□形成要因が重複、35の活火山集中

 ヨーロッパの航空網をまひさせたアイスランド南部・エイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火から、1カ月半が過ぎた。数回の噴火を繰り返した後、活動レベルは低下傾向にあるが、専門家は「いつ再噴火があってもおかしくない」と警戒を緩めない。“氷の国”の火山の成り立ちと噴火メカニズムについて、東大地震研究所火山噴火予知研究センターの中田(なかだ)節也教授に聞いた。(伊藤壽一郎)

 ■ホットスポット型

 火山は形成される場所によって、大まかに「沈み込み帯型」「ホットスポット型」「海嶺型」の3つに分類できる。

 日本列島の火山の多くは、海洋プレート(岩板)が陸のプレートの下に沈み込んだ海溝に沿って形成された沈み込み帯型。ハワイのキラウエア火山は、地下深くのマントルの対流によって、大量のマグマが継続的に供給されるホットスポット型の代表だ。

 海嶺は、プレートの“裂け目”からマグマが噴出してできる海底山脈で、大西洋を南北に走る大西洋中央海嶺が知られる。

 中田教授は「アイスランドは大西洋中央海嶺の北部に位置し、ホットスポットとも重なっている。このような地形で大きな火山に成長しているのは、地球上でアイスランドだけだ」と説明する。

 形成要因が重複した特殊性から、北海道と四国を足した程度の国土に約130の火山がひしめき、うち35が活火山という世界有数の火山地帯になっているわけだ。

 ■マグマ水蒸気爆発

 先月14日に始まった噴火活動は、航空業界に大きな経済的損失をもたらしたが、噴火の規模はそれほど大きくはないという。

 溶岩と火山灰の噴出量は0・14立方キロメートルで、1991年のフィリピンのピナトゥボ火山噴火(10立方キロメートル)や1783(天明3)年の浅間山噴火(1立方キロメートル)と比較すると少ない。

 ただ、国土の一部が北極圏に属するため、規模のわりに航空網への被害が大きくなった。エイヤフィヤトラヨークトル火山の火口は、氷河の下にある。「噴出したマグマと氷河が溶けた水が反応し、マグマ水蒸気爆発が起きた」と中田教授は解説する。

 地表付近まで上昇したマグマは、氷河の底部を溶かし、冷えて固まったマグマの上端には高温の水蒸気の膜ができる。火山性微動などの影響で膜が破れると、氷河が溶けた水がマグマの亀裂から入り込み、高温のマグマと接触。瞬時に気化して体積が数百倍から数千倍に膨張し、爆発的に火山灰を吹き上げる。

 マグマが砕け散った火山灰の粒子は直径数マイクロメートルから数百マイクロメートル。「細かくて軽い火山灰は、高度1万メートル付近をふわふわと漂い続け、航空機が飛べない状態が長く続いた」

 ■日本へも影響?

 ピナトゥボ火山噴火では、火山灰が高度3万メートル以上の成層圏に達し、北半球の気温が0・5度下がった。アイスランドでも、1783年のラキ火山噴火は噴出量が15立方キロメートルの大爆発となり、寒冷化による食糧不足がフランス革命(89年)の一因となったとされる。同じ年に日本では浅間山が噴火したが、天明の大飢饉(ききん)への影響は、9000キロ離れたラキ火山噴火の方が大きかったという見方もある。

 中田教授は「今回は火山灰の到達高度が1万メートル前後で、噴出量も少ないため、全球的な温度降下や日本への直接的な影響はまずないだろう」と分析している。

 ただし、今回の活動がこのまま終息に向かうとは限らないとして、中田教授は油断を戒める。

 「氷か地中のマグマのいずれかがなくならないと、マグマ水蒸気爆発は終息しない。エイヤフィヤトラヨークトル火山には、前回噴火した1821年以来、約200年分のマグマがたまっている。今後1年程度は断続的に続く可能性があり、警戒が必要だ」

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