究極の和箪笥「船簞笥」

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船箪笥はもう過去の船箪笥なのである。

或時代が求め、或時代とともに去った

仕事である。
だが去って行くのは形骸である。

そこに盛られる確かな強い風格だけは、

今も失うべきではない。
これだけのものを使い切る暮らしが

再び欲しいではないか。

特に何もかも弱々しくなった今日、
とりわけ是等のものを振り返る必要があろう。
その中には未来に呼びかけているものが

匿れている。

私達は暮らしを健やかにするものを

賛美しようではないか。


柳宗悦 船箪笥 より

 


こんばんは。今日は船箪笥のお話です。


船箪笥は江戸時代から明治、大正時代にかけ
船頭たちが貴重品を入れるために使用した
小型の箪笥です。

 


当時、日本の海運は千石船や弁財船とよばれる
廻船が担っていました。


日本海側の航路で北海道と下関を結び、瀬戸内
海を経由し大阪、ある時には江戸まで至りながら
東で仕入れたものを西で売るといった買積を
行っていた北前船と、
運送費用だけを収益とした運賃積みで、

江戸~大阪間を太平洋側に航行したのが

菱垣廻船と樽廻船。

 

 

 


船箪笥はこれらの船中で船頭や水夫(かこ)たちが
貴重品を入れるために使ったものです。

 


箪笥の中には金銭、往来手形、証文、帳簿、
印鑑などを収めるため、大切なものを簡単に
取り出せないようからくりが仕掛けられ、

船が難破した時にも船箪笥は水に浮くよう作られ

海の上を漂い持ち主の元に戻るまで大切な財産を守る

金庫の役割を果たしました。

 

 

 

 


買積を行う北前船は利潤も大きく、北前船の船頭
や水夫たちは莫大な富を得て、彼らが所有する
船箪笥も豪華な特注品が多くなり、船箪笥は
船商人の財力と信用の象徴となったのです。

 


まさに「究極の和箪笥」といわれる船箪笥。
その美を見出し「船箪笥」と名付けたのは
民芸運動を主導した柳宗悦でした。

 

 

 

 


こちらの船箪笥は、懸硯と呼ばれる形のもので
前面の金具の意匠と木目の美しさがひときわ
目を引きます。

 

 

 下段の小抽斗にはからくりが仕掛けられており

 

 

 

  

 

 
左側の抽斗を抜き取り、奥に手を入れますと、
右側の抽斗の奥に隠し箱のスペースが現れます。

 

 

 


先人たちは、ここに何を隠したのでしょうか。
現代の私達は、さて、何を隠しましょう。
忘れっぽい私は、隠したまますっかり忘れて
しまいそうです。


皆様は何を隠しますか?
ぜひ皆様のアイデアを教えてくださいね。

 

 


こちらの船箪笥は骨董舎にて展示しております。
どうぞお気軽にご来店くださいませ。


船箪笥のサイズなどについてはこちらです。
http://shunet.shop-pro.jp/?pid=103166080

 

 

 
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