2008-08-29 19:16:20

『あすなろ物語』

テーマ:
 『あすなろ物語』(井上靖)

―あらすじ―
 明日は檜(ひのき)になろうとねがいつつも、永遠に檜になれない翌檜(あすなろ)。その翌檜に自分の姿を重ねつつ、多感な青年期を過ごし成長していく少年の物語。自伝的作品。


 高き志を抱いた若き翌檜たちの成長物語であり、その真っ直ぐな強さが心に刺さる作品です。翌檜から檜になる友人や、少し変わった友情を育んだライバル、可憐な三姉妹など、数々の登場人物も魅力的でした。なかでも、中盤で主人公が「あなたは翌檜ですらない」と言われるシーンがあるのですが、そのシーンが印象に残っています。

 著者の作品としては他にも『天平の甍』や『蒼き狼』を読みましたが、本書も非常に素晴らしい作品でした。いつまでも手元に置いておきたい作品の一つです。

あすなろ物語 (新潮文庫)/新潮社

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2008-08-24 21:42:09

『思い出トランプ』

テーマ:
 『思い出トランプ』(向田邦子)

―あらすじ―
  残忍さと妖艶さを持つ妻が登場する「かわうそ」や、浮気相手である部下の結婚式に出かける「三枚肉」など、13編の短編集。


 タイトルから、てっきりほのぼのした短編集かと思っていたのですが、蓋を開けてみれば、人間の恐ろしさや妬み、嫉み、後ろめたさ等が詰まっていました。全体的に、読後感が悶々とさせられる話ばかりです。まあたまに読む分にはいいですが。中でも「かわうそ」や「大根の月」の持つおぞましさは、江戸川乱歩の「芋虫」とはまた違ったベクトルでのおぞましさを醸し出しています。

思い出トランプ (新潮文庫)/新潮社

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2008-08-17 22:39:25

『潮騒』

テーマ:
 『潮騒』(三島由紀夫)

―あらすじ―
 三重県の海に浮かぶ歌島。そこに住む若い漁師・新治は、島外からやってきた初江と恋に落ちる。しかし彼らには身分の違いや妬み、あらぬ噂など、いくつもの障害や不運が襲う。


 『金閣寺』に続き、三島作品の2作目です。しかし『金閣寺』とは全く作風が異なり、非常に爽やかな恋愛小説です。後半がやや物足りない感じがしましたが、主人公たちが初心で、見守りながら最後まで読んでしまった作品でした。『野菊の墓』や『伊豆の踊子』は文章が読みにくいと感じる人もいるでしょうが、本作はそのようなことも無く、「昔の文学に触れてみたい」と考えている人に最適かと思われます。

潮騒 (新潮文庫)/新潮社

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2008-08-14 12:28:33

『ビルマの竪琴』

テーマ:
 『ビルマの竪琴』(竹山道雄)

―あらすじ―
 1945年7月、ビルマで交戦中の日本兵の中に、音楽を好む小隊があった。中でも水島上等兵の竪琴は見事で、彼らの心の拠り所でもあった。ある日、別の日本人小隊を降伏させるため水島は連絡に行くが、そのまま行方を絶ってしまう。悲しみに覆われる仲間たちだが、謎の青年僧が彼らの前に現れるようになる。彼は水島なのか。彼であれば、なぜ帰ってこないのか。議論が続く中、小隊がに帰還する日が近づいてくる。


 作品名は知っていたものの、全く触れたことの無い作品でした。しかし読み始めてすぐに心を奪われました。特に最後の水島からの手紙は強烈です。日本兵たちの抵抗と陶酔、ビルマの人々の大らかさ、戦争の虚しさ、生きる道などについて、水島が示してくれています。そして最後に水島が選んだ道の気高さに圧倒されました。児童書として発売された作品のようですが、大人こそ読むべき作品かと思われます。

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2008-08-10 22:03:48

『太陽の塔』

テーマ:
 『太陽の塔』(森見登美彦)

―あらすじ―
 京都大学5回生の主人公は、かつての恋人である水尾さんを研究・観察していた。そんな中、彼女を追いかけるもう一人の男、遠藤と出会う。遠藤とは犬猿の仲であったが、ある日暴漢に襲われそうになった主人公は遠藤に助けられ、遠藤から水尾さんを追いかける理由を聞かされる。そしてクリスマスが訪れ、四条河原町ではええじゃないか騒動が起こるのであった。


 悶々とした青春小説です。「新潮文庫の100冊」に入っていたので読んでみたのですが、主人公が女性に固執しすぎるように思えて、一歩引いてやや冷めた目で読んでしまいました。そもそも太陽の塔の必要性が分かりません。

太陽の塔 (新潮文庫)/新潮社

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2008-08-07 23:55:01

『興亡三国志』(全5巻)

テーマ:
 『興亡三国志』(三好徹)

―あらすじ―
 三国志。


 以前読んだ『三国志外伝』と同じ著者ということもあり、あまり気が乗らなかったのですが、1冊105円という価格だったので「まあいいか」と一気に買ってしまいました。そして読み始めたところ、『三国志外伝』と同じ著者とは思えませんでした。『三国志外伝』のつまらなさは何なのかと言いたいくらいです。ただ、著者が曹操を中心に書いているせいか後半が非常に短く、曹操死後~五丈原までが文庫一巻で終わってしまったのは残念です。まあそれでも久しぶりに三国志の面白さを再確認できました。

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2008-08-04 23:49:09

『点と線』

テーマ:
 『点と線』(松本清張)

―あらすじ―
 福岡市の香椎海岸で、男女の死体が発見される。心中かと思われたこの事件には、幾つもの不可解な部分があった。食堂車での孤独な食事、空白の4分、完璧なるアリバイ…真実は何処なのか。


 普段はミステリーモノを読まないのですが、「新潮文庫の100冊」に入っていたので、この機会にと手にとってみました。名作と呼ばれるだけあって、非常に面白い作品です。先が気になることもあり、一気に読みきってしまいましたよ。ただ、発表されたのが50年以上も昔の作品のため、アリバイトリックの持つ目新しさがなくなっているのは致し方ないところです。結構先が読めてしまう部分もありましたが、それでも陳腐と思わせずに最後まで読みきらせる力を持った作品でした。

点と線 (新潮文庫)/新潮社

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2008-08-03 23:41:10

『自転車少年記―あの風の中へ―』

テーマ:
 『自転車少年記―あの風の中へ―』(竹内真)

―あらすじ―
 自転車と共に青春を過ごした3人の少年たち。南房総から東京への自転車上京、そして東京から日本海への自転車ラリーなど、自転車を愛した彼らの成長物語。大人になり、それぞれの道を歩みつつも、彼らは常に自転車への情熱で繋がっていた。


 タイトルにあるように、自転車を愛する少年たちの青春ストーリーです。青春ゆえの悩みのシーンなどはあまり描かれず、とにかく爽やかで明るい作品でした。ページ数も300ページ程度で、サッと読める作品に仕上がっています。「自転車少年」であった主人公たちは作中で大人へと成長していくのですが、彼らの想いが後輩や子供ら、新たなる「自転車少年」にも伝わっていくのが好印象でした。

 同名の単行本の続編らしいのですが、そちらは未読ながらも楽しめる作品でした。タイトルからして中高生向けの作品かと思っていたのですが、読んでいく内に大人向けの作品であることが分かります。作中で少年たちが成長する過程の中で「就職」や「結婚」、「家庭」という話が側面に展開され、共感したり懐古したりしながらページをめくっていきました。

 自転車少年の∀kiさん、いかがでしょう。

自転車少年記―あの風の中へ (新潮文庫)/新潮社

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