赤、黄、ピンク…。色鮮やかなガムテープ(商品名は「布粘着テープ」など)が15分ほどで、カラフルでおしゃれなバッグに変身していく。かわいいストライプや水玉模様、形もショルダーやパソコン用、ポケット付きなど、自由自在。「撥水(はっすい)性があるので、夏は海にも持って行けますよ」

 もともと手芸やDIY、服のリメイクが好きだったが、「基本的に面倒くさがりで、針と糸を使わずにいろいろなバッグができないか、と考えていました」。3年前にふと、ガムテープは布に接着面が付いていることに着目した。

 試作したらなかなかの出来栄え。そのことをブログなどに書いたところ、反響が広がっていった。最近は、カルチャーセンターからもお呼びがかかる。「ガムテープってこんなにカラーバリエーションがあるのに、段ボールを留めるだけなんてもったいない」

 作り方はいたってシンプル。まずハードカバーの本など四角いものに、テープの粘着面を表にして1センチほど重ねながら巻き付けていく。これを裏地とし、あとは表面を巻き付ける。持ち手は、テープを縦に折って取り付ける。1巻25メートル、500円程度で、小さなバッグなら10個ほど作れる。

 「ビリビリッって切って巻いて、ストレスを解消して、無心になれます。仕事から帰ってこの作業をすると、頭が切り替わり、寝付きが良くなりますよ」

 大学時代はアマチュア無線のサークルに所属した。「学園祭で、展示団体に電気を供給する分電盤を作るのに没頭したりしました」と、根っからの工作好きのようだ。

 出身地である埼玉の熱烈なファンという顔も持つ。「埼玉の“ダサさ”は良いポテンシャル。なのに、いまひとつそれがブランドとして確立していない。何とかしなければ」。埼玉を勝手に応援する特製のTシャツを100枚作り、フリーマーケットなどで売ったが、半分ほど売れ残るという苦い経験も。

 「ガムテープと埼玉。主役になりにくいと思われがちなところが、どこか似ているかも」。何かに光を当てることで、ひそかな醍醐(だいご)味をつかんでいるようだ。

 はたまた、デジカメ好きでもある。「それも最新製品ではなく、中古カメラ店のワゴンに積んであるようなジャンク品が面白い。製品から、当時のデジカメ作りのコンセプトが伺えます」。撮影を楽しみつつ、時間ができると東京・秋葉原の昭和通り沿いなどで掘り出し物を探すのだとか。

 自宅には飼い猫が3匹。取材中、1匹が記者のノートの上に座り込んだ。仕方なく、空いた部分に書き込んでいると、猫の背中の形に丸い文字列が。「面白いですね、それ! 撮っていいですか」。

 ユニークな着眼点から、ガムテープバッグの次にはどんな発明を生むのだろう。(草下健夫)

【プロフィル】中島麻美

 なかしま・あさみ 昭和52年、秋田県生まれ、埼玉県育ち。32歳。慶大文学部卒。出版社で雑誌編集をしながら、工作家としても活動。著書に『ガムテープでつくるバッグの本』(池田書店)。4月29日~5月30日、東京・神宮前のワタリウム美術館で「ガムテープでつくるバッグ展」を予定。

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