奈良の榛原に自然食品カフェ『ナチュラル』というお店があり、
1年前に初めて訪れて以来、個人的に親しくさせてもらっています。

そのカフェのお客さんから、故障したからくり時計の修理をできないか昨年12月に依頼を受けました。

僕が電子楽器の修理をしている話をオーナーとしていたことから、その話が伝わったようで僕が引き受けることにしました。


7kgある時計を店で預かってもらって、まず内部の写真を送ってもらって直せるか判断することにしました。
古びた電池をそのまま置いていたために、電池ボックスが腐食し断線しているとのことでdす。


年が明けて1月の休日に、僕も店に伺って時計と初対面です。


セイコー・ファンタジアという20数年前のからくり時計。

当時の定価は16万円だったそうで、文字盤が回って音色が鳴る仕組みです。
今は時計の針だけが動き、からくりは故障しています。

裏板を外してみると、電池ボックス7つのうち3つの配線やスプリングが錆びていて、これを取り替えることにします。
取り外して調達しておいた新しい電池ボックスを取付し、ハンダづけで配線し直しました。


しかしこのときは元の配線が分からず、推測でつなぎ変えながら試していました。
そして電池を入れ直すと、突然ゴーンと音が鳴ったのです。
直った!と思ったら1分ほどでまた鳴らなくなりました。

鳴ったのなら修理できる可能性はあると判断し、後日また伺うことにしました。



翌週に2度目の修理訪問。

オーナーが配線図をメーカーから取り寄せてくれていて、電池から基板への正しい配線が分かりました。
それを元に接続し、配線のうちボロボロになっていたものも交換しました。



基板を見てみると、いくつかのコンデンサーと抵抗、ICチップに端子の錆が見られました。
もしかしたら故障?と思いつつ実際その時は判断できなかったため、手持ちの抵抗とコンデンサーで容量が合うものを選んで交換しました。
この日も作業中に突然音が鳴って、また直ったか!?と期待したもののすぐ鳴らなくなりました。
まだ鳴るのなら可能性を諦めきれませんね。

ICチップの部品品番を記録し、部品店で調達した後再挑戦することに決めました。




夕食はナチュラル特製の、有機パスタとサラダのセット。
ごちそうさまでした。



榛原駅前の夜。
遅くまでお世話になりました。



次回につづく。
からくり時計ファンタジアの修理記録 (2)