2015-04-29 10:19:07

『猛スピードで母は』

テーマ:
 『猛スピードで母は』(長嶋有)

―あらすじ―
 小学校4年生の夏休み、母が家を出た。残された私と弟と父の前に現れたのは、父の愛人である洋子さんだった(「サイドカーに犬を」)。小学6年生の慎は、母から再婚について話をされる。相手の男性や祖父母、友達との関わりの中で慎は育っていく(「猛スピードで母は」)。



 この面白さをどう表現すればいいのか。2作品ともに決して明るい話ではなく、どちらかと言えば悲しい話ではあるのですが、どことなく懐かしく、どことなく温かいストーリーでした。「サイドカーに犬」に出てくる洋子さんは掴みどころのない自由人のように描かれていますが、この2作品を象徴しているようにも思えてしまいました。漫画家のオノ・ナツメさんにコミカライズしてもらえれば、また一味違った印象になるのでしょう。

猛スピードで母は (文春文庫)/文藝春秋

¥443
Amazon.co.jp
AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
同じテーマ 「」 の記事
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2015-04-26 11:03:08

『φは壊れたね』

テーマ:
 『φは壊れたね』(森博嗣)

―あらすじ―
 マンションの1室で死体が発見された。死体が"Yの字"に吊られていたことから自殺ではないことが確認されたが、部屋は密室であった。そして死体発見の一部始終が、ビデオで録画されていた。タイトルは「φ(ファイ)は壊れたね」。S&Mシリーズ、Vシリーズに続くGシリーズの第1作目。



 新シリーズです。『すべてがFになる』から始まるS&Mシリーズは1冊1冊が分厚くて読む気がなくなってしまい停滞中ですが、このシリーズは約300ページとそんなに分厚くないため、読んでみることにしました。タイトルの面白さに惹かれたこともあります。なおVシリーズは1冊も読んでおりません。

 が、最後まで読んでもφのもたらす意味が分からず…シリーズ完結巻で明らかになるのでしょうか。動機や殺害方法については多少突飛ではありましたが、「こういうのもありか」と楽しんで読めました。

φは壊れたね (講談社文庫)/講談社

¥637
Amazon.co.jp
AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)
2015-04-23 10:03:13

『PEACE MAKER ─BLACK WING─』

テーマ:
 『PEACE MAKER ─BLACK WING─』(岡村直宏/皆川亮二)

―あらすじ―
 銃士たちが決闘(デュエル)によって生死を分ける時代。武器商人であるフィリップ・クリムゾンは世界各国を相手取り武器を供給、さらには私設軍隊「深紅(クリムゾン)の処刑人(エクゼキューター)」を抱えていた。その中に、コール・エマーソンという男がいた――『PEACE MAKER』外伝。



 若き日のコールの姿を描く小説で、現在連載中の漫画本編とも関連しています(本編でもコールの過去編が描かれています)。コールと同じような殺人の業を負った女剣士や、コールの父に因縁を持つ銃士との戦いなどが収録され、新キャラや本編で活躍しているキャラなども登場するなど、ファン向けとしては満足度の高い内容ではないでしょうか。文章も読みやすくていいですね。装丁を漫画と同じデザインにしてくれたのも嬉しいポイント。

 難を言えば、1時間くらいでサッと読み終えてしまったので、800円+税という値段はやや高いかなあと。また、内容はどんでん返しなどもなく、あくまで"外伝"でした。

PEACE MAKER ─BLACK WING─ (JUMP j BOOKS)/集英社

¥864
Amazon.co.jp
AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-17 11:12:23

『高熱隧道』

テーマ:
 『高熱隧道』(吉村昭)

―あらすじ―
 黒部峡谷に発電所を設ける計画が立てられ、ダム建設のための隧道(トンネル)を貫通させることとなった。第二次世界体験が勃発しようとしていた昭和11年、国家を挙げてでの事業となる。が、掘り進むうちに岩盤温度は上昇を続け、ついには触れただけで火傷を起こすほどにまで達する。最高温度165度という高熱地帯をも乗り越えた男たちの姿を描く。



 230ページほどの作品でありながら、読み進めるのに非常に力が必要となります。この圧倒的な描写。大自然の驚異と、人間の狂気にもにも似た使命感。『破獄』や『羆嵐(くまあらし)』もそうですが、読んでいる時には「何故こんな苦しい思いをしてまで読むんだろう」と感じてしまいます。が、やはり読み終えると、えも言われぬ充実感や満足感があることも事実です。山崎豊子、北方謙三の作品にも共通しますね。

高熱隧道 (新潮文庫)/新潮社

¥529
Amazon.co.jp

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-14 09:35:15

京都散策(2015/4/7)

テーマ:観光
 4/7(火)に、前職の同僚であるI君と京都散策に行きました。京都駅の美術館「えき」KYOTOと妙心寺、竜安寺に行ってきました。

 「えき」KYOTOでは、「春が来た!今森光彦 自然と暮らす切り紙の世界」が開催されています。藤城清治さんの作品に興味を持ったのをきっかけに、色々な切り絵作家さんの展覧会にも行くようになりました。昆虫や動物などの切り絵が中心となっており、特に昆虫はペーパークラフト然とした作品も多く、その多様さに目を奪われます。

切り絵

 その後、昼食を挟んで妙心寺へ。退蔵院を訪れました。退蔵院では見事なしだれ桜が。ここ数日は天気も安定せず、花散らしの雨が続いていましたが、きれいに咲いてくれていました。

枝垂れ桜① 枝垂れ桜②
枝垂れ桜③ 枝垂れ桜④

 庭も非常に見ごたえがあります。パンフレットには夏や冬の写真が載っており、そちらも素晴らしい風景でした。

庭① 庭②
庭③ 庭④

 そして竜安寺へと向かいました。数年前に訪れたことをすっかり忘れており、参道の途中で思い出しました。竜安寺といえばやはり石庭。海外からの観光客で賑わっておりました。

石庭① 庭④
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-11 10:53:01

『空想科学読本』 5

テーマ:
 『空想科学読本』 5(柳田理科雄)

―あらすじ―
 漫画やアニメに登場するSF設定を科学的に考察する、有名シリーズの第5弾。ルフィのゴム人間設定における日常生活の苦労とは何か。悟空の必殺技であるかめはめ波を実際に撃つことはできるのか?



 題材となるアニメが、ワンピースやドラゴンボール、クレヨンしんちゃんなど、比較的近年の作品が多くて読みやすいように感じました。ハム太郎やケロロ軍曹などは私があまり知らない作品だったため、パラッとしか読みませんでしたが、図解などもあり読みやすい内容になっているのは見事です。

空想科学読本 5 (空想科学文庫)/メディアファクトリー

¥566
Amazon.co.jp
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-08 10:33:33

『北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記』

テーマ:
 『北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記』(桂川甫周 校訂/亀井高孝)

―あらすじ―
 天明2年(1782年)、江戸へ向かう商船・神昌丸は、船頭である大黒屋光太夫を含む17人を乗せ、伊勢湾沖で大嵐に会う。アムチトカ島(現在のアラスカの一部)への上陸ののち、ロシア女帝に拝謁し、約10年の年月を経てついに帰国した光太夫たち。日本へたどり着いた光太夫らによる漂民体験やロシア帝国の風俗・制度・言語などを記録した本。



 岩波文庫版が長らく絶版だったようですが、2012年秋に復刊しました。ちょうど大黒屋光太夫について興味を持っていた時期だったため、喜び勇んで買いましたが、文章は当然古文であり、ロシアの人名なども難しく、半分投げておりました。が、積み本を減らす一環で改めて読み終えました。

 ロシア語や街の様子なども書かれており、図も入っているため、ページ数に対する文量としてはそんなに多くはありませんが。が、古文ということもあり、興味がないとなかなか読み進められないのも事実です。歴史大河漫画・『風雲児たち』(みなもと太郎)の光太夫の部分を読みながら本書を読み進めるという、一種の解読作業に近いものがありました。

北槎聞略―大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫)/岩波書店

¥1,037
Amazon.co.jp
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-05 10:44:25

『黒猫/モルグ街の殺人』

テーマ:
『黒猫/モルグ街の殺人』(エドガー・アラン・ポー 訳/小川高義)

―あらすじ―
 モルグ街のアパートで発生した、親子惨殺事件。凄惨な現場の状況はとても理性のある人間の行為とは思えず、そして犯人の声をいた人々の証言には一貫性がなかった…警察が解決できないこの不可解な事件をオーギュスト・デュパンが解決する。



 約10年前にも新潮社版の『モルグ街の殺人事件』を読みましたが、今回は別の出版社(光文社)からの作品集を読みました。新潮社版とは収録作品が異なり、表題作の2作品に加え、「本能VS.理性―黒い猫について」、「アモンティリャードの樽」、「告げ口心臓」、「邪鬼」、「ウィリアム・ウィルソン」、「早すぎた埋葬」の全8作品が収録されています。

 多くの作品がサスペンス要素をはらんでおり、短編ながらも読み応えのある作品ばかりです(グロい描写が多いので、読む人を選ぶ可能性はあります)。また、海外小説にありがちな、本筋と関係の無い情景描写もほとんどなく、アッサリと読むことが出来ます。個人的には「黒猫」、「ウィリアム・ウィルソン」、「早すぎた埋葬」あたりが面白かったですね。「モルグ街の殺人」については、推理小説の嚆矢にして異端。

黒猫/モルグ街の殺人 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥494
Amazon.co.jp
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-02 10:34:48

『雪国』

テーマ:
『雪国』(川端康成)

―あらすじ―
 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。



 あまりにも有名な作品ですが、今回初めて読みました。冒頭の1文から始まる、雪国での恋愛は、ラストシーンも相まって、どこか幻想のようにさえ思えてしまいます。1文1文が短く、それでいて読者に情景を思い浮かべさせられるところが、名作と呼ばれる所以でしょうか。文豪と呼ばれるような人々の作品を読むたびに、日本語の表現方法の美しさ、素晴らしさを感じます。

 ただ、ストーリーはあまり完成度が高いようには思えず…総合的には、三島由紀夫や武者小路実篤らの作品の方が上に感じてしまいました。

 雪国 (新潮文庫 (か-1-1))/新潮社

¥391
Amazon.co.jp
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。