です。それでもスゴイのは、劣化版でも悟りを得られた僧は多くいたという事です。空海や一休宗純はかなりオリジナルに近い感覚だと僕は思っています。しかしながら、民衆に広まった仏教は釈迦の教えからは程遠いものとなりました。今も尚、大半の日本人は原初の仏教を知らないのが現実です。仮にオリジナルが仏教Aならば、北伝仏教は仏教は仏教Bで日本人の大衆の仏教は仏教Cです。A=BであるB=CであるならばA=Cであるこれは三段論法なのですが、実は仏教もこの解釈が起きているのが分かります。仏教Aが悟りの道を説きました。仏教Bは悟りの道と理想的な生き方を説きました。仏教Cは理想的な生き方が悟りの道と説きました。もっと細かな変遷はあるのですが大まかに言えばこの様な動きをしていきます。逆説やコンバージョン性、自由度の高い思想ゆえ、起こるべくして起こった事ではあるのですが仏教Cはまさに魔法の解けた魔法の絨毯です。行きたい所にはどこにも連れて行ってくれません。日常生活に多少役立つ程度です。鰯の頭も信心からなのかもしれませんが、僕個人としては、おすすめしたくありません。「それでも僕、私はこの道を進むんだ。」というならば止めはしません。もっと有用な仏教はあるということです。有用というのは使い勝手がいい訳です。やはり、僕にとって仏教というのは、使い勝手がいい道具であるべきだとおもいます。釈撤宗さんの“かけがえのない物語に出会う”というのも捨てがたいのですが、この想いは話しきれないのでここでは道具という事にしておきます。(また、別のブログで書こうと思います。釈撤宗さんの物語という捉え方も、素敵だと思っています。道具の例えは、釈迦の筏(イカダ)の喩えが有名です。引用したいと思います。“引用開始”ブッダはこの日、滞在中のサーヴァッティー郊外のジェータ林(祇園精舎)でこのような話をした。「たとえば、修行者たちよ、長旅をしてきた男が、たまたま大きく深い流れの河ににでくわしたとしよう。彼のいるこちら岸は危険で怖ろしく、盗賊が出没し、人々は略奪や殺害の憂き目にあっている。一方、向こう岸は安全で危険はない。だが、あいにく、向こう岸へ渡る船はなく、橋もない。そこで、かれは、木片や枝葉かき集めて手製の筏を作り上げる。それを必死にあやつって激流を渡りおえることができた。こうして向こう岸に立った旅人は筏をみて考える。『この筏はわたしに役立った。おかげでわたしは無事に河をわたることができたのだ。さあ、わたしはこの筏をかついで、行きたいところへ行こう』__修行者たちよ、これをどう思うか。彼の行いは適切だったといえるだろうか?」「適切ではありません、師よ」「ではその旅人が逆に、『この筏はわたしに役立った。では、わたしはこれを陸地に捨ておくか水に沈めて、行きたいところへ行こう。』と考えたならばどうか。かれは筏について適切なことをなした人間となるだろう。 修行者たちよ。筏は河を無事に渡るためにあるのであって、取っておくためにあるのではない。わたしの教えを正しく理解した者は、もはや用済みの筏としてそれを捨てるべきである」“引用終了”釈迦は自らの教えを理解したら捨てるべきと言っています。教えを何に使うかといえば、全ての苦しみの元を越える為にです。釈迦の教えは苦しみを越える為だけのものです。克服した後は、それ以上に大切な学びがあるという事です。自分だけの人生を生ききるという最後の課題です。悟って尚、修行するというのはそういう事です。講座でも、歴史と思想の両面から理解していきますので、濃い内容になる事は間違いないです。お楽しみに。【エッセンスアカデミー《智慧の完成・釈迦の世界を見渡そう》〜仏教の俯瞰、哲学としての解体〜】【日時】11月6日(日) 19:30~21:00【場所】 兵庫・神戸のセミナールーム【受講料】 30000円《10月末までの振込の方は20000円》【受講資格】 ブログ読者【持ち物】 筆記用具【お申し込み】こちらから死では終わらない物語について書こうと思う1,620円Amazonこちらもオススメです。仏教の冷たさキリスト教の危うさ (ベスト新書)864円Amazonネルケさんのお話も面白いです。