VS ジェ●ケリー M田 その5
テーマ:VS ジェ●ケリートイレから戻ると、絶対売ってやるぞーって、ふたり並んでM田とS浦の気合がみなぎっていました。
S浦なんて鼻毛が三倍くらいになっていましたからね。S浦が鼻毛神拳の構えをとりながら話します。
「宝石店に来る機会なんかめったにないんだし、せっかく来たんだから今日、頑張って決めていってくださいね」と。要するに宝石のニーズなんてないって事じゃねーか。ニーズがあるなら自ら何度でも足を運ぶだろ!冷静に聞くとツッコミどころ満載の営業トークです。
では、ちょっくら遊んでみましょう。
「ところでS浦さん、僕、今日は賞品をとりにきただけなんですけど、急にこんな商談になるなんて思ってなくて…。賞品を取りに来た人には全員にネックレスをすすめてるんですか?」
「いえ、興味を持った方にはおすすめしていますけど…」
「そうですよねえ。セールスするための口実で賞品を渡すとかいって呼び出してたら特定商取引法に違反しちゃいますもんねえ」
「…。」
さらに問い詰めます。
「ところでS浦さん、懸賞の当選発表はまだ先だったと思うんですけど、どうして、もうこのブレスレットが当選してるんですか?」
「そ、それは。。当選発表はプラズマテレビなどの当選者の発表でして。。。」
「おぉ、まだプラズマテレビの当選するチャンスがのこっているのですか!」
「えぇ…。まあ…。」
まあ、あたるわけはないでしょうけど。
ここでS浦が切り出しました。
「あの、木曽様…。別に無理にすすめてるわけじゃないので…。」
なんだ、もうギブアップかよ。どうやら僕がまったく買う気がない事に気づいたようです。M田もなんだかションボリしてきました。ではそろそろ行ってみましょう。理不尽にいきなりブチギレて見ます。説教タイムの開始です!!!
「んだとぉぉぉ!ゴルァァ!!!だれも買わないなんて言ってないだろうが!そっちから呼び出しといてとっとと帰れってのかよ。あぁ?」
さらに、視線をM田に向け、続けます。
「それとも何か?お前はいつも無理にうりつけてんのか?」
「…。」
「なあ、M田さん。自分のやってること分かってる?ローンという高額な借金を人に負わせてるんだぜ?」
「…はい。」
「君は多くの人に恨みを買ってもおかしくないんだぜ?」
「…はい。」
「M田ぁ。ぶっ殺してやる!って売りつけられたやつらは思ってるよ?」
「…はい。」
「俺が被害者なら、絶対に担当者を拉致って犯してるぞ」
「…はい。 …すみません。」
M田は驚くほど素直に聞きました。女の子に説教プレイ。これは萌えます。女子社員をいじめるセクハラ親父の気持ちが分かります。
僕の変貌振りに驚いたのもあるんでしょうけど、M田はもう目にいっぱい涙をためています。目標達成まであと少し。
ここで見かねたS浦が横槍を出しました。
「そんなにM田に詰められても…。M田、もうあなたは下がりなさい!」
これは誤算でした。あと少しのところでM田は裏に下がって行きました。
「ちょっと待てやゴルァァ!俺は今日をM田に言われたとおり丸一日空けてきたんだぜ。M田だっておれの話に最後まで付き合うのが社会人のマナーってもんだろうが!呼び戻して来い!お前が下がれや!」
「私たちはデート商法をやってるわけではありません」
誰もそんな事いってないって。もうね、なんかS浦も錯乱してて脈絡のないわけわからないこと言い出してます。そんな時ひとりの男が現れました。
「か、課長!」
神が降臨したかのごとくS浦が課長とやらにすがります。んで、わざとらしく用事を思い出し下がって行きました。
「申し訳ございません。あとは私が…」といって課長が僕の前に立ちはだかりました。
いろいろいちゃもんつけましたが、何をいっても「申し訳ございません」としか言わないのでこれ以上面白くなりそうもありません。そういう作戦のようです。
まあ部長が出るまで粘ってもよかったのですが、その前に営業妨害で警察が出てくるかも知れないので
ここで退散する事にしました。
まあJRと地下鉄の領収書を渡してしっかり往復分の交通費をもらいましたよ。
最後に店を出るときM田が見送りに来たので「お仕事がんばってね」と笑顔で声をかけましたが、もう抜け殻のようになっていて、リアクションがありませんでした。
それ以来、もうジェ●ケリーの懸賞に当選する事はありませんでした。少し前の全員プレゼントのライターすらシカトされましたからね。もう呼んでもらえないのは残念です。
ジェ●ケリーってとっても楽しいところでした。
え?財布の中のゴムですか?当然、使う機会のないまま今も財布の中で朽ち果てています。
VS ジェ●ケリー M田 THE END






