こんにちは
こだま堂の長峯です。
最近読んだ本。
医者の私が、がん検診を受けない9つの理由 1,296円 Amazon |
一般の方には、「検診を受けることで、早期発見が出来るんだから、受けるのが当然」と考えると思います。
検診を受けないと、早期の癌は発見できないですもんね。
でも、統計を出すと、「検診を受けたグループの方が早死にする」んですよ
不思議に思いますが、理由の一つに「検診の発見率・治療改善率は100%ではない」ということがあります。
癌なのに見過ごされる人と癌じゃ無いのに誤診される人が一定割合で発生するわけです。
つまり・・・
①癌がない人 →A:検診を受けた。→生きている人+亡くなる人。(検査が原因で亡くなることもあるので・・・)
→B:検診を受けない。→生きている人。
②癌の人 →A:検診で見つかり、早期発見早期治療。→生きている人+亡くなる人。(早期発見でも治らない人もいるので)
→A':検診で発見できなかった人。自分で気づいた。進行している癌→生きている人+亡くなる人。(進行癌でも生きている人がいるので)
→B:検診をしないで、自分で癌に気づいた。進行している癌。→生きている人+亡くなる人。
③ニセ癌の人 →A:検診で癌と誤診され、治療する。→生きてる人+亡くなる人(治療の副作用で)
→B:検診を受けない人は誤診されないし、治療もしない。→生きてる人。
統計は寿命で出しているので、癌以外で亡くなった方も含まれますが、それは癌検診を受ける受けないにかかわらず、割合は同じになります。
検診を受けているグループAの寿命が短くなってしまうということは、
①検診のために亡くなる人がまれにいる。(例えば内視鏡で消化管を破ってしまうなど・・・)
②早期治療をしたために治療の副作用で早く亡くなる人が出てくる。
③ニセ癌の誤診・治療で亡くなる。
の割合が無視できないということになります。(早期発見して助かる人の割合より多い)
でもね~統計って集団で見るから、個人には関係ないというか、やっぱり「検診で早期発見できて良かった」って人もたくさんいるわけだし、どうしようもないよね。
分かりやすく言うと、
納豆が好きな人もいれば、嫌いな人もいる・・・世界全体で見れば嫌いな人が多いでしょうけど、食べたら好きになる人もいるかもしれないし、食べたことを激しく後悔する人もいるだろうし・・・って感じですかね~(わかりやすいのか)
だから、この本の著者も「自分は検診を受けないけど、患者さんには受けないことをオススメすることはできない」と書いています。(私は納豆が好きだけど、別に無理して食べなくてもいいよ・・・的な感じ)
薬にも一部そういう性質のものがあって、「症状の改善効果はあるけど、統計をとると寿命が縮んでる」とかね。(あと、「効果はあるけど、ほったらかしたのと病気が治る早さは同じ、もしくは逆に長引く・・・」とかね。)
辛い、苦しいままで寿命をとるか、楽に過ごす方をとるか・・・。
そんなこと説明しませんけどね。
治療する側は、効果をとりますから。(そもそも個人ではもとの寿命が縮んだかどうか分からないし)
トンデモ本みたいなタイトルなんだけど、一応そんな理由があったわけなのでした。
ご興味ある方は読んでみては(検診を受ける・受けないは最終的には自己判断)