音で劇場が揺れる。

シートに叩きつけられるような衝撃。

圧巻の爆発劇。

 

海底油田である。

2010年にメキシコ湾で起きた原油流出事故。

燃えさかる海を、ニュース映像で記憶されている方も多いかもしれない。

これは、その内側を描いた実話映画である。

 

爆発までの導線が見事。

我々素人にも、油田の仕組みをわかりやすく提示してくれる。

しかも、冒頭の数分でそれらをこなしてくれるから、実感を得やすい。

 

後は一気呵成。

炎の勢いはパニックホラーの様相。

エンターテイメントの見せ方ながら、確固とした問題提起。

ああ、なんと素晴らしい客観性だろう!

 

 

 

主演はマーク・ウォルバーグで、近年の仕事ぶりは特筆に値する。

仕事への選球眼と題材への慧眼で、過去のヤンチャぶりも今や懐かしい。

親近感で出来上がっているような、ヒーロー性を喧伝しない役柄だ。

 

カート・ラッセルは、肉体的な痛みが伝わってくる俳優ナンバーワン。

義理の娘ケイト・ハドソンも登場しており、良い芝居。父娘競演。

 

ジョン・マルコヴィッチだと気づいたのは、2シーン目くらい。

定型だけれど、その裏の事情も慮れるような表情。いいです、いい。

 

ジーナ・ロドリゲスの可愛さ!

 

作業服青年が『メイズ・ランナー』シリーズのディラン・オブライエンだと、鑑賞後に知った!

ゴーグル着用でもイケメンなわけだハアハア…ッ

 

視覚効果、撮影、音響、編集といったスタッフ陣の仕事に、大拍手。

効果抜群な音楽は、『悪魔の棲む家』や『テキサス・チェーンソー』からのハラハラ旋律の達人、スティーヴ・ジャブロンスキーであった。

 

完全に大好き監督ランキング入りを果たしたピーター・バーグ監督。あ、当方の、です。

傑作『ローン・サバイバー』でも組んだマーク・ウォルバーグと再び。

わずかな時間に振り撒いた伏線を一気に昇華させる。

その勢いが、止まない。

なんという手腕かと毎度ハッとするけれど、今回もまた驚いてしまった。

 

 

 

極めてドラマ性の高い実話ながら、殊更にドラマティックにしていない。

事実の積み重ねを見せてくれる。

そのことが、更に衝撃を増してくるという披露法。

 

天災ではない、事故である。

痛ましい悲劇である。

為すすべがない。

炎という主役を駆使して、根底に流れる問題をあからさまにする切り口。

 

だからこそ、原題の『DEEPWATER HORIZON』には重大な意味がある。

これは、油田会社の名前だ。

つまり、3・11原発事故の映画に『東京電力』とタイトルするようなもの。

邦題にするのは難しかったろうけれど、優れた原題ではないか。

 

殊に、危険物を取り扱う職業においては他人事ではない。

こうして日々、働いている人がいる。

ニュースには表れない個々人の生命が、目の当たり。

新たな傑作パニック映画の誕生かと思う。

 

 

 

※上映は減っていますが、可能でしたら劇場鑑賞をおすすめします。

 

映画 スクリーン(TOHOフリーパスポート)
 

『バーニング・オーシャン』
DEEPWATER HORIZON
2016年・アメリカ
監督: ピーター・バーグ
音楽: スティーヴ・ジャブロンスキー
出演: マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、ジーナ・ロドリゲス、ディラン・オブライエン、ケイト・ハドソン

 

[関連作品]
ピーター・バーグ監督⇒ ローン・サバイバー /バトルシップ
スティーヴ・ジャブロンスキー音楽⇒ ローン・サバイバー /バトルシップ / トランスフォーマー/ロストエイジ
マーク・ウォールバーグ⇒ ローン・サバイバー / トランスフォーマー/ロストエイジ / テッド2 / テッド / プリズナーズ(製作) / デート&ナイト / ラブリーボーン / ブギーナイツ

 


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※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。

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