道外行政視察~前編~
先日10/21~24の日程で、士別市議会経済建設常任委員会で
千葉県の4市に行政視察に行って参りました。
メンバーは、粥川委員長、国忠副委員長、
神田委員、山居委員、出合委員、赤鬼委員、
そして議会事務局から樫木主査にお世話いただきました。
その報告をしたいと思います。
①習志野市
<災害復旧の取り組みについて>
士別市【人口:約22,000/面積:約1,119k㎡/人口密度:19人/k㎡】
習志野市【人口:約165,000/面積:約21k㎡/人口密度:7,880人/k㎡】
まず、上記が士別市との人口と面積の比較です。
習志野市とは恐ろしく人口密度が違います。習志野市は士別の414倍です。
3.11の大震災で埋立地を有する習志野市は液状化現状による被害が多数発生。
家屋の全壊は9件だったものの、大規模半壊と半壊で713件、一部破損は4,505件。
水分を多量に含み、地震で揺らされたことにより液状化が発生し地表からドロドロと噴出。
当然ですが、家屋だけではなく、道路や電柱なども被害に遭いました。
現在ではほとんどが「復旧」されたわけですが、一般家屋については
傾きや壁・塀などの損傷についてはなかなか手付かずといったケースが多いそうです。
例えば、傾いた土台などをジャッキアップして直すにも数百万円といった
修繕費がかかります。国などから助成が出るにしても多額の個人負担は免れません。
それでなかなか復旧が進まないと言うことです。
また、今後の大きな課題はどう「復興」するか。ということになります。
壊れたものを元に戻すだけではなく、今後どう壊れないようにするか。
といったことです。
今回の被害を調査し、液状化対策を講じなければなりません。
行政側の責務と市民がなすべき役割、公民の協働により
復興にむけて取り組まなければならないということです。
「習志野市被災住宅公民協働復興検討会議」から、
今後の復興に向けた提言が出され、取り組んでいるところです。
そして復興には国からの交付金も重要ですから、
国とも連携して復興していかなければならないわけです。
士別のように北海道の内陸に位置し、地震などは起こる可能性が低いとされています。
しかしながら液状化については、例えば沼地などでも埋立てした場合には
起こりうる可能性があります。
今回被災しなかった地域でも、被災地の取り組みを学び、
万が一の事態に備える必要があると思います。
「絶対」は生と死しかありませんからね!
①市原市
<防災機能公園そしての総合公園について>
士別市【人口:約22,000/面積:約1,119k㎡/人口密度:19人/k㎡】
市原市【人口:約279,100/面積:約368k㎡/人口密度:758人/k㎡】
千葉県で一番面積の大きい市です。士別のおおよそ1/3になります。
ここでは、現在建設中の防災機能もつ都市総合公園を視察。
以下に概要を示します。
公園名:市原市総合公園(上総更級公園)
種別:総合公園
面積:9.9ha(※参考:水郷公園21ha)
事業期間:平成20~24年
供用開始:平成25年4月予定(現在は完成した箇所から供用開始している)
事業費:用地取得38.9億円、施設整備18億円
この公園は、災害時の復旧拠点として、また都市交流拠点として建設されています。
国からの交付率は防災機能を有するということで45%。
イベント広場や修景池、右側の下にはスケートパークや
その下には3on3が出来る軽スポーツ広場もあります。
市民からのパブリックコメント等で寄せられたものを参考に、
専門家の意見も取り入れ、設計したようです。
年代問わず人が集まりやすく考えられている公園だと感じました。
市内で行われるイベントもここを拠点として考えているそうです。
また、共用開始後は指定管理による運営をするようで、
指定管理料は5ヵ年契約で2億2,000万円を予定しているそうです。
4,400万円/年相当になります。
公園の話しでは、私も色々な方々からご提言をいただいております。
特に子どもをもっている年代の方々の思いは色々ありますよね。
「何故士別は作らないのか」ともよく言われます。
ただ、「作る」ことが大切なのか、「維持」することが大切なのか。
私は士別には「つくも水郷公園」という、実に広大な面積を誇り
緑や水、そしてスポーツやキャンプも出来る素晴らしい公園が
現在では地元市民が集まらないようになっていること自体が、
今後の大きな、そして大切な課題だと考えています。
「士別は金がないから何も変わらない」。こんな声も聞こえてきます。
しかしそれは違います。何かを変えるために必要なのは財源の前に知恵です。
確かに今より財源が豊かだったころは、色々なものを建設してきました。
今、駄目になってきているのは財源がないからではなく、
その前の知恵を出していないからだと思います。
そして知恵を出すのは我々市民なのです。
行政のせいにするのはその後ではないでしょうか。
水郷公園に思い入れのある若者はたくさんいます。
昨年から「水郷公園わくわくプロジェクト」が立ち上がり、イベントを開催しています。
これはイベントをやりたいのではなく、イベントをやり人が集まることで
水郷公園の再開発に繋げたいという若者の思いなのです。
是非、市民発動から行政と連携して、水郷公園にたくさんの市民が集まる
活気ある公園にしたいと強く感じた研修でした。
~後編に続く~
※本文と写真は一切関係ありません。