2017-03-26 00:00:00

『かんかん虫は唄う』

テーマ:

 『かんかん虫は唄う』(吉川英治)

―あらすじ―
 「かんかん虫」とは、船の錆落としを行う労働者たちの俗称である。義侠心に溢れる14歳のトムはある日、食い詰め者のオヤジと出会い仕事の世話をするが…他「色は匂えど」を収録。



 「かんかん虫は唄う」、「色は匂えど」ともに大正時代が舞台のせいか、いつもの吉川文学のようでまた違った面白さがありました。特に「かんかん虫は唄う」は筆者の自伝的な要素が入っているとのことで、約100年前の時代ながらも、まだまだ息づいているかのように読めてしまいます。そして両作品ともに貧困から立ち上がる主人公たちの姿は、発表当時の世間の様子を伝えてくれるように感じました。

 

 「三国志」や「宮本武蔵」といった作品とともに、この作品を吉川英治文庫に加えた人のセンスは見事。異色にして異彩。

 

 

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