2006年06月24日

コンサートへ偵察に

テーマ:演奏会批評

 ワールドカップ・決勝トーナメントの第1戦、ドイツ対スウェーデン開催の日。だが、試合結果を見届られないまま、電車に乗って出かけた。夜7時半からの、オーケストラのコンサートを聴くためである。

 演奏するのは、メーリンゲンオーケストラ協会。地域に密着した形で活動を行っている、アマチュアのオケである。普段ならわざわざ聴きに行かないのだろうが、今回は何せ偵察である。3週間後には自分が振るオケなのだから、是が非でも聴いておかねばならない。


 会場はメーリンゲンの外れにある、大きな企業の建物の中庭だった。中庭といっても、ガラスで覆われていて、一応屋内である。Zueblin-Haus地域の人たちにとっては、サッカーの試合後家を出てくればちょうどいいぐらいの時間に開演、とあって、結構人が入っていてびっくりだった。もちろん、入場無料ということもあるだろう。

 夏のこの時期は、夜10時過ぎても明るいので、照明のいらない中庭のコンサートはとてもいい雰囲気だ。企業が地域のオーケストラに、こういうスペースを(たぶん無料で)提供するというのもドイツならではである。


 プログラムはオール・モーツァルト。10代の頃の作品(オペラの序曲やシンフォニー)が主だったが、前半のメインに「フルートとハープのための協奏曲KV299」が入っていた。もちろんソリストには、プロを呼んできている。

 メーリンゲンオーケストラ協会は弦楽器のみのオーケストラと聞いていたが、今回のプログラムには木管楽器も必要である。何人か、エキストラを呼んできているのだろう。

 もちろんかなり集中して練習したのであろうが、思ったより上手い。もちろん、微妙に音がそろっていなかったりという問題はあるが、音程もそう悪くないので、ちょっと安心した。


 職業柄、ついつい指揮者に目が行く。指揮者はがっしりした体格のロシア系の大男で、彼に代わって私が指揮台に立ったらかなり貧弱に見えそうだな_ _; と思ってしまった。だが、指揮そのものは特別にテクニックがあるという感じには見えなかった。彼もプロではないのだから、その辺は当然といえば当然なのだが、ただ非常に拍がはっきりしている。私も気をつけてしっかり拍を振らないと、と肝に銘じた。実は、合唱指揮は厳密に拍をはっきりさせなくても、手で表情を出せば通用することが多いので、ついついその調子でオーケストラを振って「拍がわからない」という苦情に悩まされる同業者が多いのだ。

 フルートとハープのための協奏曲のソリストも、なかなか息が合っていていい感じだった。テンポがゆっくりめだな、と感じただが、これはそういう解釈による演奏だったのか、それともオケがついてこれなかったので妥協テンポになったのだろうか?指揮者と二人のソリストがきっちりと合わせて演奏している感じで、それがうまく調和していてよかったように思う。


 かなり長い休憩が入って、後半はシンフォニー29番(KV201)1曲のみ。いい感じにまとめてあったが、コンサート全体を通して残念だったことが1つだけ…。サッカーでドイツが勝ったため、クラクションを鳴らしながら走る騒がしい車がしょっちゅう通りかかって、演奏の邪魔をしてくれたことだ。曲がモーツァルトのせいもあって、余計にうるさく感じられた。外の音をシャットアウトできるようなホールならいいのだろうが、やっぱり試合の日に中庭でのコンサートは避けないとね…_ _;


 終わった後で、オケのまとめ役Bさんに挨拶に行ったら、その場で指揮者のJ氏に紹介してくれた。3週間後のコンサートでは、J氏はコンサートマスターをやってくれるのだそうだ。普段の指揮者がオケにのっているというのもなんだか余計な緊張を強いられそうだが、私はオケのメンバーを全く知らないわけだから、かえっていいのかもしれない。

 にこやかに軽い挨拶を交わして、会場を後にした。さあて、3週間後はどうなるかなぁ…。

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2006年06月14日

ほんのり感動。

テーマ:合唱

 今日は空港合唱団の練習日。5月31日の礼拝での本番が終わって、初めての練習日だったので、正直言って気が重かった。本番は決して満足のできる状態ではなかったのだ。これから一体、この人数の少ない合唱団をどうやって指導していくかが、このところの悩みの種になっていた。


 空港に着いてみたら、ソプラノのHさんが新聞記事のコピーを用意して待っていた。「見て、この前の礼拝の時の記事。」 なんと6月12日付のStuttgarter Nachrichten(大手の地方紙)に、歌っている団員の写真入り記事が載ったのだ。オリジナルはカラー写真だったというから、これはまた派手な記事を上げてくれたものである。道理で昨日、何人かの人に「空港合唱団の記事、見たわよ」と言われたわけだ(汗)

 さらにその新聞記事を見て、新しく歌いにきた方が。ルフトハンザ関連の仕事をしているKさんという男性である。男声パートが増えてくれたことは本当にありがたい。他にも何名か連絡があったとのことで、人数が増える可能性があり、嬉しい限りである。


 とはいっても病欠の人がいたりして、今日集まったのは5人。練習を始める段になって、突然Hさんが大きなチョコレートの箱をすっと出し、私の目の前に差し出した。……え?私?@_@

 「この前の礼拝での本番が上手くいき、こんな風に記事にもなりました。これは指揮者のあなたなしには考えられないことです。みんなからの感謝を受け取ってください。」

 全員、にこにこしてこっちを見ている。驚きと同時に、ほんのりと暖かい気持ちになった。本当に嬉しかった。
 …そして、気がついたのである。みんながいるんだ、ということに。

 Merci

  指揮者というポジションなこともあって、何とかしなくちゃと一人で焦り過ぎていた。そうじゃなくて、みんなで一緒に先へ進むんだ、とこの一箱のチョコレートが語っているような気がした。例えレベルは高くなくても、人数は少なくても、こんな暖かい人達と一緒に音楽ができることは、それだけで幸せなことである。いや…むしろ、それこそが本当の幸せなのかもしれない。


 空港へ向かう道中の気の重さはどこへやら、すっかり気持ちよく練習をすることができた。7月の練習日もみんなで決めた。来週は病欠の人がまた来るだろうし、新しい人も増えて、せめて3声で練習ができたらいいなぁ~^^;


←家に帰ってきてすぐに撮影。大きなチョコレートでしょう?椅子の大きさと比較してみて下さい。



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