今回もが最後の「清水寺案内」になります。
お付き合い、よろしくお願いします。



〇境内の食事



この音羽の滝のところで、食事ができます。
湯豆腐がおいしかったので、おススメです。

確か、清水を使っていると聞きました。

食べただけで、御利益がありそうです。



シドモアの紀行文を読むと、明治時代でも清水寺で飲食ができたところがあります。
その場所が、音羽の滝のところと同じかは分かりませんが、このような様子だったようです。



「寺院境内の立て場は、宴会客や大酒飲みの客で込み合い、果物屋には切り売りの西瓜が山と積まれ、さらに清水寺の舞台を描いた扇子が両脇で売られています(シドモア日本紀行 講談社学術文庫)」



サラリと書いていますが、これはとんでもないことです。
仏教のお寺では、あってはならないことです。

仏教の教えでは、お酒を飲むことは禁止されています。それなのに、お寺の中で「大酒」を飲むことは、本来であれば、ダメでしょう。
これが、タイやミャンマーであったら大騒ぎ、社会問題になります。




実は、これと似た問題が2011年の仁和寺で起きています。

仁和寺では、サクラが咲いて多くの人が集まる春に、境内の茶店が「すき焼き」を提供していました。
「殺生を禁止する仏教のお寺の中で、すき焼きを食べることはけしからん」と、これが問題になって、京都新聞の記事に載りました。



「御室桜の仁和寺、夜桜のすき焼きは禁止に 2011年02月28日 京都
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110228000063



「国の名勝、御室桜で知られる仁和寺(京都市右京区)で毎年春、夜

桜のそばで招待客らにすき焼きを提供していた茶店が今春以降は取

りやめになることが28日までに分かった。「世界遺産の寺の真ん中で

肉を食べるのは宗教的な尊厳を守る上で好ましくない」との理由だ

が、長年、茶店を運営してきた門前の業者は「なぜ今唐突に」と困惑し

ている。


仁和寺が御室桜の見物でにぎわう様子は江戸時代中期の文献にも

残る。茶店の始まりは定かではないが、昭和初期には門前の住民が

桜を管理し、開花時期になると共同で茶店を出す方式となった。

すき焼きの提供が始まったのは約40年前。茶店が毎春、屋根付き

の桟敷と床机席(約300席)を特設する。近年は4月の約2週間、寺

の招待客や茶店に申し込んだ客など数百人が訪れている。


夜桜のそばの茶店の廃止について、仁和寺の杉本泰俊執行は「金

堂や観音堂の前の聖域とも言える場所で肉を食べることには、かねて

宗派内で批判があり、夜間の飲食はできないことにした」と説明する。

昼間の拝観は弁当などの持ち込みができるという。」



現在はどうなっているのかは、分かりません。
仏教のお寺の中に、神社があるのはOKでも、さすがに、お寺の中で肉を食べることはダメなようですね。




〇「阿弖流為(アテルイ)・母礼(モレ)の碑」


音羽の滝を出たすぐのところに、この碑が左側にあります。





現在の清水寺は、坂上田村麻呂が蝦夷(現在の東北)にいた蝦夷(えみし)と戦って勝ったお礼に建てられたと言います。
この戦いで、坂上田村麻呂は、降伏してきたアテルイとモレ連れて京都に戻ります。


京都で、坂上田村麻呂はこの二人を助けるように朝廷に頼みますが、この願いは聞き入れられませんでした。
「虎を養い患を遺すなり(日本略記)」とあります。



この二人は首を切られて処刑されてしまいました。

処刑を命じたのは、京都遷都を決めた桓武天皇でした。

無念の思いを残したまま処刑された二人の鎮魂のために、この碑が建てられました。






この話を韓国人の友だちにしたところ、とても驚いていました。
「処刑した敵軍の人間のために石碑を建てるということは、韓国では聞いたことがありません」
と言っていました。



これに似たものとして、鎌倉の円覚寺があります。

この寺は、13世紀の鎌倉時代に蒙古軍が日本に攻めてきた(元寇)によって、亡くなった人の魂を敵味方の区別なく、鎮めるためにつくられました。



国家の鎮護、禅を弘めたいという願い、そして蒙古襲来による殉死者を、敵味方の区別なく平等に弔うため、円覚寺の建立を発願されました。円覚寺HPより

日本人には、死ねば敵味方なく、鎮魂するという発想が昔からあったのかもしれません。



なお、桓武天皇が蝦夷に坂上田村麻呂を送って攻めたのは、この蝦夷が京都から見て「東北(鬼門)」に当たるから、という興味深い説もあります。


「なぜ蝦夷征伐に、桓武は熱心だったのか?蝦夷の本拠地東北地方は、平安京から見て『鬼門』の位置にある(逆説の日本史3 井沢元彦)」




では、シドモアの三十三間堂の感想をもって、最後にします。



「三十三間堂、つまり三万三〇〇〇体仏像ホールで、背の高い緊迫仏像が何段にも列をなす興味深い場所です〔千手観音千〇〇一体と二十八部衆の像を安置〕。しかし、ここは聖域というより、仏像の大規模な保管場所ぐらいにしか見えません!(同書)」



と、清水寺に比べると、あまりに短くしか書いていません。
「保管場所」というのは、ひどいですね。





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