海保けんたろーの「本音とろとろ」

バンド「メリディアンローグ」のドラマーで、アーティスト支援サービス「フリクル」を運営する会社の社長でもある、海保けんたろーが語ります。


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ぼくのTwitterのタイムラインでにわかにライブハウス業界に関する話題が盛り上がっているようなので、言いたいことを短文で投げまくるよりはブログかなーと思いまして、ぼくの意見を書いてみようと思います。

※参考 そもそも今回盛り上がっているのはこの記事が発端
ライブハウスはミュージシャンを育てない。なぜなら!(うがやの「毒にも薬にもなる話」)
http://ugayaclipping.blog.so-net.ne.jp/2009-07-23-10


●日本のライブハウスの現状

まず、ライブハウス業界の変遷を、時系列順に書いてみましょう。

昔(20年前くらいまで)はまだライブハウスが少なかったので、ライブハウスに出演できるのは、
高い音楽性を発揮し、集客努力をし、厳しい審査に勝ち抜いた、限られたバンドだけだった

ライブハウスがどんどん増えた

ライブハウスの出演枠は増えたけど、バンドが増えたわけではないため、以前はバンドがライブハウスに「僕達を出してください!」とお願いする形が基本だったのに、逆にライブハウスがバンドに「うちに出てください」とお願いするようになった

誰も出てくれなければライブハウスは成り立たないので、「下手」「集客できない」といったバンドでも出演させるようになった

それだとお客さんからの収入が少なくなってライブハウスは潰れてしまうので、「チケットノルマ制」を導入して生き延びた
(○○人お客さん呼べなかったら、足りなかった分はメンバーが払ってね方式)

「お客さん呼べなくても、音楽が微妙でも、ノルマ払ってくれるならうちに出演してください」というライブハウスが増えた
元々は、お客さんが落としたお金をバンドとライブハウスが山分けするビジネスだったはずなのに、
お客さんとバンドが協力してライブハウスにお金を払うビジネスにすり替わっていった

ライブハウスに「微妙なバンドしか出てない」「お客さんが全然いない」という日が増えた

バンドがせっかくお客さんを呼んでも、あまり楽しめない確率が上がった
「ぶっちゃけ、ライブハウスってあんまり面白くないよね…」

お客さんがリピーターになってくれない。つまりバンドは集客に苦労する。だからなおさらライブハウスはチケットノルマ制を止められない。という悪循環


悲しい。これは非常に悲しい。


ライブハウスが少なかった頃は、色々とうまく回っていたのに。
(ぼくも、その頃をリアルタイムでは知らないですが…)


というわけで、ライブハウスを経営してらっしゃる皆さま、今すぐお店を畳んでください!

…というわけにはいきませんよね。

では具体的にはどうしたら良いのでしょうか?


●ライブハウスの減らし方

では、実際にはどうやってライブハウスを減らせば良いのでしょうか?

その答えは、我々バンドマンにあります。

それは、「赤字ライブをするのをやめる」ということです。

「そんなの出来たらとっくにやってるよ」と思いますか?
ぼくは、どんなバンドだって、今すぐにライブの黒字化が可能だと思ってます。

やり方はシンプルです。
バンドを運営していく中で、下記のルールを守ってみてください。

1.宣伝活動は「ネット上」「他アーティストのライブ会場」「路上ライブ」など、自分たちのライブ以外の場所で行う
※ライブハウスでの自分たちのライブは、あくまで「商品」であり「CM」ではありません。CMのような、商品のような、どっち付かずのライブは新規開拓できないばかりか、リピーター率も低下させます。

2.どんなに仲の良い人に誘われようが、お世話になっている人に誘われようが、チケットノルマなどの条件が、赤字になりそうな条件だったら、必ず断る

3.集客が全く出来ないならば、「ライブハウス」とは呼べないような、狭い会場でライブをする
(「ライブバー」などと呼ばれるような、チケットノルマがゼロもしくは数枚、というような会場は、案外あります)

4.ライブバーでライブをしていて集客が伸びていったら、徐々に会場を大きくしていく。
集客が一切伸びない場合は、「宣伝活動をサボっている」「音楽自体のクオリティに問題がある」のどちらかもしくは両方なので、そこを見直す


これで、バンドは必ずライブの黒字化が可能です。
ただシンプルに、赤字になる要素を排除しただけです。

それだけで、ライブの黒字化はできます。


そして、もしこれを全てのバンドが実行したらどうなるでしょうか?

答えは、ライブハウスが減ります。

「誰にも出てもらえないライブハウス」が増えるわけです。
そうなったら、質の悪い方から順番にライブハウスは勝手に減っていきます。

すると、冒頭に書いたように、ライブハウス業界(≒インディーズバンド業界)は
色々なものが良い方に循環し始めるんです。


ライブハウス業界をつまらないもの、夢のないものにしているのは、
我々バンドマンなんです。

どうか、ひとりでも多くのバンドマンがそれに気付いてくれますように。


P.S
上記のような活動をしているバンドにとって、革命的に便利な道具が「フリクル」です。
興味ある方は、ぜひこちらの「メッセージ」を読んでみてください。
http://frekul.com/about/message

P.Sその2
ぼくは上記のようなやり方を「全バンド絶対こうすべき!」と思っているわけではありません。音楽活動は自由であるべきです。「オレは赤字だろうがなんだろうが、月5本ライブしたいんだ!」「ライブバーなんて恥ずかしくてやりたくない」という気持ちを咎めようとは思いません。
あくまでこの話は「ライブハウス業界を良くするためには?」「バンドがライブを黒字化するためには?」という論点で書いておりますので、そこをご理解頂ければと思います。



バンド「メリディアンローグ」ドラマー
株式会社ワールドスケープ 代表取締役社長

海保けんたろー
Twitter: http://twitter.com/#!/Kentaro_Kaiho

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