昨年末に肘を剥離骨折し、完治したとしても、怪我前のコントロールを考えると、もう公式戦で投げられる状態に持っていくのは無理だろうと思っていたのですが、ヒロは投球スタイルを変え、今大会の10イニングを2失点に抑え、優勝投手にまでなることができました。これには監督である私も正直驚かされました。
2回戦の初先発では「10点取られたら11点取ればいいから」
決勝では「ダメだったら1回で代えてやるから」
と半ば冗談でなく言い、それほど期待をかけることなくマウンドに送りましたが、そんな心配を他所に予想以上のピッチングを見せてくれました。正直、エースY君や決勝で対戦したT君の速球とは比較もしようがないくらいに見劣りしますが、本人は今の自分にできる最善の投球スタイルを練習でバッティング投手をやりながら模索していたのかも知れません。
どう見ても打ちごろのボールですが、今思えばヒロよりも速い捕手S君のボールがチーム内でも連打されるのに対して、ヒロのボールはそれほど打たれることはありませんでした。
軟投派というほど遅くもなく、本人いわく70%くらいという投球ですが、コースを投げ分ければ、それほど球速はなくても通用するということと左投手の有利さを改めてヒロに教えられた気がします。
決勝ではいくつかの四球もありましたが、丁寧にコーナーを攻めた結果のように見えましたので、それほど不安を感じることはありませんでしたし、打たせて取るピッチングにバックも好守で応えてくれました。
怪我がなければ、おそらく力任せの投球を続けていたでしょうし、そこそこの速球を投げるようにもなっていたでしょう。そう考えると少し寂しい気もしますが、それでも、今後身体の成長と投手として投げ込むごとに球速は上がってくると思いますので、今の経験は決して無駄にはなっていないと思います。
そして私が嬉しかったのが、ヒロの復活を我がことのように喜んでくれたエースY君。二人は5年生までエースを争うライバルでしたが、「ヒロが投げるのを早く見たい」とヒロが投げる時の為にと進んでファーストの守備練習をやってくれていました。Y君のお母さんの話では、2回戦の夜、「ヒロすげえよ。初先発だったけど、すごく安心して見てられた」とヒロの復活を喜んでくれていたそうです。
そういう意味でも、ヒロの復活はY君のみならず、チーム全体に良いムードをもたらしてくれたと思います。
準決勝・決勝では打撃が奮わなかったことを本人は悔しがっていますが、私としては、この大一番で投手として復活を果たし、尚且つ結果を出してくれたことが嬉しくてなりません。監督としても親としても最高の大会でした。
最後に、あれだけノーコンだったヒロが見違えるようなピッチングができるようになったのも、満木先生に教えていただいた、ワンバンキャッチボールを続けていたからではないかと思います。先生ありがとうございました。
1回戦で放ったホームランボールです。