$世界映画博-エイリアン2 完全版

『エイリアン2完全版(デジタル・リマスター版)』 ALIENS 2013年・アメリカ 


震えが止まらない!

絶句!
頭が真っ白!

ラスト1時間、ずっと口を開けっ放し。
身を乗り出しっぱなし。
前の座席を、かじりっぱなし。

この興奮、どうやって言葉にできようか。いや、できない。


どうして今まで、この完全版を知らないでいたのか。
今まで知っていた『エイリアン2』と違うじゃないか!

27年前に初めて観て以来、何度も観てきた『エイリアン2』はいわば、結果であった。
実はこんなにも、経過が記されていたとは。
映画の意味が変わってくる。

とても深く深く。
削られたエピソードの17分間の復活で、強烈に心に刻まれる熱。
ああ、だから、あの眼差しだったのかと。
だから、あの怯え方だったのかと。


デジタル・リマスター化された映像は、新鮮。
武器・火器・重機の数々が、鮮明。
戦う女、リプリーは美しく、海兵隊の汗もスクリーンから飛び散る勢い。

たとえば、近年のCGアクションであれば、エイリアンを大量に出演させてしまうだろう。
当時はその予算もなく、技術もない。
だからこそ、数字で見せる。
だからこそ、観客は想像する。

恐怖が膨らむ。
観客の身内から、戦慄が生まれ出る。
これ以上の、特殊効果があるだろうか。


元より、ジェームズ・キャメロン監督の特殊効果は稚拙であった。
けれど、それで十分すぎる。
光速を思わせる編集と、現場での試行錯誤と、スタッフの意地と、俳優の汗と涙。

見目麗しいCGなどは不要。
CG映画を否定はしないけれども、手作りには重みがある。

火薬の煙も、スクリーンを使った背景も、その前でのたうち回るエイリアンの造形も、ハンドメイドだからこそ生まれた質感だ。


エイリアンもひれ伏すシガニー・ウィーバー、キャメロン映画・初代イケメン担当マイケル・ビーン、Mr.オロオロのビル・パクストン、『ターミネイター2』でサラ・コナーの身体を作ったジャネット・ゴールドスタインのバスケス、
ビショップ、ニュート、隊長、クソ野郎。

おなじみの面々が、真新しい印象で逃げる、走る、戦う、守る。
名シーンに震える。

歓喜!

すぐ目の前に、粘液にまみれたエイリアンがいる。
戦友たちがそこにいる。

スクリーンで観られた幸運。
映画史に燦然と輝く怪作は、今もなお進化している。

素晴らしい素晴らしい素晴らしい。
この世界は、素晴らしい。



映画 スクリーン(TOHOシネマズ特別上映)



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