腑抜けども、悲しみの愛を見せろ


funuke


腑抜けども、

悲しみの愛を

見せろ


5/15(火)@九段会館(試写会)


監督・脚本:吉田大八

原作:本谷有希子

出演:佐藤江梨子、佐津川愛美、永作博美、永瀬正敏、土佐信道(明和電気)他

配給:ファントム・フィルム


なんちゅーそそるタイトルなんだー!

ってことで、観てきました。


携帯の電波が入らない、どんだけド田舎なんだってくらいのド田舎

陽炎めらめらゆれる空気がキレイ過ぎて直射日光に刺し殺されそうな

うだるような夏の暑さに閉じ込められた山間の集落

とある日、和合家の両親が不慮の事故死を遂げる

両親の訃報を受け、女優を目指し上京したまま音信不通だった長女がふらふらと舞い戻る


豪華で可憐で強欲。自意識過剰な勘違い女の

姉に怯えつつも冷めた目で観察し罪悪感に苛まれながら漫画を描くしたたかな

家族の秘密の重圧に翻弄される血の繋がりはない(連子なので)

度を越したお人好しが哀れな兄嫁


おはなしはほとんどこの4人だけで進行

いっぱい役者さん出さなくってもチラっと有名な役者さん出したりしなくっても

面白い映画は創れるんだわ

面倒くさいオトナの事情が絡んでない風でスッキリしてていい

口角を片側だけあげてニヤっ、としちゃうよな

笑っちゃいけない時だってのに噴出しちゃうよな

そんなブラックユーモアを散りばめて

ここでオチるのか?と思わせて、もう一展開あったりするし

一触即発の人間関係は最後の最後まで楽しめる


女優の才能なんてこれぽっちもないのに

あたしは絶対他人とは違う!特別な人間なんだ!

あたしの能力が発揮できないのは全部妹の所為だ!

とか平気で云っちゃう馬鹿女役にピタっとハマってるよに思えるサトエリ

こんだけの見た目じゃないと女だとは認めないわーと云わんばかりの

浮世離れした完璧なスタイルは羨ましいなんて次元の話じゃなく

我慢もしてるんだろうし見えない所でかなり努力してるんだろなー

だからヘタでも何でもいいと思えてきちゃうし

そういう役だもん。と思っちゃうからいいの。


嫁にはバイオレンスなのに妹には頭が上がらない兄

その嫁永作ちゃんがこれまた素晴らしくって間の取り方がすごくいい

セックスレス以前の問題で、結婚してから一度もない夫婦

ある日、嫁が夫を襲うのですが微笑ましくて応援したくなるんだな

永作博美のコミカルな体当たりで痛々しい演技は必見。上手い!


脇を固めた役者さんが、とにかく素晴らしい!

大変なもん背負っちゃってんだなーってな苦しさが

観てるだけでひしひしと伝わってくる

正直、脇の役者さんの演技を見るだけでも価値アリだと思います


「なにものにもなれない、あなたの物語」

とは云うもののの、誰かに感情移入することは出来なかった

誰かに感情移入出来たら爽快感も味わえたのかも知れないな

似てるようで似てないけど・・・

「けものがれ、俺らの猿と」が大好きなワタシはソレを期待してたのかも知れない

思ってたよりインパクトはなかったのだけど、面白い作品です


腑抜けども、悲しみの愛を見せろってタイトル、うん、なるほどなー。です。


チャットモンチーの「世界が終わる夜に」も映画の雰囲気にピタっとハマってる

エンドロールが終わるまでが映画だと思っているので、満足度は高かったな

呪みちるさんの漫画もステキです


永瀬正敏は相変わらずカッコイイ~☆



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