東京湾調査2016年

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2016年の東京湾調査の速報値です。

 

2016年4月から2016年12月までに捕獲測定された魚介類の放射線量と、干潟の土壌についての測定値となっています。

 

2016年は6月に調査ボートを進水で来たおかげて、

非常に広範囲且つ充実した調査をすことが可能となりました。

また、今年から新に東京湾奥の干潟の土壌調査も開始しています。

幸いなことに、2016年4月から12月までの魚介類調査では、

放射性セシウムの検出はありませんでした。

 

測定については、魚介類は高木仁三郎記念調布市民放射能測定室さん、

土壌についてはNPO法人市民放射能監視センターちくりん舎さんにお願いしました。

 

NPO法人R.I.Laでは、2017年も東京湾の調査を継続して行きます。

 

 

 

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こんにちは。

 

2016年もあと数時間になりました。

今年のNPO法人R.I.Laの活動報告として、多摩川調査プロジェクトのリネン布による多摩川の本流並びに水再処理センター排水口の流水内の放射性核種調査の結果をお知らせしたいと思います。

 

このプロジェクトはたまあじさいの会の皆さんと共同で実施しているプロジェクトで、

多摩川の水の中に41cm幅 x 155cmのリネン布を3日間浸漬して

その後乾燥させたものをNPO法人市民放射能監視センターちくりん舎さんのゲルマニウム半導体測定器で測定した結果になります。

 

従いまして単位はBq/kgですが、重さは空くまでもリネン布の重さとなり、

水1kg当りの放射性核種の含有量とは異なります。

あくまでも相対的な数値として捉えて頂きたいと思います。

現在では夏と冬の年二回、最上流の一之瀬渓谷から、河口の干潟まで定点観測を実施しています。

 

では、測定結果です。

水再処理センターのある中流域だけでなく、

玉川上水取水口のある羽村の堰より上流部でも、水質内から放射性セシウムが検出されています。

 

調査は全て同じ日の同じ時間に浸漬を開始し、回収を行っていますが、

川ですから、当然上流と下流とでは流れている水が異なります。

従いましてあくまでも相対的な結果として捉えて頂いた方がよいと思います。

 

この調査は2017年も継続して実施する予定です。

 

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こんにちは。

 

大分寒くなってきました。

NPO法人R.I.Laでは、今年度多摩川の調査の一環として、

多摩川に生息する魚の代表としての鯉を検体に指定し、

私共の活動する中流域(昭島市拝島橋→日野市浅川合流地点付近)で鯉を捕獲して、

その筋肉の部分を採取して放射性核種としての放射性セシウムの含有量の調査を実施してきました。

 

多摩川の鯉です。

この個体は雌の鯉で、体調は約80cm程度。

丸々と太った個体ですね。

この個体は多摩大橋下流の八王子水再処理センター排水口合流点付近で釣れたものです。

多摩川中流域で採取される鯉の個体は、大体50cm位から80cm位の大きさの個体が良く餌を追います。

この個体で5年以上は生きていると思われます。

 

私達は多摩川中流域での福島第一原発事故由来の放射性核種による放射能汚染は、

主に雨水によってもたらされていると考えています。

その為に2014年度から河川への雨水の流入と放射能汚染との関係性について調査を続けてきました。

中流域における雨水の河川への流入については、次の3つのルートが想定できます。

1、直接雨水が多摩川の河川に降り注ぐ場合。

2、河岸段丘を下って市街地に降り注いだ雨水が河川敷に流入する場合。

3、支流や水再処理センターを通じて市街地の雨水が河川内に流入する場合。

1に関しては、河川敷の土壌の放射性核種の含有量を調査すれば判明します。

従前からの調査によって、多摩川の河川敷の土壌については、近辺の市街地の土壌と同等程度、ということが判明しています。

2については、橋や土手など、市街地の雨水が流入しやすい場所の流入点がホットスポットを形成していることが判明しています。これは市街地の放射性セシウムを洗い流した雨水が集中して流入したためであると考えられます。この現象も市街地でもよく見られる状況程度でした。

 

問題は3の場合ですね。

多摩川に合流する中小の河川では、市街地の雨水の受け皿となっている場合が多く、その流入口の付近は強度のホットスポットを形成している場合が多く見られます。

更に水再処理センターの排水については、やはり雨水の影響が強くでると考えられます。

以前の汚れた多摩川が綺麗になったのは、水再処理センターによって生活排水や産業排水が浄化されたお陰であることは間違いないと思いますが、

現在、この排水口付近で採取された鯉から今だに放射性セシウムの検出があることもまた事実なのです。

 

これまでの鯉の調査結果です。

八王子水再処理センター排水口

Cs137

Cs134

6.61

2.58

0.77

1.04

同上

八高線高架下下流

Cs137

Cs134

1.12

検出下限以下

0.86

1.10

同上

日野水再処理センター排水口前

Cs137

Cs134

検出下限以下

検出下限以下

0.99

1.12

同上

八王子水再処理センター排水合流点

Cs137

Cs134

0.98

検出下限以下

0.89

0.99

同上

多摩川上流水再処理センター合流上流

Cs137

Cs134

検出下限以下

検出下限以下

0.85

0.95

同上

立川錦町下水処理センター排水口合流点

Cs137

Cs134

1.86

検出下限以下

1.15

1.09

表の上の段がCs137、下の段がCs134となります。

共に測定はNPO法人市民放射能監視センターちくりん舎さんと、

福生のオーロラさんにお願いしています。

 

八王子水再処理センター排水口合流点です。

上の写真がここで採取した鯉になります。

 

日野水再主りセンター排水口合流点です。

ここの特徴は一度排水が根川という支流と合流してから多摩川に合流するこという点です。

根川もそれなりに水量のある河川なので、ある程度排水が薄まった状態で多摩川に合流しています。

この場所で捕獲された鯉です。体長は50cm程度でしょうか。

 

立川錦町汚水処理センター排水口です。このすぐ上流では支流である残堀川が合流しています。

ここで捕獲された鯉です。体長は約80cmの雄です。このサイズになると強烈に引きます。

かけてから大体5分ほど格闘することになります。

 

採取した鯉は現場で解体されます。

新聞などのごみは当然すべて持ち帰りますが、

検体の内臓などは、解体している最中から周囲で鳥たちが解体時のにおいにひかれて待機していますので、彼らのごはんとして現場の残してきています。

我々が立ち去ると、一斉に鯉の残かいをついばみます。

ちょっと残酷が気もしますが、持ち帰っても生ごみで捨てることなってしまうので、

鳥たちのごはんとなるのだったら、と現場においていくことにしています。

 

この水再処理センターを通過することによる放射性セシウムの動きに関するメカニズムについては、私達なりの仮説があります。

これは東京湾奥の海底土壌の状況にも通じる内容なのですが、

市街地の雨水で洗浄された放射性セシウムが全部水再処理センターの排水口から多摩川に流入しているとしたら、その汚染の規模が少なすぎる気がしています。

途中で放射性セシウムが除去されるメカニズムが働いていると想定できるのです。

この件は長くなるので、次の報告としますが、

ひょっとすると水再処理センターの中では、汚染土壌が溜まってしまって大変なことになっているかもしれません。

 

まずは2016年度の多摩川中流域の鯉に関するご報告でした。

 

 

 

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東京湾奥の干潟の土壌

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こんにちは。

 

先日ハゼの捕獲と共に実施した江戸川放水路の干潟土壌の放射性核種の測定結果が出ました。

 

 測定結果をご連絡する前に、私達R.I.Laが仮説として想定している東京湾奥の海底土壌の状況について説明したいと思います。私達が想定している東京湾奥の状況は次の通りです。

 この仮説は海底土壌の汚染の状況の割にはその場所に生息する魚介類への放射性核種の移行が少ないこと、干潟の土壌を掘り下げると必ずと言ってよいほど嫌気性のヘドロの層に到達すること。河口付近の海底にはその表面に必ず流砂が存在すること。夏場に北風が吹くと起こる青潮は、流砂を浚渫をしている航路の周辺から起こることなどから推測されるものです。

 

■仮説1

東京湾奥の大規模河川河口域における放射性核種、特に放射性セシウムによる汚染に関しては、生体の生息する溶存酸素を含む流砂の層には放射性セシウムは定着しておらず、その下に堆積する嫌気性のゼオライトを含む汚泥の層(ヘドロ)に放射性セシウムは堆積しているのではないか?

■上記より導きだされる仮説2

仮説1より、東京湾奥の生息する魚介類は直接放射性セシウムにより汚染される機会が少ない状況で生息しており、その結果海底土壌が放射性核種により汚染が進んでいても、魚介類に放射性核種が接触することが少ない状況となっているのではないか? また浚渫作業などによって流砂が除去された箇所については、海底付近は貧酸素状態になっており、魚介類が生息できない環境となっているのではないか?

■上記より導き出される仮説3

更に放射性核種を定着させているゼオライトを含む汚泥の層には、嫌気性菌である光合成細菌などが大量に発生しており、放射性セシウムはこれら光合成細菌などの細菌類により、カリウムとの錯誤により菌類の体内に取り込まれることで、好気性の流砂の層に再度流出することが防がれているのではないか?

 

というものです。

実際には河口の海底の土壌については、採取することがかなり難しいので、

河口の海底に近いと思われる通常の潮回りでは水面下にあり、場所も河口付近に存在する干潟の土壌を調査して、本当に上記仮説の様に表土よりもその下に存在する嫌気性のヘドロの部分の方が放射性セシウムの含有量が多くでるのがどうかまず見てみたい、

ということで、今季より本格的な調査の前のフィジビリティ・スタディとして、

比較的簡単に上陸することが可能な干潟から、まず土壌を採取してみよう、ということになりました。

 

まず多摩川の河口干潟です。

場所は六郷橋の下流の川崎市側。

広大な干潟が広がっており、その多くは葦が群生しています。

今回はこの葦の間の土壌を採取したのですが、これがちょっと予想と異なりました。

深く掘り進んでみても、嫌気性のヘドロにたどり着かないのです。
おそらくは葦の群生により、ヘドロが浄化されてしまったか。

まずは、標準化した深度の表土と表土から15cmの深さで土壌を採取しました。

 

次に江戸川放水路です。

江戸川放水路は一見川の様ですが、まったくの塩水の水路です。
通常は淡水は全く流入してきません。

従って潮の満ち引きに忠実に干潟が現れます。

丁度この橋の下の部分。

この写真は満潮時のものです。干潮時にはセンターの杭の下の部分まで潮が引きます。

今回は多摩川河口と同様に表土と表土から15cmの深度で土壌を採取しました。

こちらの干潟では、15cmの深度でもかなり嫌気性に近い状況が見られました。

所謂ドブのにおいというか、ヘドロ臭がかなり強い土壌が出てきました。

 

測定結果です。

多摩川河口干潟が、表土がCs137が8.1Bq/kg、深度15cmが9.1Bq/kg、

Cs134は共に不検出。

江戸川放水路干潟が、表土でCs137で4.6Bq/kg、深度15cmで15Bq/kg、

Cs134が表土が不検出で、深度15cmは2.4Bq/kg。

 

どちらも仮説通りの結果となりました。

そしてやはり嫌気性のヘドロ部分が多く含まれるほど、放射性セシウムの量が多くなるという結果がでました。

 

但しまだまだ予備調査の段階。測定箇所もたった二か所ですし、

この先他の干潟や同じ干潟でもより河口に近い場所、更には沖合に存在する干潟ではどのような数値になるか測定を重ねてみないとわかりませんね。

でも、検体を採取していると、なんとなく状況が推測できるものです。
今の状況だと、仮説が正しい感じがしています。
 

今月中には、江戸川放水路の沖合に位置する三番瀬干潟にボートで上陸をする予定でいます。

こちらはまず操船のトレーニング。干潟にボートで近づくのは実は非常に危険な行為なのです。常に座礁と乗り上げ事故と背中合わせの操船になります。

更にこの時期は、干潟の周りには海苔ひびが立始めます。先日も富津の岬付近で乗り上げ事故があったとマリーナで注意喚起がありました。
まずは慎重に。安全第一で。

 

9月16日の金曜日に江戸川放水路のハゼの捕獲に行ってきました。


この場所は私たちNPO法人R.I.Laにとっては特別な場所です。
福島第一原発事故以来、初めて東京湾の魚介類調査を実施した場所であり、
昨年、鬼怒川の決壊を招いた大雨の後、
上流の行徳可動堰が2011年9月以降初めて開き、
旧江戸川の土砂が大量に流入して、その後の調査で東京湾の調査依頼初めてCs137の検出があった場所でもあります。

私個人としては、ここでハゼを釣り始めて20年ほどになります。
私の娘たちも、初めてこの場所でハゼ釣りをしました。
生まれて初めて海釣りを経験した場所です。

江戸川放水路は一見川の様に見えますが、
実は海水で、運河の様になっており、上流の行徳可動堰で旧江戸川と分離され、
通常は淡水は流入していません。
河口には広大な三番瀬が控えおり、構造上大規模河川により上流部から流れ来る土砂に定着した放射性セシウムが流入しにくい構造となっています。
但し、行徳可動堰の上流部、旧江戸川は河川の土壌汚染が非常に高い場所であることが、
新聞報道等で開示されています。
つまり可動堰が開いて土砂が流れ込むということは、汚染土壌が流入してしまう可能性がある、
ということを示唆してしていました。



江戸川放水路の川底に汚染土壌が流入して、そこに生息しているハゼやアサリなど生物に放射性核種が移行してしまう可能性を危惧して、
昨年9月、可動堰が閉ざされ、水゛か引いた後すぐにハゼの捕獲を試みています。
その時に捕獲されたハゼからは、微量ではありますがCs137が1ベクレル/kg程度確認できました。
それは東京湾で魚介類の調査を開始してから、私共が初めて確認した魚介類への放射線核種の移行の確認でした。

今年に入ってからは、河口の干潟でのアサリやホンビノス貝を採取して放射線調査を実施しましたが、幸い放射性セシウムの検出は確認できませんでした。
あさりに関しては、特に三番瀬と河口干潟の二か所で調査をしましたが、いずれも検出下限以下という結果でした。

ハゼは一年魚です。
冬に河口付近で産卵され、上流の浅瀬に上がってきて5月位には5cmほどに成長し、釣り針に掛かるようになります。
この小さい子たちを「デキハゼ」と呼び、数釣りが可能となります。
常連のベテラン勢に掛かると、潮まわりなど状況が良ければ一日1000匹とか釣れることがあれます。
ハゼの釣果を100匹を一束と呼び、一束、二束などと数えるのは、沢山釣れるからです。

今までのシーズンなら、まずこの時期に調査を実施していました。
でも今年は、なるべく成長してその土壌で長く生活したハゼを調査したかった為、秋に調査する
ことを決めていました。
昨年の大水で、海底の土壌が汚染されてしまっていたら、その場所で長く生息した個体の方が影響が強くでるだろう、と推測したからです。

昨年の検出が一過性のものなのか、それともこの場所に生息するハゼに今後も放射性セシウムの移行が見られるのか、
私達としても、非常に大きな興味がありました。


採取されたハゼです。全長で10cm程度に成長していました。
春早く生まれた一番子は12~15cm、二番子が8~11cm、三番子でも7cm程度に成長していました。
朝5時から12時までで、約250匹。2.1kgを捕獲することが出来ました。

測定結果です。



Cs137が下限値で1.78Bq/kg、Cs134が下限値で2.03Bq/kgで共に検出下限以下でした。
今回も測定は高木仁三郎調布市民放射能測定室さんにお願いしました。

実は今回は潮が引いた時間帯に沖あがりだったので、
干潟の土壌も採取してきています。
満潮時には水没する位置での海底表土と表土から15cm掘り下げた嫌気性土壌を含む土です。
これらは一週間ほど乾燥し、日の出のちくりん舎さんに測定に出します。

因みに8月14日に調査した多摩川河口の土壌の場合には、
表土が8Bq/kg、15cm掘り下げた土壌で9Bq/kg共にCs137が検出されています。
同じ場所でのシジミの調査では、シジミへの移行が見られなかった場所です。

私達の仮説では、表土よりも下にある嫌気性のヘドロ層にセシウムがとりついていると想定していますが、江戸川放水路の干潟ではどうでしょうか。
結果で出ましたら、またブログでお知らせします。