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2010年06月16日

なんと15周年!!

テーマ:オルガン・即興
 仕事の後、ホイマーデン教会に行ってオルガンを練習していたら、牧師が現れて


"Herzliche Glückwünsche!" (おめでとう!)


と右手を差し出すではないか。

 えええ?誕生日でもないし、一体なんなんだろう?と思ったら


 「15年前の今日、あなたがここでオルガンを弾き始めたって教会の記録に書いてあったから。今日オルガン練習しに来るってわかってたら、花束持ってきたんだけどね~。」



 な、なんと 音譜オルガニスト15周年音譜 だったのね~。
(厳密に言うと、確か10月から定期的に弾き始めたので、6月っていうのは多分前任者の代役で弾いたんだと思うんだけどねあせる



 長かったような短かったような…だが、ピアニストの私がこの教会でオルガンを弾き始めたことで、その後の私自身の人生が全く変わってしまった…という意味では、ものすごく大きな変化のあった15年だったと言える。オルガンを習い始めて、そのうち教会音楽を勉強し始めて、ついに本業になってしまった。


 ある意味、


 石の上にも15年。


 かもしれないが、はっきり言って長い、長すぎる(爆) マイペースだからしょうがないか!?



 今までを振り返って、さぁて今後の人生どう変わるかなぁ、なんてちょっと思った練習のひとときだった。







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2010年03月22日

オルガン改装へ向けての関門突破!

テーマ:オルガン・即興
皆様、またまた大変なご無沙汰ですm(_ _)m

長いことミクシィにこもっておりましたが、そろそろ飽きてきたので(爆)、ちょっとずつ外部ブログに戻ってこようと思います。去年と違い、2010年は結構波乱万丈な年になりそう(というかもうなっている…苦笑)なので、記録として残しておくのもいいかもしれないな、と思い…^^;
もう誰も見ていないかもしれませんが、ちょっとずつまた頑張ります。


さて、早速今日の報告を。
さいちゃんの教会音楽な日々-Hausorgel

実はブログ更新をサボっている間に、ホイマーデン教会のオルガン改装に向けて、オルガンビルダーと相談したり、師匠を始めとする他のオルガニストに相談したり…とちょこまか動いていまして^^;

とりあえず、州教会シュトゥットガルト地区のオルガン・アドバイザー(←ドイツ語で"Orgelsachverständiger"というのだけれど、アドバイスするだけではなく、この人の許可なしにはオルガンに手を加えることが許されない…という、ものすごく権限のある立場の人である)のL氏と話をしないとなぁ、と思いつつ、忙しさにかまけてずるずるとここまできてしまっていた。

そうこうしているうちに、定年退職した教会音楽家で、うちの牧師の知り合いのS氏が私の代役を弾きに来て、ついでにいろいろオルガンについて牧師にアドバイスした上、さっさとオルガンビルダーとアドバイザーを交えて話し合いするアポを取ってしまったとのこと。


……私がもたもたしていたのは確かに認めるけどさぁ……



むかっ そりゃねーだろーよ! むかっ



第一、なんでてめーがしゃしゃり出て来るんだよ、S氏。
ここのオルガニストは私だぞ!



さすがに、いかなるのんびり屋の私でもS氏の暴走を止めねばならないな~と思ったのであるが(何で教会音楽家ってこう自分勝手な人が多いかねぇ…私も含め^^; ←自爆)、考えようによってはこれは大チャンスでもある。というのは、オルガンビルダーとアドバイザーが揃ったところで改装案が認められたら、あとは教会がお金を用意さえできれば改装OKということなのだ。大きな関門が突破できるこのチャンスを、利用しない手はない。
というわけで、その日3月22日の午後は私も予定を空け、その場に立ち会うことにしたのだが、ここでS氏の暴走を防ぐためにひとひねり入れないといけないな…と考え、先手を打って「ホイマーデン教会の正式なオルガニストとして」アドバイザーのL氏と電話で連絡を取った。しかも、私の大学時代の恩師の名前を使って。

私の大学時代の恩師というのは、今は定年退職しているが、元ハイデルベルク教会音大の学長…つまりは、ありとあらゆる方面にコネクションを持っている人なのだ。(そうでなければ学長にはなれない。)彼の弟子だとわかっただけで、私への応対も違う…という経験を何度もしたことがあるくらいである。L氏には、恩師がらみのパーティーで何度かお会いしたことがあったので、恩師の名前が物を言うことはほぼ間違いなかった。
元来私はひねくれ者なので、こういうコネクションを使うのが嫌で、普段は一匹狼風にわが道を行っているのだが…こういう時に虎の威を借りたとしてもバチはあたるまい。学長の弟子だったことは事実だし^^;
果たしてL氏は非常に愛想良く、改装へ向けての詳しいアドバイスを約束してくれた。そこで、私の要望は日を改めてメールで伝えた。



前置きが長くなったが、そうやって臨んだ今日のアポである。
私が15分前に到着した時には、もうオルガンビルダーが来ていて、オルガンの中に入ってなにやらやっていた。ホイマーデン教会のオルガンはシュトゥットガルト郊外にあるミュールアイゼン社 に管理をお願いしているのだが、いつも調律に来てくれる技術者のM氏の他に、社の最高責任者であるH氏が来ていた。改装の受注準備万端といったところである^^;
M氏が去年私と改装について話した旨をH氏に伝えてくれたので、私の意見を先に検討してもらうことが出来た。いくつかの要望に関しては、実現が無理だということもわかった。(例えばオルガンのもっとも古い部分は18世紀終わり頃~19世紀始め頃のものなのだが、その部分は重要文化財に匹敵する価値のあるものなので、手を加えることは許されない、等。)そんな話をしているうちに、アドバイザーのL氏が到着。挨拶をして、4人で更にいろいろ検討。
去年私がストップ増築の希望を出した時には、場所がないという理由でM氏に無理といわれていたのだが、L氏の案だと大して場所も取らずにストップ増築が可能だという。具体的な話はものすごくマニアックになるので省略するが、説明を聞いてそのアイディアに驚いた。一体構造上どうやって可能にするんだろう?と思って聞いてみたら、H氏がドンと胸を叩いて「それは僕の仕事。任せて!」 …あ、そうだよね^^; 素人の私が考えても無駄だわ(爆)
あと、どうも収まりが悪いと前からM氏に指摘されていたペダルのリード管に関しても、H氏が「リード受け」(部品)の全面交換で何とかなることを提案してくれ、それで納得した。

…そして(多分約束の時間にはかなり遅れて)S氏が登場したときには、何と我々4人はすっかり改装案を練り終えていたのである(爆) L氏が「やぁ、この間に我々はもう何がしたいのかすっかりわかっちゃったよ」とS氏に声をかけ、この間に検討したことをS氏に説明した。S氏はときどき口を挟んでいたが、いちいちL氏とH氏に「でもそれだとねぇ…」と封じられ、結局S氏がすっかり説得させられた形で終わった。S氏はひとしきり話を聞いた後、お呼びでないと思ったのか「なんかこんな風になると思ってなかったけど、ま、じゃあ僕はこれで^^;」とそそくさと帰っていった。いやはや、多少意地は悪かったが、私の作戦は大当たりである。
その後4人でコーヒーを飲みに行き、ひとしきり世間話(といってもこの顔ぶれじゃオルガンの話ばっかり!)をしたのだが、その時にL氏が笑って私に一言曰く、「S氏のことも長く知ってるからさ、ブレーキちゃんとかけといたからね(^_-)-☆ 年金生活者は暇だから、もう!」 アハハ~、私が何をしたかったかちゃんと見破られてたのね。恩に切ります。やっぱり恩師の名前を出してでも、L氏に助力を頼んだのは正解だったな(*^ ^*)

私の希望が通らなかった部分もいろいろあったけれど、とりあえずストップが増えることはとっても嬉しいし、リード管の調子がよくなることも嬉しい♪ので楽しみである。
が、次の関門は「お金」。今回の改装を実行に移すだけで、100万円は軽く超える。どうやって教会の役員会を通し、お金を用意するか…。L氏とH氏が改装を3段階に分けることで、段階的な出費になるよう提案してくれ、明日L氏がそれについて牧師に電話で話してくれることになっているが… 今のところお金に困っていないホイマーデン教会といえど、何か工夫が必要そうではある。次はその辺に頭を使わなくちゃね…。











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2009年02月06日

2つの葬儀

テーマ:オルガン・即興
 偶然が重なり、今日はお葬式奏楽のハシゴをすることとなってしまった。どちらも個人的な繋がりで頼まれた仕事である。

 1つ目の葬儀はお昼の12時から、ジーレンブッフ地区にある墓地のチャペルにて。この葬儀で演奏を頼まれたヴァイオリニストの方が、私のピアノの生徒の近所に住んでいて、生徒のお母さんから私が教会オルガニストであることを伝え聞いていたようなのだ。それで、この緊急事態に私のことを思い出して連絡を下さったのである。
 連絡を頂いたのが2日前。ヘンデルのニ短調のアリアの楽譜をもらい、それを葬儀の前奏にとのことだったのだが、当日チャペルではオーケストラも練習しており、また前の葬儀との間隔が短かったせいもあって、結局合わせは全く出来なかった。
 牧師と顔をあわせてびっくり、ついこの前の日曜日にうちの教会で説教をしたジーレンブッフ教会のB牧師だった。「亡くなった方はあなたの教会の方だったんですか?」と聞く私に、「いや、本人はカトリックなんだけれど、息子さんが僕の教会で堅信礼をしたもので、僕が葬儀をすることになったんだよ。」と説明してくれた。「あなたこそ、どうして弾くことになったの?」と聞き返され、「ヴァイオリニストが私のピアノの生徒の近所の方で、頼まれたんです」と私も説明。

 ヴァイオリンとの合わせでぶっつけ本番の前奏。チャペルのオルガンは、合計5ストップしかない、一段鍵盤の小さなパイプオルガンだ。挨拶と祈りがあり、オーケストラがJ.S.バッハのコラール"Befiehl du deine Wege"を演奏。その後聖書朗読があり、讃美歌"Von Guten Mächten still und treu umgeben"を私の伴奏で歌う。
 亡くなった方は44歳の女性で、2児の母であった。上の男の子は高校生で、その学校のオーケストラが葬儀での演奏を申し出てくれたのだそうである。シングルマザーであったこの女性は、生活保護を受けたりしながらも、上の男の子を女手一つで育ててきた。数年前に今のパートナーと知り合い、女の子も生まれて4人で家庭を築き、未来は明るいかのように見えた。が、幸せな家族を襲ったのは女性の突然の死…。全く何の兆候もなく、突然心臓発作で亡くなったのだという。
 小さな墓地のチャペルは人でいっぱいで、椅子が足りなくて立ったまま参列している人たちもおり、すすり泣きがあちこちから聞こえていた。故人がどれだけ周りの人に慕われていたかがわかるような気がした。
 B牧師の説教の聖書箇所は「詩篇23篇」。「主は我が羊飼い、私には何も足りないものがありません」という有名な箇所なのだが…私はこの牧師の選択にいささか驚いた。大切な人を突然失い、喪失感に打ちひしがれている家族・友人たちに、「足りないものがない」という箇所を示すというのはどういうことなのだろうと思ったのである。だが、牧師はその私の疑問をしっかり説教の中で取り上げ、「こんな時に一体、よき羊飼いはどこにいるのだろう?と問うのは当然だ」とした上で、こうしめくくったのである。
 「詩篇23篇は、どんな時にも前向さを失わなかった故人の、終生のモットーだったのだ。どんな困難な時にも、羊飼いが自分に必要なものを補ってくれるという確信を本能的に持っていたからこそ、彼女はいつも明るく前向きでいることが出来た。その彼女の確信を、我々も自分のものとして人生を歩んでいくことが出来るのである。」と。
 オーケストラがJ.S.バッハのコラール"Gloria sei dir gesungen"を演奏、それから友人代表の方がの挨拶。そして黙祷、祈りと続いた。参列者への連絡事項があり、最後に"Geh' aus, mein Herz, und suche Freud"を歌い、後奏と共に墓地への出棺となった。

 後奏を弾き終わって、早速手早く片づけをしている墓地の職員を横目に見ながらオルガンの鍵を返し、私も遅ればせながらチャペルから墓地の方へ足を伸ばしてみた。お墓の場所は、幸いにしてすぐにわかった。地中に下ろされた棺の上に、参列者が花を投げ入れ、最後の別れの祈りをしているところだった。お墓の横にたたずむ、小さな子どもを抱いた男性と高校生ぐらいの男の子の姿が痛々しかった。
 直接の知り合いではない私はお悔やみは記帳のみにして、ヴァイオリニストと牧師に挨拶をして墓地を後にしたのだが、正直に言って悲しい思いでいっぱいだった。

 どうして、こんなことにならなくちゃいけなかったのだろう。
 どうして、まだ44歳のこの女性が、亡くならなければいけなかったのだろう。
 どうして、この子ども達は、お母さんを失わなくてはならなかったのだろうか…。

 きっと私のこの思いは、この葬儀の参列者全てに共通したものであっただろうと思うのだ。答えのないその問いを、心にずっしりと重く感じながら、次の葬儀に向かった。


 2つ目の葬儀は15時から、デーガロッホ地区にあるミヒャエル教会で行われた。この教会はデーガロッホ地域のトップの教会音楽家、S女史の持ち教会である。この教会では前に一度、金婚式を弾いたことがある(2005年8月26日の記事 参照)。さいちゃんの教会音楽な日々-Spieltisch-Michaelsk,
 13時半すぎに到着。前日に教会に電話連絡して、練習したい旨を伝えてあったので、鍵は開けておいてくれていた。早速オルガンのところに行って準備を始める。さっきに比べて、時間的に余裕があるので気が楽だが、それにしてもどのストップを使うか決めておかねばならない。
 墓地のチャペルのミニオルガンを弾いた後、突然3段鍵盤の巨大なオルガンの前に座ると、さすがにその差をものすごく感じる。会堂の音響も、墓地の小さなチャペルと、歴史ある石造りの大きな教会とでは全く違う。慣れるのに少し時間が必要だ。
 いろいろなストップを試しているうちに、1時間近くあっという間に過ぎてしまい、牧師とこの葬儀を取り仕切っているCさんとがやってきた。亡くなった方はJohanniterという、中世の騎士団の伝統を継ぐ福祉団体の会員で、それゆえこの葬儀はJohanniterバーデン・ヴュルテンベルク地域の代表であり、文化省のお役人であるCさんが手配したのだ。私はCさんとはここ2年ぐらいの知り合いで(知り合いになった経緯は長くなるので割愛…^^;)、Cさんから直接お電話を頂いて、私が今日の奏楽をやらせていただくことになったのである。
 この葬儀はデーガロッホ地区の牧師であるM牧師が典礼を担当、Johanniterの会員である引退牧師、S牧師が説教を担当するという形で行われた。墓地のチャペルで行われる葬儀よりも、はるかに普段の礼拝に近い典礼になっている。打ち合わせをしてみたら、1つだけ事前に聞いていたのと違うところがあった。礼拝の中で3人の方が挨拶をするのだが、その合間合間に1曲ずつ、何か静かな曲を入れて欲しいというのだ。(事前に聞いていたのは、3人の挨拶が終わった後1曲だけ何か演奏。)「……即興してもいいですか?」と牧師に聞いたら、「即興、いいねぇ~」という即答だったもので、予定外の即興演奏決定になってしまった。

 前奏にメンデルスゾーンの「アンダンテニ長調」を、短くして演奏。挨拶があり、詩篇交読は奇遇にも詩篇23篇。そして、祈りの後、聖書朗読はヨハネ福音書10章12-16節の「私はよい羊飼いである」の箇所である。
 讃美歌66番"Jesus ist kommen"の1,2,4節を歌い、そして説教。テーマはもちろん前の葬儀と同じなのだが、説教のニュアンスはだいぶ違っていた。亡くなった女性は戦前生まれで、87歳だった。2つの戦争、そして戦後の大変な時期を乗り越え、Johanniterや乗馬協会の会員として活発に活動し、長寿を全うした故人をずっと導いた「よき羊飼い」。S牧師も、我々の世界は「足りないもの」に目を留めればキリがないことを認めながらも、しかし「与えられているもの」に視点をずらせば、必要なものは十分与えられているのだと強調していた。
 説教の後に讃美歌66番5節を歌い、それから故人との交流があった3人の挨拶。急に「そうだ、今日歌わないけれどみんな知っている、お葬式の讃美歌のメロディーを使って即興しよう」と思いついたものの、1人目の挨拶があまりにも短くて、讃美歌集を開くのが間に合わず、1曲目は自分でその場で作ったメロディーを展開させる形で即興することになってしまった。2曲目・3曲目は讃美歌のメロディーを使用。一応、それなりにまとまったとは思う。
 とりなしの祈りと主の祈りがあって、最後の讃美歌は331番"Großer Gott, wir loben dich"の1節と11節。そして祝祷・アーメン唱と続き、後奏にはメンデルスゾーンの6番ソナタの終楽章を弾いた。
 この葬儀は1つめの葬儀とは違い、時間があって入念に準備されたものだったので、全体的に落ち着いた葬儀になったと思う。


 2つ目のお葬式を終えてもなお、私の心の中では1つ目のお葬式の時の思いがずっしりと重かった。ただ、1つだけはっきり感じたことは、「これこそが私達教会音楽家の仕事なのだ」ということである。
 人生の様々な局面で、音楽をもって人々と共に歩むこと。喜ぶ人と共に喜び、悲しむ人と悲しみを共にすること。やりきれない思いや割り切れない不条理さ…それを共に分かち合いながら、音楽をもって人々の側にいること。それを黙々と行うことが我々の仕事であり、それ以上でもそれ以下でもあってはならないのだ。
 コンサート活動をする演奏家などとは全く違う、地味な仕事…。時には全く日の当たらない仕事ですらある。でも、人間の存在をありのまま見つめ、その側にいることの出来る仕事であることは間違いない。

 そして、それと関連して、「キリスト教の信仰とは何なのか」ということも考えさせられた。
 詩篇23篇の言葉を語る時、「救われた者」の立場から「上から目線の語り方」、つまりまるで自分がもう天国にいて下界の人間を引っ張り上げようとするような語り方も出来る。だが、今日の2人の牧師の説教と、そこに共通する「信仰」を考えると、やはりそうであってはならないのだと強く感じた。
 我々はキリスト者であろうとなかろうと、あくまでも苦しみ・悲しみ・不条理のあふれかえる世界に住む「下界の人間」なのだ。周りの人たちと共に悲しみ・苦しみを分かち合いながら、静かに羊飼いの導きを待ち望み、目を上げる…。その「下から上に向かう目線」こそが、周りの人々に希望を与える「信仰」なのだと思う。
 全く異なる人生を送った2人の女性の葬儀を通して、そんなことに思いをめぐらせた1日だった。









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2009年01月23日

オルガンシューズ

テーマ:オルガン・即興
 朝からどんよりした、嫌な天気。私の血圧も一向に上がってこないので、仕事に出かけるのが一仕事(!)という感じ。
 仕事が終わったらオルガンの練習をしようと思って、いつものかばんの他に巾着袋に入れたオルガンシューズを提げて出かけ……



 どこかに忘れてきてしまった_| ̄|○



 ピアノの生徒の家に行くのに、電車→バス→電車と乗り継いで、降りた後で手に持っていないことに気づいたのである_ _;
 不注意が服着て歩いているような、忘れ物が特技の私だから、かばんの他に物を持ち歩く時は要注意なのだけど…それにしても商売道具を忘れるなんて。モノが特殊な靴だけに、落し物センターに届きそうな気もするが、失くした今日が金曜日だから、取りに行けるのは早くて月曜日だし、出てくる保証はない。
 出張レッスンの道すがら、くよくよ考えもしたのだが、最後のレッスンが終わる頃には頭が切り替わっていた。



 この際、セカンドシューズを作ろう♪



 何せ、よその教会で弾く時にうっかり靴を忘れて行ったりする上、持ち歩くとこの通りどこかに忘れる可能性が高い私。メインのホイマーデン教会に置いておく靴と、家にもう一足持っていた方がいいと思っていたものの、緊急を要していないせいもあってなかなか腰が上がらなかった。今がセカンドシューズを作る絶好のチャンスである。
 …というわけで、仕事の後街に繰り出すことに。私の懐具合に合う靴屋さんとなると、やはりDeichmann かな…ということで、店に直行。

 これだけオルガン人口の多いドイツなのに、専用の「オルガンシューズ」という製品はない。日本はオルガン人口が少ないにもかかわらず、銀座ヨシノヤ なんかがちゃんと専用シューズを作っているのに…。厚手のソックスを履いて弾く人もいれば、ダンスシューズを代用する人あり、革底の靴を買って使う人あり、とドイツのオルガニストの足元は多種多様である。オルガンシューズを商品化して、一儲けを企む輩はこの国にはいなかったのだろうか?ある意味、非常に不思議ではある^^;
 そんなわけで、Deichmannで私が買うのは何のことはない普通の靴で、その靴に後で手を加えてもらうことになる。だが、「普通の靴」といっても、いくつかの条件がある。

 1.自分の足に合った靴。紐靴が望ましいが、足にぴったり合っていて脱げて来ないなら大丈夫。
 2.少しかかとのある方が弾きやすいが、高すぎてもダメ。また、かかとでも鍵盤を弾くため、ピンヒール系は×。
 3.つま先は近頃流行(?)の先の尖ったのは×。角ばっているのは程度による。
 4.靴底のはりかえが可能であること。
 5.色は出来るだけ黒。

 普通に自分の足に合った靴を探すのだって難しいのに、近頃の流行のせいもあって、オルガンシューズとしての全ての条件を満たした靴はなかなか見つからない。Deichmannではちょうど靴の半額セールをやっていたのだが、そのコーナーの靴は一瞥しただけで全滅とわかった。仕方ないので値引きなしの普通のコーナーへ。
 まずは一足、とてもいい型の紐靴を見つけた。足にもぴったりなのだが、色がヘンな感じの茶色である。これで黒なら即買いなのに…。仕事で黒いスーツを着ることが多いため、この茶色では合わない。
 他のコーナーで、かかとがあって底をはりかえられそうな黒い靴を片っ端から試してみる。私の足のサイズはドイツの37と38の中間ぐらい(日本の24.0~24.5cm)。ドイツでは普通のサイズなので、それだけはありがたい。
 途中で、普段用にとても履き心地のいい靴を見つけてしまった。かかとがないのでオルガンには向かないのだが、普段履きも買い換えようと思っていたので先に決めてしまう。それにしてもオルガン用の方がなかなか見つからない。形が良くてもかかとがなかったり、かかとがあっても底のはりかえの出来ないタイプだったり、形もかかともバッチリなのに足に合わなかったり…_ _;
さいちゃんの教会音楽な日々-Orgelschuhe1
 最終的にこの靴に決めたのだが、選ぶのに結局1時間以上もかかってしまった。紐靴ではないが、足にはぴったりで脱げてはこないので大丈夫だろうと判断したのだ。適度にかかともあり、つま先も丸い普通の形で、条件は全て満たしている。値段も39,90ユーロで、そこまでお高いものではない。
 さて、もう夜7時半になっていたので、買った靴を持って大急ぎで駅前のMISTER MINIT へ。日本にもあるからご存知かと思うが、靴やかばんの修理、合鍵作りなどを専門にしている店だ。
 扉を開けたら、いかにも職人気質なおじさんが後片付けをしているのが目に入った。8時閉店なのだ。買ったばかりの靴を取り出して、台の上に並べる。
 「こんばんは。あの、特別なお願いがあるんですけど」
 ほう、という顔でこちらを見るおじさん。「この靴の底を、かかとも全て革にはりかえて欲しいんです。」
 「ふむ、それは出来るけど、何に使うの?」
 「私オルガン弾きなんですけど、足鍵盤を弾くのに底の滑りやすい靴が必要なんですよ。」
 「なるほど。でも、革は明るい色なのに、黒い靴の底には合わないんじゃない?」
 「(おじさん妙におしゃれだなーと思いつつ)それは仕方ないですよ^^;」
 「わかった。こことここ(指で指しながら)に革をはるのね。いつ引き取りに来る?明日?」
 「明日までに出来ます?」
 「うん、午後には引き取れるようにしておくよ。それと、35ユーロほどかかるけどいい?」
 「もちろんです。」
 合計約75ユーロ。銀座ヨシノヤのオルガンシューズが約2万6千円だそうだから、大変安上がり。^^;
 あとはおじさんの腕前を拝見させていただくとしよう。

 …というわけで、思いがけずセカンドシューズを作る羽目となってしまったわけだが、確かオルガンシューズを作るのは6年ぶりなので良しとしようと思う。これで、なくなった方の靴も無事出てきてくれれば万々歳なのだが…。










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2008年10月27日

のんびりとレッスン^^;

テーマ:オルガン・即興
 最近ミクシィに気を取られて、夏休み以降放置していたこのブログですが、またぼちぼち書いていきます。懲りずにお付き合い下さったら嬉しいですm(_ _)m


 今日は久々のオルガンレッスン。夏休み前に行ったきり、私の里帰りと先生の休暇でずっと休みだったのだ。

 教会で少し練習してからレッスンへ行こうと思ったら、バスが道路工事による迂回に引っかかって遅れ、接続の電車を逃してしまった。このままだと10分遅れて着いてしまうので、先生に電話してみたら…

先生 「ハロー。…あっ!!うわーっ、しまった、ごめん、忘れてた!!今、教会にいるのか?」と大慌て。

私 「…いや、あの…電車を逃して、10分遅れるって言おうとしてたんだけど…(汗)」

先生 「ん?レッスン何時だっけ?」

私 「15時…。(この時、時刻は14時45分)」

先生 「そうか!よかった。君が10分遅れならむしろちょうどいい。んじゃ、後ほど!」

私 「はい、後ほど~!」

…せんせー、たまにしか来ない不肖の弟子のレッスンぐらい覚えててくださいよ……(汗)
(後で聞いたところによると、私のレッスンは手帳の間違った週に書き込んであったそうで汗


 こーゆーやり取りをしたからには、15時10分に教会で落ち合ってレッスン出来そうなものなのだが、私は15時10分に着き、先生は家を出る直前に電話でつかまったとかで「ごめん~」と言いつつ15時20分に来た。いつも通りである(苦笑)

 そうそう、初めてオルガンレッスン記録を読む方のために断っておくが、私はこの先生とはドイツ語で言う"duzen"の関係、つまりお互いをファーストネームで呼び合い、敬語を使わない親しい関係である。別に年が近いわけでもないのだが、これは先生の方針(?)で、最初にレッスンを受けた10年前からそうなのだ。長い付き合いでもあるし、最近とみに日本の師弟関係では考えられないようなお気楽(?)な関係になってきている。



 さて、この不肖の弟子はよりによって先週始めたばかりの、メンデルスゾーンの前奏曲とフーガハ短調の、前奏曲の方をレッスンに持参。というのも…

私 「金曜日に金管アンサンブルが宗教改革記念日のコンサートをするんだけど、そこで何か1曲弾かなくちゃいけないのね。で、この曲弾こうと思って先週から始めたんだけど、間に合わないんじゃないかと危惧しているところ。」

先生 「なるほど。金曜日っていったらすぐじゃないか。どれどれ」

というわけで、まず一通り弾いてみたのだが…

先生 「今まだゆっくり弾いてるんだと思うけど、この曲のテンポってどれくらいだと思う?」

私 「今まだ弾けないけど、これくらい」 (と最初だけ弾いてみせる)

先生 「うん、alla breveで考えてるわけね。了解!実際、この曲はalla breveなのさ。」

 ほぉ。表記はCになってるんだけど。先生と意見が合ったぞ(笑)
 (※ 音楽に詳しくない方には申し訳ないのだけれど、alla breveについての説明は、長くなるので省略させてくださいm(_ _)m 要するに、拍の取り方の感覚だと理解してくださればそれでOKです。)

 で、この曲長く弾いてないなぁ…とか言いながら、先生が最初の部分を弾き始めたのだが、とにかく


速ぇぇぇー!!


 先生のテンポはすごく速いような予感がしていたのだが、拍感もこれじゃalla breveじゃなくて、alla longaeじゃあるまいか?(笑) ←注:そんな概念はない。


先生 「ハイ、弾いてみて。……あー、そんなゆっくりでなくて!危険は冒すからこそ面白いのだよ(笑)」


 いや、ですからまだ指が回らないんですけど…と思いつつ、言われた勢いで弾き始めたら1ページ目の終わりであえなく崩壊したが、当の先生は気にしている様子全くなし(爆)


先生 「そう、そこはペダルを聴いて!ペダル主導でどんどん先へ持っていく。……こういう盛り上がるところはどんどん前へいくんだ!バロックとは違うのだよ」


 毎度のことながら、もー煽る煽る(笑) さしずめ、川を泳いで渡るかどうか岸辺で迷っている私の背中をどんと押して落っことして、ホラ泳げー!って声援を送ってるみたいであるあせる
 だからといって、テクニック的なことを注意しないかというとそういうわけでもない。8分音符を弾く時の手の使い方がバロック奏法になってしまっている、と指摘して、違いをやって見せてくれた。私は元々がピアノ弾きなので、オルガンを弾く時にはピアノとの違いに気をつけてやってきたつもりなのだけれど、どうも私の理解している「違い」は必ずしも正しくないらしい。今回先生が見せてくれた8分音符の奏法は、むしろピアノの弾き方にずっと近いもので、確かにその方が音楽の流れがスムーズになる。この辺のテクニック、どう使い分けるかは私の課題だな…。


 私が一通り弾き終わった後、また先生が「うわ、ここ弾けない!」とか言いつつ一通り弾いてくれたのだが、半分初見状態で音なんか全然合ってないにもかかわらず、先生の場合音楽の流れが明確なのだ。で、曰く

「音なんか間違ったっていいんだ!それで世界が終わるわけじゃない。それより、音楽の流れを最初から練習に組み入れるんだ。その方が、結果的に身体が動きを覚えるのも速くなるのだよ。」

 うーむ…。
 間違ったっていいといっても限度はあると思うが、細かいことにこだわりすぎて大局を見失っている、という先生の指摘はさすがに鋭い…と思った。私の悪い癖なのを、先生もちゃんと知ってるわけで(苦笑)
 あと、学校やコンクールでいい点数をとるための演奏と、聴衆の心に届く演奏とは違う…ってことを言いたいんだろうな、とも思う。いつまでたっても型にはまったやり方で曲に取り組んでしまう私を、早いところ自由にさせたいんだろうなぁ…^^;


 …で、音は全然合ってないのに音楽的な先生の演奏を聴いているうちに、この曲金曜日に弾くのや~めた、って気分になってきた(爆)
 この調子で必死に練習すれば音は弾けるようになると思うけれど、音楽的に十分なところまで煮詰められないと思うし、その状態で弾いても不満が残るだけだし。

先生 「10月31日ってあと4日しかないねぇ。」

私 「これ弾くの、やっぱり危険だよねぇ。」

先生 「うーん、そうだなぁ。でも、君が決めることだからね。」 ←絶対ああしろこうしろと言わない^^;

私 「やめてカール・フィリップ(大バッハの息子)のソナタ弾こうかなとも考えてるんだけど。」

先生 「ああ。メンデルスゾーンってプログラムに書いてあって、カール・フィリップ弾いても誰にもバレないよ、多分。」

……さすがにそれはないのではないか、先生よ(爆)

私 「大丈夫、プログラム作るのこれからだから。」

先生 「いやぁ、メンデルスゾーンだって1日8時間練習すれば間に合うんじゃないか?日本人なら出来るだろ?(とニヤリ)」

私 「……他に仕事がなければね……」

先生 「そうだなぁ。それに君はもう半分日本人じゃないもんなぁ。アッハッハ」


どういう意味だよ、それはっ…ビックリマーク

……本日も口の悪さは絶好調の我が師匠であった……(爆)



 ところで、我が師匠は好き嫌いも結構激しい。

先生 「この曲、メンデルスゾーンの中では数少ない、僕の気に入っている曲なんだよね。」

私 「へぇ~。でも、前奏曲の方だけで、フーガは嫌いなんでしょ?」

先生 「当然!!」

 てな具合である(爆) 私の知っている限り、ロマン派のフーガと8分の6拍子は嫌いなのだ。嫌いな曲を持っていくと、曲を罵倒しながらレッスンしてくれる。(一応それでもちゃんとみてくれるところがミソ^^)


 ちなみに時間が余ったので、10月19日のコンサートですでに演奏済みのモーツァルトの教会ソナタハ長調もみてもらったのだが、こちらは私のテンポが速すぎるというご意見であった。

「それだと、速いだけできれいじゃなくない??」

 一理あるような気もするけど…先生のテンポ設定はたまによく理解できない時がある^^;
 自作のカデンツァも披露したら、「いいじゃない、バッチリ当時の様式にはまってるよ」の一言で終わってしまった。でも、何となく…先生なら、もうちょっと胡椒のきいたひとひねりならぬ、胡椒を粒ごとぶち込んだひとひねりを入れてカデンツァ作りそうな気がするんですけど(爆) 今度模範カデンツァ作ってもらおうかなぁ^^;


 ともかく、今日も過激で楽しいレッスンであった(笑) にしてもこの不肖の弟子はもうちょっと練習しないとねぇ…。10月はコンサート続きで忙しかったけれど、11月はこれといった本番もないので、ちゃんと時間を取ってまじめに練習したいものだ。









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