ウエイト ~呪われし存在の重さ <무게> | 韓国映画ひくほどLOVE ~時々ぴょんて

<アングラ>

  監督:チョン・ギュファン

  出演:チョ・ジェヒョン、パク・チア

 

 

なんともマニアックな作品でございますので。好き嫌いが極端に分かれるかと思いますが。。。。勿論、私は好きです。はい。

 

昔むかし、『ノートルダム・ド・パリ(ノートルダムのせむし男)』を読んだ時、凄い衝撃だったけれども。あれがベースのようで。がっつり思い出しましたわ。

まだ稚拙な感情しか持ち合わせていない私の中に、恐怖と憐び、全く別の感情が同時に訪れた混乱。

とても不思議な感覚に襲われたのを覚えています。

 

奇形や障害を持ち、世間に馴染めない(受け入れてもらえない)人間達の葛藤をディープに描いた作品ですが。

 

それはそれは過激な性描写が続くんだよね。

まぁでも、実際はそれ自体よりも、登場人物達の性(さが)と言うのか。報われない欲望の渦巻く空気感がとても過激で。刺激的。

 

顔をヘルメットで隠し続ける男性のシーンなんて、それこそ過激だけど。。。胸に突き刺さった。

特に、後にその男性の背景がちょっと見えてきた時。恐ろしい程の胸騒ぎに襲われるんだよね。

 

彼の満たされぬ欲望が爆発する場面を目の当たりにして、汚いとかヒドイとか、そんな安っぽい感情は凡そ現われなかったわ。

気付いたら、もし実際にこの男性と対峙したら、知り合いになったら、私は彼とどう向き合えるだろうかと。本気で考えてた。

 

そして、ストーリーが進むにつれ、まさに、これが「人間」なんだなと。強く思ったよ。

姿カタチはともかく、性向や性癖はともかく。

 

アングラなんですけどね。

私の生きる世界とは、大きくかけ離れた世界感なんですけどね。

 

それでも。そこには危うく、ギリギリのところで生きている人々が、のんびりと生きている人達には遠く及ばない程の「生」や「性」を発散させているんですわ。

 

そんな感じで。

最後まで十分に引き込まれ、ドキドキしながら鑑賞したんですが。何よりも、パク・チアさんが素晴らしい!素晴らし過ぎる!

もう、完全に『トンべ』なんだよ。性同一性障害の。彼なんだよ。

 

日本で観られないようなマニアック作品が多いチアさん。

王になった男 』とかメジャーなのも出てますが。。。やっぱり、こういう鬼気迫る演技が出来る人と言うのは、こんなディープな作品でこそ生きるのかも知れないね。

いやほんと、彼女に感動しました。