◆ R I N G O * S A N

  歌うパステル画家5*SEASONの蒼いブログショー
  4月の「りんご*さん」のオープン日は
  4/4(火)、4/9(日)、4/12(水)、4/13(木)、
  4/15(土)、4/19(水)、4/27(木)の7営業です。


テーマ:
ある日の「五想庵」
◆ cinemazoo-お婿入りケロ
縁あって『パープル・ケロ』を
養子にもらってくださいました。
お客さまは“ハブドロ”です!


“ハブドロ”とはアートをこよなく愛する、
ハーブとドロシーのこと。
ふたりはニューヨーク在住のご夫妻で、
それはそれはキュートなおじいちゃんとおばあちゃん。
たとえばアメリカンドリームを只今 綴るなら、
ハーブ&ドロシーの日常こそ相応しい、そんな気がする。

過日、そんなふたりの映画を観ました。
京都 大阪での公開を見逃していたので、
地元・奈良町で観られたのはラッキーでした!

映画を観た翌日のTwitterよりコピペ
チョコが好きだからつい買ってしまう。そんなふうに昨夜観た映画『ハーブ&ドロシー』の主人公夫妻も好きだからアートを買う。コンセプトなし。ただ目の前にやってきたものが好き、説明なし。言葉を超えるのがアートなんだな~夫妻に愛されたアートは幸せ。作家も幸せ。映画を観た私もほっこり幸せ。

ハーブ&ドロシー』の佐々木芽生監督は本作が初監督。奈良でお会いしたとき「なぜ映画監督に?」ときくと「ハーブとドロシーのことを多くの人に教えたい、そう思った時、映画という表現が一番適していると思ったから」。ただアートが好きで収集した夫妻と同じで、ただ夫妻が好きだから、そんな一本。

アーティストがお金が欲しくて描いたんじゃなく、ただ感動したものを残したくて描いた作品が、縁あって「その作品が好き」という人に買っていただける。作家冥利に尽きるんです♪ わが「五想庵」でもそんな奇跡が起こるから嬉しい。お客さまは神様というより「ハブドロ」です。映画『ハーブ&ドロシー』

映画館のない私の町に素敵な映画がやってきた!会場はスーパー2階の座席30の小さな空間。行ってみたら知ってる人ばかりで学校の課外授業みたいで楽しかった。アート好きな老夫妻のアートライフを「移動映画館」でぜひ。作品公式サイトに今日の上映情報が www.herbanddorothy.com/jp


社会のどこかに、きっと、
自分の求めている場所があるに違いない、
こうやって、理想を掲げて社会を歩く。
これもひとつの人生だけれど、もうひとつ、
ハーブとドロシーのような歩き方もある。

目の前にやってきた面白いことを続けたり、
たとえば、道行きで困っている人を助けたり、
ごく自然に、めぐってきた縁を大切に、
なんのゴールも用意せず、
迷いながらも ただ歩きつづけ、いつしか
自分にしか出来ない大ごとをやっている。
こんな、風まかせな人生もある。
どちらかというと、今の私は後者かな、
風に委ねているところがあるので。
映画『ハーブ&ドロシー』の舞台は
大都会ニューヨークでしたが、
奈良在住の絵描きの私にもしっくり来ました。
なんせ風まかせで この地へ来たので。

ハーブとドロシーが集めた数々のアート。
やがてアメリカの国立美術館から、
“寄贈の依頼”がやってくる。といっても、
彼等はそれを目的にしていたわけではなく、
コレクターを目指したわけでもない。

同じように、この映画を奈良で上映した人も、
なにか、こう、風まかせなんですね。
映画の上映の知識など、ほとんど無いのに
「この映画を多くの人に紹介したい」、
その一念で動いていたら、いつの間にやら
「まちじゅう上映会」なるアクションへ発展…と、
なんとま~“ハブドロ的”です。素敵です。

この「まちじゅう上映会」ですが、
『ハーブ&ドロシー』を上映したいという会場を
ただいまも募集中なのです。

映画 まちじゅう上映会・会場募集
同作の上映会を奈良を中心としたエリアで開催する個人や企業を募集中です。奈良市は全国でもめずらしい「県庁所在地に映画館がないまち」になってしまいました。しかし映画館がなくても、いい映画があってそれを観る人がいればそこが映画館になるという考えのもと、日本全国で初めての試みが『まちじゅう上映会』です。カフェやショップ、寺や神社、空き家や学校など、地域の個性あふれる会場に呼びかけ、まちのあちこちでの上映を目指しています。上映価格は、50名以下の会場で上映2回までで5万円~。(その他のケースは要問合せ)メディアはDVDかブルーレイディスクとし、どなたでも手軽に上映できる仕組みとしています。

まちじゅう上映会【お問合せ先】
ならそら実行委員会
代表 やまもとあつし(アートアラウンド奈良)
〒631-0062 奈良市帝塚山4-4-5
TEL. 080-5349-2933
mail art_around_nara@yahoo.co.jp 
URL aalabo.com


ぜひ我が町へ♪我が場所で♪ という方、
ふるってお問い合わせくださいませ。

現在決定している上映スケジュールはというと、
なんと! 芦屋美術館で今週末です!
クローバー 芦屋市立美術博物館『ハーブ&ドロシー』上映会
6月4日(土) 5日(日) 両日ともに14:00~

映画館で『ハブドロ』を観られるなんて、
なんという すばらしい事件!
私は「五想庵」があるため
当日 行けなくて残念~!
もう1回、この映画を観たいので、
できれば奈良の美術館で観られるといいのに。

映画好きというより、映画館好きの私。
観る空間によって、
同じ1本でも違う印象になる、そこがいい。
客席が いっぱいだったか、ガラガラだったか、
ひとりで観たか、誰かと一緒だったか、
誰かのポップコーンを食べる音を聞きながら観たか…
落ち込んでる時に観たか、
喜びに溢れて客席に座ったか…
それは映画だけでなく、一枚のアートでも、
音楽でも、本でも、時や場が違えば
受ける感動は変わってくる。
同じ一日がないように、同じ感動もないはずで。

閉塞感に満ちた今の時代だけど、
「まちじゅう上映会」って、もしかしたら、
映画館ではない空間に
夢を再現する“魔法の会”だったり…?


クローバー 『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』サイト

5* 小さなギャラリー「五想庵」のご案内
土日祝のみオープンする5*SEASONの常設ギャラリーです。
ならまちで11:00~18:00まで。
近鉄奈良駅から徒歩10分、JR奈良駅から徒歩15分♪

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『つぶやきの動物園』TSUBUYAKI ZOO


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true-叫びっ
いやだ~~~っ!


と、叫ぶべき時代なんじゃないかな、今。

紙を丸めてゴミ箱へポイするみたいに、
簡単に人間が捨てられている現代です。
フケーキだから、
「派遣切り」をセンセ方はしたり顔で説明するけど、
わかってないなぁ。
「奴隷制度」なんよ、問題は。
“人間らしさ"を はく奪されている人たちがいるってこと。
だいたい、丸めた紙でさえ、
人はその昔、哀れに思ったものを…。
「涙が枯れた時代」なんじゃないか、そんなふうにも思う。

『フツーの仕事がしたい』を観たのは、
昨年の10月、東京の「ポレポレ東中野」。
関西圏ではこれから公開されるので、
ぜひ、観てほしい。夕方のMBSのニュースで、
この映画が取り上げられてた。
まさにタイムリーな映画だからでしょう。
東京でも今後、アップリンクで公開予定です。
ちなみに、ドキュメント作品でシナリオはなく、
あるがままの映像で構成されています。

主人公は車好きが転じて
長距離ドライバーになったフツーの男性。
彼はフツーの労働基準を超えて働かされている。
その痛々しさときたら!
一日の労働18時間、マジですか。
精密な機械でも壊れるだろう。

映画には「リアル暴力」が写ってる。これが恐い。
演技じゃない現実の暴力って、
こんなに恐ろしいんだ、と身震いしてしまった。
俳優さんが演じる「怒り」って、なんだったんだ?
そんなことすら思った。

リアル暴力の犯人は、青年を雇っている企業で、
青年に対して、正気とは思えない嫌がらせを繰り返す。
ほんとに こんなことがあったなんて! 人間じゃない!

やがて、男性は奴隷から逃れる糸口を見つける。けど、
それをよく思わない企業の嫌がらせが待っていた、それでも
「こんなのいやだー!」
声を上げた男性の表情は映画が進むにつれ変化する。
いい顔になってよかった!

この映画を観ようと思ったきっかけは
ずっと応援しているお店「ベルク」の迫川副店長が
映画のチラシにコメントを寄せていらしたから。
『不謹慎かもしれないが役者もそろっている』。

この映画と「ベルク退店問題」は、とても似ていて、
ベルクはよくぞ、声をあげてくださった、
そう思わずにいられない。
大企業などの巨大権力の前では、
人って生き物は、ついつい諦めてしまうもの。けど、
諦める前に、誰でもいい、どこでもいい、
「これって変です!」と言わなければ何も始まらない。

チラシにはこんなコピーも。
「リアル『蟹工船」」。
現実の『蟹工船』を映像で知ったなら、
「私たちは、人間です!」
叫びたくなるはず。

ちなみに私は一日18時間の労働はざら。
でも、誰かに強制されているわけじゃない、
すべて、自分が蒔いた種であって、奴隷じゃない、
だからストレスは少ない。
つまりフツーじゃないんよね、ワタシって。


★★★★★☆☆ 7点満点で5点
「リアルドキュメント・フィルム」としての星です。
映画としては、ごめんなさい…4点。

監督の土屋トカチさんもベルクを応援してくださっています。
この作品を撮影中、監督ご自身にも
企業からの「嫌がらせ」と「暴力」があったらしい。

フツーって何だろう?
フツーという言葉を前にすると、いつも悩むけど、
この映画では「人間らしく」じゃないのかな。
「人間らしい仕事がしたい」。
そんなメッセージが込められた1本だと思った。

2008/10/14 ポレポレ東中野にて鑑賞
~イラストは昨年の某日に描いた~


●『フツーの仕事がしたい』公式ブログ
土屋トカチ監督ご自身が更新なさっています。

●ベルクを応援する『LOVE! BERG!』

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『屋上界の森』
ビルの屋上を森や畑にしようという活動があるらしい。
賛成! ほんの少しでも自然界にお詫びの気持ちを示せたら…。



晩秋の ため息が治まらないので、
半日の家出を決行(ちなみに一人暮らし)、
『ブレードランナー ファイナル・カット』を観て来た。
そしたら、また別の種類のため息が…!
いいわぁ、『ブレラン』!
このオリジナリティ! この世界観! この愛っ!
ありがとう『ブレラン』!

リドリー・スコット監督により、
25年前にこさえていただいたSF映画の金字塔。
お久しぶりデス、
「強力わかもと」のギラギラネオン、
東西南北ゴッタ煮の2019年、悲壮な風景。
あぁ、何もいらん、『ブレラン』があれば…!
熱~いライブを観たときと同じ高揚感、くぅ~!

今2007年。あと12年で
わたしたちは『ブレラン』に追い付くわけだ。
大きなスクリーンで観た近未来都市の造形は
痛い!!! 目に痛い、心臓に、頭に、痛い。
あれはロサンゼルスというより
現在の新宿の姿に似てた。
権力の荒廃と、大衆の活気と、人間と。



★★★★★★★ 7点満点で7点!!
とーぜんでしょうー!!!
SF映画はあまり好きではないけど、『ブレラン』は別!
これがCGじゃないって、あーた! すごいすごい!
多くを語る必要なし!

ただ、デジタル修正がなされているため、
あまりにクリアになり過ぎて、
過去に観たときの幻想シーンの良さがおちたかも。
あと、声と映像がズレルところも気になった。

『ブレラン』は前半の静と後半の動に分かれるが、
私は前半より後半に、この映画の真骨頂があると思ってる。
おそらく100年後に観ても変わらないだろう、
心の叫びがそこにあるから。
「奴隷として生きる者の悲痛な声」が
私を襲っていた晩秋の ため息を押しのけ、
曲がっていた背筋を ぐいっと伸ばしてくれた。

しかし…「痛いシーン」は相変わらず観られず!!
目つぶし、指の骨折り…なんか
ファイナル・カット版では時間が増えてるような?

2週間の限定公開って、もったいないなぁ。
DVD発売が予定されているらしいけど、
絶対に劇場で観るべき映画っ! 1800円の価値 充分あり!
といいつつ、もう今日で公開終了か~。
新宿『バルト9』、お客さんがいっぱいだった。


●Amazon『ブレードランナー』
ファイナルカットDVDは12月中旬に発売予定


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『山羊的迷路』
わたしのことかぃな???



息絶えたら天国に行く、
というのは西洋の思想で、
この日本の地に生をうけた私は子どもの頃、
「死んだ人は草葉の陰にいる」
と、今は亡き伯母からきいたものだった。
たとえ身体は朽ち果てようと、
魂は地下に留まらず、
そこへ根を張る 草や葉や樹木に宿る、
私は幼い頃から、そう受け止めていて、
だから、私は緑が大好きだ。
緑を育む大地や土も好きだ。
特に人よりも長生きしていそうな大木は
「目には見えない生き物」や
「ご先祖さま」を知っているので敬わなければいけない、
こんな想いが頭に沁み付いていて、
そのせいなのか…私は緑を育てるのが好きだ。

猫の額のようなベランダで、
わずかながらの緑を育て、種を採り、
小さな空間の土を掘る。
土を掘り返していると、ときどき
得体の知れない虫がワサワサと出て来たり、
思っていた以上の根っこが出て来たりして、
もうドッキリ★ 恐かったりドキドキしたり、
ふだんは忘れてしまっている地下の生の様子が伺える。
そうして、光の差さない世界には、
私の知らない「もうひとつの世界」があるんだと
しばし果てしない想い耽るのだ。

たとえば、宮崎駿監督のいう「もののけ」だとか、
おとぎ話に出てくる妖精のようなものは、
大人となった今の…いえ、今でも私は
精霊の化身ではないかと思っている。
つくづく伯母の教えから逃れられないわけで…。
な~んて戯言は、私の妄想?想像?空想?
幻の世界に逃げているの?

「逃げていない」とは言い切れないけれど、
私が常々思うこと、それは素敵な人というのは
「思いやり」のある人だと。
自分以外の誰か、
自分のいる国以外の「よその国」を思いやれ人、
そういう人に憧れるし、私もそうありたいと願う。

映画『パンズ・ラビリンス』は
妄想と想像と空想が入り交じった素敵な創造世界。
光の差さない地下に光を求めた少女の、
清らかな「思いやり」に満ちた傑作だった。
草葉の陰と云われた地下は
私にとっては未知であり、近しいもの。
地下と地上を繋ぐものは 緑茂る植物ですね、
私にとっては。天からやってくる水や光は
あまりに遠くて気高く、神々しいものなのです。



★★★★★★☆ 7点満点で6点
映画の冒頭から、いきなり「死臭」が漂い、
「はたして映画が終わった時、誰が生き残っているんだ?」
そんな思いを抱きながらビクビクして観てた。
2時間という枠を最大限に生かした傑作だと思う。
で、生き残ったのが“彼等”かぁ。納得です。
ヒロインの少女の結末は予想通りだった、
そうなるしかないなぁって、最初から感じてた。

私はファンタジーという枠でくくられる作品が苦手だ、
が、この映画はファンタジーという形式を装った
限りなくリアルに近いフィクションだと思う。といいつつ、
人はファンタジーと孤立無縁では哀しい生き物だ、とも思う。

ファシズムに傾倒する大尉と
山羊の化身・パンのいるお伽話に傾倒する少女、
圧政に反発するゲリラたち。
いずれも妄想、空想、創造、理想、
この境目のないファンタジーの世界で支えられている。
が、私が素敵ではないと嫌う「思いやりのない人」は誰なのか、
答えは明らかで、救い様のない終焉を迎えることになる。
一見すると悲劇的な結果をもたらせらた人物には、
きちんと救いの世界が描かれている。でも、
これが幸か不幸か…一概に言えないのが この映画のすごさ。

この映画がリアルだなぁと思うのは、
どの登場人物にも「弱さ」を描いているところ。
極悪非道の人として描かれるファシズム大尉ですら、
しかと「弱さ」を見せてくれる。

死と生を同一線上に描いた作品が好きだ。
この映画はまさしくそれ。生と死は一体のもの。
地下=闇=死=寓話と
地上=光=生=現実をリンクさせて展開する巧さ、いいわ~。
ジブリ作品に私があまり共感できなくなったのは、
地下を描かず天を仰ぎ見る視点に飽きたのかもね。
この映画では「現実」の方が劇的に描かれている。
これが何を意味するのか、と私なりに考えてみたら、
「現実は過酷だ、それでも生きよ!」というメッセージでは?
映画の背景となっているスペイン内戦と同じ状況が
現代にも、きっちり存在してることを忘れてはならない。

余談。物語を運ぶ要・パンのこと。
パンはギリシャ神話に出てくるヤギの化身といわれている。
ヤギの目は独特で、カエルの目と同じく「横一文字」、
どこを見ているのか分からない視線をもっている。
ヤギもカエルも人間には見えない“何か”を見ているようで、
私には特別な動物として映る。
私自身「ヤギ」と呼ばれることが多いので、
パンには妙な共通点を見出さずにはいられない。
しかも映画のパンは下半身が枯れ枝のようで、
これも私の「木を敬う」想いと一致する。
パンをはじめとする化身たちのデザインも好き。
手のひらに目玉のあるアイツは特に好き。
アナログとCGのバランスも絶妙~!

えーと、痛いシーンや拷問場面は観ていませぬ、
3~4ヶ所はパーフェクトに目を反らしてた。
観られへんのよ、想像すると痛くて痛くて…。

傑作だ! とかいいつつ満点じゃないのは、
やっぱりねぇ、ハッピーエンドがどこかで観たかったのねぇ、私。
敬愛すべき映画なのに、ごめんねぇ、監督!
でも久々にパンフレット買ったので許してくだされ。
絵本みたいで素敵やわぁ。それから!
ヒロインの少女が「アキバ系萌え」だったのもポイント高し!
衣装とか、息切れの具合とか、ジャパニメーションしてまっせ~!

孤立に勝る不幸はない。
常々思っていることを、今一度 思いたい。
『パンズ・ラビリンス』で最も孤立していた人物を、
私は腹の底から哀れんでいる。


●『パンズ・ラビリンス』サイト


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『勝利のシューッ!』
うちのママも こんなんでした



パステルを紙に擦り付け、
シコシコシコシコ、指でぼかす。
これを繰り返し、時折シュッ!
スプレー缶のフィキサチーフを振りかける。
「粉」であるパステルの性質上、
紙に定着させるために、なくてはならない作業。
そうして、またシコシコシコシコ・・・。

やがて最後の儀式。
シュワーーーーーーッ!
「強力な定着液」をスプレーする。
独特のキツイ匂いが部屋に充満し、
頭がツンとなる。「出来た!」と鼻から息をつき、
こうしてゴール!!! 一枚の絵が完成!

パステル画の最後の儀式を
誰が名付けたか「勝利のスプレー」というらしく、
たまに私は儀式を終えたとき、
1960年頃のヘアスプレーの匂いを思い出す。

当時のヘアスタイル、特に女性のヘアスタイルは、
大きくふくらませたり、
サイドをクルリとカールをさせたり、
前髪を無理矢理ウェーブさせたり、
今振り返るとカツラか! と思えるほど、
不自然でヘンテコで、だから
カチッと固めなければ、
すぐに ペチャンコになってしまう。
そこで、ヘアスプレー。
シューーッと 髪に ひと吹き、カッチカチ。
さながら手間暇かけたパステル画を保護するかのごとく。
スプレーされた液体は、
頭にツンさせるに充分な匂いを放ち、
子どもだった私は当時、
大人の世界の「刺激」をそこに感じてたかもしれない。

うん、確かに、
あの当時の異形のヘアスタイル「作品」だった。
お年頃の女性は鏡台に必ず ひとつ
ヘアスプレーを持っていて。
今の時代はヘアスプレーは王者ではなく、
ムースあり、ジェルあり、ワックスあり。
人それぞれに最後の“儀”があるわけで、
それだけ品物が豊かになったのだ。けれど、
「自分なり」を見つけるのが大変だったりもする。

ちなみに私は ときどきヘアスプレーを使うけど、
子どもの頃に覚えた頭にツンとくる刺激は
もうそこにはない。あくまで微香で柔らかく、
時代が変わったことをヤンワリと振りまくのだ。

今日、久しぶりに映画を観た。
パステル画を描き終えて、
「勝利のスプレー」を執り行うときのあの気分を
映画『ヘアスプレー』に重ねながら。

ときどき目頭が熱くなったのは、
物が溢れていることが、けして、
真の豊かではないことを知っているからだろう。



★★★★★☆☆ 7点満点で5点
1962年のアメリカ、ボルチモア。
評判通りの傑作。一見の価値、充分にあり。
ただ私がミュージカルが苦手なのと、
強烈に明るい音楽が好みではないため、
1時間でクタクタになってしまったけども…。
それでも巧い! と驚嘆したし、
「リアルストーリーでは ない」ことを貫けるなんて、
アメリカにしかできない。

「弾丸スピードの明るさ」を
堂々と王道に翳せるやり方は、とんでもなく新しい。
シニカルさをまったく汲まない、微塵も見せない、
踊って歌って、幸せを振りまいて。
背景にはきちんと「政治」が置かれているから、
これからの「政治力」は「明」で変化するんだと思いきれる。

キャスティングがズバリ!
太っちょヒロインの女の子ニッキーはハマり役過ぎて
本作の「一発屋」になりそうなのがコワイほど。
ジョン・トラボルタの特殊メイクによる母親役は
あっけにとられるプロっぷり。
名優クリストファー・ウォーケンの演技も味わい深く、
トラボルタとの「夫婦のダンス」は最高!
私の名場面として残るだろう。
いじわる母子もニッキーの仲間たちも、ええわ えええわ。

この映画が新しいと感じられたのは、
ヒロインが「世界スター」を目指すのではなく、
地元のローカルTV局の地元スターを夢見るところ。
アメリカンドリームではないのが今の時代にリンクする。
目の前にやってきた「役目」を確実にこなしていくことが、
やがて仕事になる、自分に合う「適職」を世間から探すのではなく、
今出来ることをやる、つづける、すると、
いつしか自分に相応しい仕事に就いているものよ~♪ と
映画のラストダンスは、めっぽう明るく魅せてくれる。

それにしてもトラボルタ。
各賞にノミネートされるとしたら、
彼は「女優」として、なのだろうか…?


*Home*

●『ヘアスプレー』公式サイト
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