まだ右も左も分からない5歳で、迷子。

広大なインドで、ひとりぼっち。

家に帰りたい。

帰ろう。

方法がわからない。

 

帰り道を失くしてからの長い長い時間。

これは、そんな人生を歩いてきた男の子の実話ストーリー。

迷子のまま生きる彼と、家族の話。

 

インドという国の混沌や、大きさが否応なく迫りくる冒頭。

自分探しの前に、自分を失いそうな国。

拾い上げる手はある。

が、自分がたどり着きたい場所は、どこにあるのか。

そんな煩悶を抱えて生きる、その過酷さが丹念に。

 

 

 

少年時代の少年を演じるサニー・パワールが、問答無用の可愛らしさ!

保護したくなる。食べさせたくなる。抱きしめてクリックリしたくなる!

 

青年時代を演じるのがデヴ・パテルだが、アカデミー賞に最も近いインド系俳優。

いつも良いのだけれど、いつの間にやら筋骨隆々。

当方基準だけかもしれないが、今回、セクスィダイナマイトです。ときめき。

 

ヒロインのルーニー・マーラは引きの芝居で、逆に際立ち。

 

ニコール・キッドマンが、あのヘアスタイルも厭わず素晴らしい!

実際に養子を引き取り育てているニコールの起用が、説得力を生みまくる。

 

ガース・デイヴィス監督はTV界の人だけれど、冗長になっていない。

実在の人々を扱うにあたり、神経も細やか。

子役への演出が見事で、ロケーションの切り取り方もいい。

 

丁寧に写し取られた景色の数々が、とても美しい。

撮影のグレイグ・フレイザーは『モールス』も印象的だった。

インドシーンでのカメラワークは圧巻過ぎる。

 

 

 

そのインドでのパートがあまりにも鮮烈。

群衆や、一人ぼっちのシーンや。

子どもでなくても、戸惑う生活臭だ。

世界は広い。

その現実を我々も如実に体感させられる。

 

少し昔の出来事かと思ったら、現代。

むしろ、今NOWだから成り立ったエピソード。

『世界仰天ニュース』に登場してもおかしくない。

と思ったら、『アンビリバボー』で取り上げられていたらしい。そっちか…!

 

まるで知らなかったこともあり、まさにアンビリバボー。

と、ともに、終幕にはやはり泣いた。

母と母の気持ちを思い、涙腺が緩んだ。

母は元より強いのではなくて、強くなっていくのだと。

 

彼が辿る記憶は、幾度も思い返していたから刻まれていたのかと思うと。

また泣けた。

 

 

※日本にも『ボクは5才』(1970)という映画があります。こちらは5歳の少年が電車を乗り継ぎ、父に会いに行くというお話。実話ベースで驚いた記憶なので、機会ありましたらよかったら。

 

 

映画 スクリーン

 

『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
LION
2016年・オーストラリア
監督: ガース・デイヴィス
脚本: ルーク・デイヴィス
製作: イアン・カニング
撮影: グレイグ・フレイザー
原作: サルー・ブライアリー
出演: デヴ・パテル、サニー・パワール(少年時代)、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、デヴィッド・ウェンハム、アビシェーク・バラト、ディヴィアン・ラドワ

 

[関連作品]
デヴ・パテル⇒チャッピー

 


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※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報を頂戴できましたら幸いです。

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