Wed, June 10, 2009 12:47:52 posted by knight-guy

転進。ー3-回帰。ー2-

テーマ:アダルトな高校生の頃。
wrote in 2008-09-09 08:00:00 corrected today
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なんとなく大した釈明もしないままに、ボクとイサオは元の鞘に収まってしまった。
いいのかな、いいんだよね、イサオがそれでよければ。
この頃は、ずっとこんな風に考えていた。

ボクは、また新しいアルバイトを始めた。
イサオが時々飲みに行くスナックバーが、アパートのすぐ向かいにあるのだが、彼に口をきいてもらってそこに勤めることになった。
夫婦でやっている、割と健全そうな店ではあったが、水商売には違いないので少々心配でもあった。
ボクで、勤まるのかどうかが。

しかし、店は楽しかった。
若い客は、友達のようだったし、なによりママが優しくしてくれた。
ボクは、口べただし人見知りはするし、見え透いたお世辞など全く言えないのに、媚びを売らないところが気に入ったという変わり者の客も居たりして、結構何とかなるものだと思った。

ボクはまだ免許の取れない年齢だし、彼は車を持ってないから、暇にしている昼間、たまに客の車の助手席に乗せてもらってドライブするのが、大好きだった。
その日は、客のノウダが食事に誘ってくれて、ドライブがてら出かけることになった。
郊外に美味い店があるというので、ボクは楽しみに助手席に乗り込んだ。

国産だけど高級車に乗ったノウダは、終始ご機嫌で、食事も確かに旨かった。
まだ時間があるから、ちょっと遠回りして帰ろうと言われた時に、気づくべきだった。
ボクは、ホントに頭が弱いが、ホテルが林立する辺りを走られては、如何なボクでも、目的が分かる。
しかし、ボクにとって寝たい男では、全くなかった。

やばい・・・
その辺りは、もう田んぼの中にホテルしかないといった所だった。
アラビアンナイト擬きの葱坊主の屋根のホテルへと、車は走る。

「ちょっと、何のつもり。悪いけど、そんな気ないよ。帰してよ。」
「男と一緒に車に乗れば、こういうことになるって分かんなかったのかい?」
「だって、ママにだってノウダさんとドライブするって夕べ話してんだよ。まさか、こんな事になるなんて、思ってもみないでしょ。」

車はホテルへと滑り込んで、キキッと止まった。
目の前に、部屋へと続く階段が見える。

「さあ、駄々捏ねずに、いい子だから、部屋へ行こう。ね、行くだけ行こうよ。」

大した金も持たずに来たボクにとっては、ここは最果ての地ほど遠い。
ボクは、行くだけ行こうという言葉を信じた訳じゃないけど、覚悟を決めて、しかし嫌々部屋へと上がっていった。
だけど、こいつとなんかやりたくない。

部屋は、タカたちと行ったホテルよりは数段上等で綺麗だった。
しかし、そんなことは、この際どうでもよい。
ボクは、何処に落ち着くことも出来ずに、立ち尽くしたまま、腕組みをしていた。

ノウダが、にやけた顔で寄ってくる。
指毛まで生えている毛深い腕で、肩を掴まれた。

「いやだ、やめて・・・」


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