柿其渓谷を旅立った一行。

次なる目的地に向かうために南下しつつ、途中でちょっと寄り道です。


「あれ、ここの業者さんに何かあるんですか?」


「いやいや、業者さんじゃなくて、この橋を見に来たんです。」


「あ、この橋ですか!?気がつきませんでした。何て名前なんですか?」


「久保洞水路橋っていうんですよ。」


「久保洞…水道…橋?」


「いやいや、「水道」じゃなくて「水路」。道路の「道」の方じゃなくて「路」の方です。」


国道19号を南に下り、左手に出てくる脇道(たしか、「南木曽クレーン」さんが目印だったと思います!)を左折すると、「久保洞水路橋」がひょっこり顔を出します。

そんなに大きなサイズの橋ではないため、地元でも知らない人も多いのだとか。


   木曽路名水探検隊のブログ-久保洞水路橋1


「水路橋」というのは、河川・用水・水道・発電水路などが、道路や川などを横断する場合につくられる橋のことをいうそうです。

ちなみに、久保洞水路橋は農業用施設だそうで、現在も農業用水を送っています。橋の全長は約21・9メートル。そこにトンネル状の穴が通っており、そこを水が流れています(思っていたよりも流れる水の量があったので、驚きました)

   
   木曽路名水探検隊のブログ-久保洞水路橋2


建設年代は1909年(明治42年)です(明治時代の建築物が、こんなにしっかりした形で現在まで残っているというのは、すごいですね!)

橋の形状は石積みアーチ橋。長野県内では、久保洞水路橋が、石積みアーチ橋としては一番古いものなのだとか。

さらに、橋の下に、半円状のトンネルのような穴があいているのですが、これはその昔、鉄道が通っていた名残だそうです。ちなみに、当時、久保洞水路橋の下を通っていた鉄道というのは、今の「中央西線」なんだそうです!


   木曽路名水探検隊のブログ-久保洞水路橋3


建設されてから100年以上になる橋ですが、とめどなく流れる水は、まだまだ現役であることを感じさせてくれます。(yoko)