去年、センター試験は受けたものの、納得の行く結果では無かった為、一年浪人したいと息子に言われ、もう一年頑張る事に!
車椅子で行ける予備校も無かったので、家でひたすら1人で勉強を頑張った。

そして今年、センター試験を受けて目指す大学を受験するために配慮申請をした。
大学側から面談の申し出があり、行って来た。
まず文字を書くこと自体が難しく、かなり時間がかかるし、長時間になって来ると肩が痙攣してくるため、パソコン受験を申し出た。
主治医の先生もその方がいいと言ってくれて診断書も書いてくれた。

去年、何度か筆記で受けた模試も、【判定出来ません】との回答があったので、そこが一番引っかかっていた。

大学側は【パソコンはこちらで準備します。キーボードだけ打ち慣れた物をご用意下さい】と言ってくれたのでホッとした。
ただ、この場ではお答え出来ませんので、上に話しを持っていってからのお返事になりますと言われた。
けど、【まぁ、ほぼ大丈夫です】と。

でも今日【パソコン回答は出来ない】との返事が…( ̄O ̄;)
えっ?何時間も肩で文字を書くことが出来ないって言うてるのに何で???

【あ】と言う文字を面談の時に書いたけど、普通の人の倍はかかってるとこ見たよね?しかも小さい文字は書かれへんし。

たった一文字で【判断出来る文字だからパソコンはダメ】ってどゆこと?

息子にとったらパソコンのキーを小指で一つ一つ叩く事すら困難やのに。
ただ、文字を書くよりはマシやからパソコン受験を希望したのに。

たった一文字見ただけで何が分かったん?

筆記となるとそもそも時間内に回答用紙を埋める事すら出来ひんわ。

結局はどんなに結果が良くても受け入れる気がないって言われてる気がした。
健常者と同じ土俵にも立てない。勝負すらさせて貰えないんやな。

国公立合格だけを目指してこの一年頑張って来た息子やけど、筆記では回答用紙を埋める事が出来ないって試験を受ける前から分かってるからすっかり落ち込んでしまった。

【俺、これからどうしたらいい?】
何も答えてあげられなかった。大学進学しか頭に無かったし、それが断たれるなんて事は考えてもみなかったし。

ほんまにこんな世の中でいいの?
せめて受験ぐらい平等にさせてあげて欲しかった。
受ける前から落ちるって分かってる受験て何?

一旦落ち込んだらそこから引き上げるのはなかなか至難の技だ。
そして引き上げる力は今の私にはない…


何を書く?

パソコンで何やらカタカタと打っている息子。
【卒業文集に載せるから書かなあかんねん】

まぁ、何度かこういった場面には出くわしてるけど、読ませて貰った事ないし、今回も文集が出来上がるまでは内容は分からんなぁと思っていた。

でも今回は【こんなん載せてもええんかなぁ】と、言って私に読ませてくれた。

本当に息子の正直な気持ちが書かれていた……。
受傷後、初めて知らない環境に飛び込んだ高校生活。

人との接触を避け、殻に閉じこもる事は決して良い事とは思わないけど、自分にとって、これが一番気楽で苦しくない道だった。

そして、今後障がい者として生きる事を考えさせられた3年間だったと。
結局自分の障がいを受け入れる事が出来ず、怪我をする前の自分と常に背中合わせで日々を徒に費やした。

自分が考えている以上にこの障がいは辛く怖しい。今後社会に出て行けるのか今はただ、先の見えない人生が不安で仕方ないと書いてあった。

今の息子の正直な気持ち。
【楽しかった、充実していた】なんて書いても誰もが嘘やとすぐに分かるんやから。
だからこれでいいと私は息子に言った。

怪我をしてから4年半、息子同様、私もまだまだ障がいを、受け入れられていない気がする。
ついつい歩いたり走ったりしていた頃を思い出してしまう。

それでもこうして無事に3年間高校生活を過ごして次に進もうと頑張っている息子を全力で応援するとあらためて思った。
お久しぶりの投稿となります。

高校3年になった息子は大学受験に向けて日々勉強を頑張っています。

動かない指に太めのボールペンを挟んで肩を動かして文字を書く。

筆圧もない、握力もないから最初はノートの上を細いミミズが這ってる様にも見えてた。

でもそれも段々と文字らしくなってきている。ただ、テストを受けるのはやはり代筆者が必要になる。

今はセンター試験に向けて色々な模試を受けている所だけど。
【実際の試験の雰囲気にも慣れときたいから大学で模試受けてみようと思うねん。】
と息子が言った。
今までは学校で受けてたもんな。
それはいい!実際の試験に向けて外部で受けてみるのは本当にいい事やと思った。

【でさぁ、受けたい模試がこれやねんけど、代筆者が付いてていいのか、介助者は一緒に入室出来るのかそもそも電動車椅子で会場に入って受けれるのか聞いてみてくれへん?】
と言うので電話してみた。

その日は土曜日だった為担当者がいないという事で、月曜日にご連絡しますと言われた。

月曜日、午前中に電話があった。
【大学側に問い合わせた所、介助者の入室も代筆者も無理です】

【は?】

私はてっきり大丈夫だとの返事やと思ってたからビックリして頭が真っ白になって
【そうですか……。】
と言って電話を切ってしまった。

切った後にフツフツと怒りが込み上げて来た。
じゃあ障害者は試験受けるなって事か?
しかも月曜日の午前中に電話してきたって事は向こうで用意する代筆者を探す事もしてないやんな。

合理的配慮は?

【あかんかった】
息子にそう言った。
【やっぱりな。それが世間の障害者に対しての常識やからな】
と息子が言った。

悔しすぎる!こんな事やから大学に行くのも不安しかないねん。世間に出るのが怖くなるねん!

障害者差別解消法が4月に施行されるって事、分かってる?

学ぶ事の自由も選択肢もない。
何がおもてなしの国なん?とつくづく思っしまった。

【怒ってもしゃあない】【世の中こんなもんや】って息子は言うけど。

この件に関して文句言うとこれもモンスターペアレントになるんかなぁ。
何の配慮もしてくれへん事を当たり前やと受け止めなあかんのか……。

今日は眠れそうにない……(ーー;)