2006-02-27 16:48:44
テーマ:映画

砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード

ワーナー・ホーム・ビデオ
砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード 特別版

始まると終わりはいつも一緒にやってくる。

かけがえの無いものを失った後にやってくる新しいものは、何であるかはわからない。

それ故に、無くなったものを良きにつけ悪しきにつけ、懐かしがる。

本当に良かったのかなぁ。

実は良くなかったのかなぁ。

学生の自分を思い出してみるが、いい事ばかりとは思えないのに妙に懐かしい。

まったく、人間は思い出したくないことは思い出さないってのは確かだな。

ともあれ、懐かしいものを愛でるのは洋の東西を問わないわけで、古い陶器、古い時計、ブリキのオモチャの高額なプレミアがあるのは純粋に機能的な価値ゆえの値段ではあるまい。

みんな古いことに何かを求めるわけだ。


「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード」

名作「ワイルド・バンチ」と同時期の映画だけに同じものを期待するとかなりの肩透かしを食うだろう。

「ワイルド・バンチ」以上に西部劇への郷愁と終焉を描いている映画だ、今回は、バイオレンスは抜きで。

ポエジーなバイオレンス・シーンの「ワイルド・バンチ」も捨てがたいが、私はこちらが好みだ。

デビット・ワーナーのいかがわしい神父(信者が女性だけ)といい、コケチュッシュなヒルディ。

普通、西部劇に期待されるものが入っていないにも関わらず、この映画は西部劇として、とても魅力的。

意外といい感じで男気があるから油断できない。

銀行の頭取は、ベンチャー・キャピタルのようだが、心意気を買っているわけだしね。


本当はサム・ペキンパーもプロデューサーにここで描かれるような銀行の頭取みたいな人が欲しかったのかなぁ。


懐かしきは西部開拓という心の琴線がアメリカ人にはあるんだろうて。

決して奇麗事ではないんだけど、それだけに侵略の話でもなければ決闘でも、ましてやインディアンも出てこない、この映画は、素直に奇麗事を描けるんだろう。

「穢れ」と言われる娼婦と汚い浮浪者のケーブル・ホーグと女を口説くことが仕事のようないかがわしい神父をメインにしているのも、良識派が滑稽に見えるようにしているのも奇麗事にするには必要だろうなぁ。


娼婦を演じているステラ・スティーブンスは、「ポセイドン・アドベンチャー」でもやっぱり娼婦だったなぁ。

旦那はこれまた、強面のアーネスト・ボーグナイン、深いなぁ。


失った時代の郷愁から生み出されるものが前向きとはいえないが、美しいのは確かかもしれない。

全ての思い出は美化されるのだから。

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