February 06, 2010 13:48:01

kindleを試してみた

テーマ:文学・小説

 世の中というのは思いのほか電子出版について積極的ではなかったりする。間違いなく、今は出版におけるアナログからデジタルの過渡期に入っているんだろう。そして、アナログ派(印刷された出版物)が現在はまだまだ主流を占めていてデジタル化していきそうな世の中の動きに対して抵抗し、もがいている最中なんだと思う。


 これって、オーディオやカメラの歴史に似たものを感じなくもない。

 アナログレコードじゃなければ表現できない味がある。音の再現性はCDはアナログには叶わないという議論が今でもまことしやかにされたりする。カメラの世界でもそういう時代があった。デジタルカメラがフィルムカメラの性能にせまってきたのはほんのここ数年の事だ。十年ほど前にはまだまだデジタルカメラの写真は画像が荒かった。

 多分、今でもプロのカメラマンの世界では銀塩フィルムを使う人が多くいるだろうと思う。そして銀塩フィルムでなければ細かいディティールが再現されないんだとか、ラチチェード(陰影が映る範囲:幅)が狭くなってしまうんだとか言ったりする。
 実際には、近頃のデジタル一眼レフなんかは1000万画素を超える精密度で相当に引き伸ばして大きくした写真でも結構に美しい。ラチチェードの問題も、互角に近い所まで来ているんじゃないかと思ったりする。仮にまだまだフィルムに追いつけていないとしても、デジタルカメラがフィルムの精密さを超えてしまうのはおそらくは時間の問題だろうと思う。

 実際には、フィルムカメラはほぼ瀕死の状態になっている。
 殆どの人はわざわざフィルム一眼レフのカメラを買わない。そして、それで充分に目的を果たしているのだ。(プロの方については同一には考えられないとは思うけれど)
 カメラ屋さんや、プリントショップ(それ自体激減してしまったけど)でフジフィルムやコダックのフィルムを買うなんてことはもうほとんどない。”写るんです”って今でもコンビニなんかに売ってたりするんだろうか? それくらいにデジタルカメラが普及している。


 そういう事と同じような波が、印刷物の世界に押し寄せてきているんだろう。

 実はアメリカではkindleという電子書籍の端末がそれなりに評価されている。

http://www.amazon.com/dp/B0015T963C/?tag=gocous-20&hvadid=4139704967&ref=pd_sl_19canl9h1z_e

 なんせ、買ってすぐにネットに接続できて、アマゾンに登録すればすぐに電子書籍を購入して読むことができる。購入可能な書籍の数はすでに30万冊を超えているという。実はこのkindleってマシンはすでに日本でも購入出来るらしい。世界の多くの国で販売が開始されている。
 実はiphoneのアプリにもこのkindleがある。無料のアプリをiphoneにダウンロードし、amazon.comの利用登録をすれば30万冊が読めるのだ。

 これは多分だけれど、iphoneじゃなくても今後は噂のgoogle携帯でだってkindle書籍を読むことが出来るようになるだろう。それは大切なのは、本という形ではなく書籍をなすデータであって、それを読む媒体は紙でもkindleでもiphoneでも、あるいはパソコンやその他いろんな携帯電話でもよくなるという時代がそこまで来ていることを示しているんだと思う。
 そう、それこそ紙じゃなければ読めない本というのは”特殊な”あるいは”マニアックな”ものになっていくに違いない。今現在、CDでは出さないで、アナログレコードだけで発売される音楽というものがあったとして、それは”珍しくて誰もが簡単に手にいれることはできない”という特徴を持たせるほかにに大きな意味があるだろうか? そして珍しい商品としてプレミアをつける事は、音楽や小説や、あるいは映画でもそうだろうけれど、たくさんの人に聞いて欲しい、見てほしい、読んで欲しいという作り手のもともとの目的とは遠く離れたものになっていくのじゃないだろうか。

 ってワケで、我が家のipodにもkindleを入れてみた。
 amazon.com(米国のamazon)にアカウント登録してクリスマス・カロル(ディケンズ)をダウンロードしてみた。ディケンズの作品はすでに著作権切れにより全部無料なのだ。うひゃひゃ、当たり前だけれど英語である。どうしてもっとちゃんと英語を勉強しておかなかったんだろう。
 村上春樹の小説はほとんど翻訳されているので英語版はいろいろとkindle_bookになっている。その喜になれば日本語版(印刷されている本)と英語訳(kindle)を読み比べたりだってできてしまうのだ。

 ちなみに、kindleって著者自身がデジタル出版権についてamazonと交渉・契約できちゃったりするらしい。
 しばらく前のwaebの情報で、日本語の漫画をkindleで発売したって話は聞いていたんだが、どうやら裏技的にではあるが日本語の小説もamazonで販売できちゃったりするらしい。これは小説のページを画像として取り込んで表示させるという方法。
 下記サイトの”kindle storeで……”の記事を参照して頂きたい。

EARTHLIGHT TECHNOLOGY
http://www.earthlight.jp/

 実はデジタル書籍(まぁパソコンなんかもみんなそうなんだけれど)の世界の話で言えば、英語などの1バイト文字圏と言われるものと、中国語・日本語・韓国語などのように文字を表現する為に英語の倍の情報を使う2バイト文字圏と言われるものがある。そして、英語を中心とした1バイト文字であればkindleは容易く対応できてしまったりする。2バイト文字はそこらへん、ハンディキャップがあったりはするのだ。
 世界中でIBMのパソコンが売れまくっていた時に、日本ではNECのパソコンがひとり勝ちしていた時代があるけれど、それも2バイト文字にIBMなどが真剣に取り組まなかったからなのだ。
 今はまだ、amazonを中心にした電子出版も2バイト文字の日本語にはあまり興味がないに違いない。だから日本の出版社なんかはこれから出版社で電子出版の協会を作って標準化を目指そうぜなんて事をのんきに始めたところだったりする。
 だけど、それはソフトウェアー技術がいずれ解決してくれる問題なのだ。今は誰もが日本語でも中国語でもウィンドウズやマックのパソコンを使えるように、kindleだろうがipadが今後提供していくであろうibookという書籍形態だろうが、それらもいずれは普通に日本語や中国語の本が出版されるようになっていくのだ。

 多くの日本の出版社や小説家は、多分だけれど、少し呑気なのかもしれないなぁなんて事はちょっと思う。日本ペンクラブはgoogle-booksとはどうにも仲良くなるつもりはないらしい。それは紙で守られた自分たちの既得権益にしがみついて、先が見えていないからなんじゃないかと思っている。
 今、音楽の世界で成功しているのは(たくさんの人に聞かれているのは)、たとえば着うたであったりiTunesであったりの、レコードやCD意外にもメディアを広げているアーティストなんじゃないだろうかと思う。そういう流れが、今後、出版物の世界にも押し寄せてくるに違いないと、そう予感しているのである。
 著者と言われる人たちはあるいは出版社は、電子書籍の発展に伴って、印税のあり方を見直す必要に迫られるかもしれない。(いろいろ想像はつきない)



 予言してしまおう。

 紙の本は、今後どんどん減っていくことになる。本、雑誌、新聞などおよそ出版物と言われるものはどんどん電子化されると思う。それはパソコンや携帯、ipodなどの情報端末、あるいは家庭のテレビや冷蔵庫の扉や壁の一部や窓など、読みたい場所で好きなときに表示させて閲覧出来るようになるだろう。あるいは電子化されたデータは音声読み上げにも対応するだろうから視覚障害者に対しての出版物の便宜は大きく改善されるだろう。(実際にkindleを使えば、英語の小説は読み上げてくれるのだ)
 ペーパーの出版物も無くなりはしないと思うが、激減すると思う。重い本や、大きくて扱いにくい新聞紙を好んで持ち歩く人は減っていくに違いない。それにともなって書店などの数が激減する。大型の文豪具なども大量に扱う複合の書店は生き残るだろうが、街の小さな書店はなくなるだろう。そういう事が今後二十年以内に起こると思う。
 大きな書架を持って、本を並べるというのは、ジャズやクラシックの愛好家がアナログレコードやCDの全集をを収集して整理しラックに納めるのと同じように趣味的な行為とみなされるものになっていくだろう。

 近い将来、必ずそうなると思う。




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コメント

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1 ■じゃあ、おれも予言しましょう

電子出版は今後、かなり増えるでしょう。
で、それによって、読書人口が増えれば、紙の本の出版も勢いがつくだろうと思われます。
どちらかがどちらかを淘汰するという方向ではなく、共存していく方向に向かうんじゃないかなと思います。
音は物質ではないので触れませんし、写真も目で見るものであって、物質的な側面による束縛が少ないのです。だから情報に変換されやすい。
しかし、本には物質的な利点というのが確かにある。ただ、そういう面は同じ本を繰り返し再読するような本好きじゃないと見えにくいところなんですが。
電子辞書は便利ですが、言葉を本当に知りたいと思えば書籍の辞書をひくほうがいい、というのは一例になるかなー。
と思うんですが、いかがでしょ?w

2 ■from BeatSpark

未来予想はありですね
DS文庫で小説を読むと
枕元にランプがいらないことに
気がつきました 
電子系はこんな場合はいいですね
明るくて、眼がいける時は 紙の上がいいです(θωθ)

3 ■無題

キンドル、ちょっと興味があります。
まあ、仮に僕が手にすることになるとしても、きっとずっと先になるでしょうけどw

で、個人的に思うのは。
僕はもちろん、紙媒体のほうが好きで、なくなってほしくないと思うわけです。
でも、キンドルがあって当たり前の世代、とかになると、もうどうなるかわかんないですよね。
紙媒体に対する思い入れとかが、そもそも醸成されないかもしれないわけで。

で、なんとなくなんですけど、キンドルとかが普通の世代には、キンドルに対する思い入れ、みたいなのすらつくられない気がしますね。
レコードに思い入れ持つ人はいても、あんまCDに思い入れ持ってる人はいなさそうですし。僕自身、買わなくなりましたもん、CD。

音楽は、IPodとかでむしろ以前より聞く時間が増えた気がしますが、はたしてキンドルが普及したとして、前より本読む人が増えるんでしょうかねぇ。
売れる本だけ売れて、売れない本は見向きもされないようになっちゃう、みたいな傾向に拍車が掛かりそうな気が、ちょっとします。なんとなくですけどw

4 ■>アランさん


 アランさんの予言と私の予言のどちらもが共通しているのは読書人口は増えるという部分かなと思います。(そう希望しているという事ですかねw)
 統計資料(出版年鑑)によると書籍(文学)の出版数はここ数年は緩やかに減少の傾向が続いていますが、それでも昭和50年ぐらいと比較すると倍以上の本(小説)が出版されています。
 電子出版化はおそらくは本の値段を少し安くする(印刷物に比べて)という効果が顕著に出るのだと思います。出版数が減少したとしても、読書人口は増え続けるというのが私の予測の一部分ではあります。

>しかし、本には物質的な利点というのが確かにある。ただ、そういう面は同じ本を繰り返し再読するような本好きじゃないと見えにくいところなんですが。

 たぶん、アナログレコードにも、生の写真にもそれを”愛する人にとっては”かけがえのない物質的な利点があったと私は推察します。
 そして、奇しくも”本好きじゃないと見えにくいところ……”と書かれているように、そういう部分は趣味的な部分として生き残っていくのだと思います。アランさんが本を愛してやまないって気持ちがひしひし伝わってきます。

 逆に書籍の電子化によって、文章の一部分にマーカーを付けたり、メモを書き込んだり、付箋を挟むような現在は紙の本で実現していることは電子書籍も可能になるでしょう。
 加えて、複数の本をまたいだキーワード設定による索引の自動作成のような新しい機能も実現されたりするかもしれません。

 総体としては”愛してやまない”人にとっての紙の本が生き残り、普通の読者の為に電子書籍が普及すると言う形になるのじゃないかという気はします。印刷物としての出版は減少の傾向は否めないかなぁという気がします。
 そして本が安く気軽に読めるようになることで相対的には読書人口は増えると想像します。

 最初に電子化が進んで紙の媒体からシフトするのは新聞や雑誌と言ったリアルタイム性を重視した、いわゆる読み捨てられるメディアからでしょう。つぎに資料的な意味合いの強い出版物。小説などの物語については一番抵抗が強いのかもしれないという予感がします。それは著者の人たちが基本的には”本を愛してやまない”人たちだと思うからですw

5 ■>ビートスパークさん


 私はipodを購入しなかったらきっとDSを購入していたと思います。真剣に読書端末として検討してました。
 一番新しいDSは画面が大きくて見やすいです(笑)

6 ■>ようさん


 思い入れの話、ほぼ同意です。
 私は紙ジャケットの頃のレコードを知っている世代ですから、あの大判のジャケット自体がレコードというメディアには欠かせない要素だった事を痛感しています。
 レコードを聞くというのは、一緒にジャケットを眺めながら、ライナーノーツを読んで過ごす時間の事だったので(笑) レコードを取り出して、埃を払ってターンテーブルに載せる。そっと針を落とすという作業自体もレコードを聞くという行為の中に入っていました。これって多分に今ではマニアックな要素なんですよね(笑)

 電子出版が進む事で、もしかしたら出版に対する最小単位(損益分岐点)が大幅に下がると出版の点数は飛躍的に増えるという可能性はあると思います。

 小説の出版数でいうと現在は昭和50年代の倍以上の数が出版されていますから、傾向としてはベストセラーが減って、多岐にわたる本が出版されているんじゃないかと思うんですね。それこそ、比較的売れ行きの悪い”ラノベ”でも出版に辿りつけちゃう的な。電子出版が進むとそういう傾向に拍車がかかるんじゃないかな、なんて私はおもったりします。

 わかんないですけどw

7 ■無題

> 逆に書籍の電子化によって、文章の一部分にマーカーを付けたり、メモを書き込んだり、付箋を挟むような現在は紙の本で実現していることは電子書籍も可能になるでしょう。
>加えて、複数の本をまたいだキーワード設定による索引の自動作成のような新しい機能も実現されたりするかもしれません。

あ、これはいいなー。ぜひやりたいw
こういう機能は欲しいところですね。
あとは「ぱらぱらめくる」が実現されると、かなりいいんだけど、そういうのは質的な研究が進まないと難しいかなー。

出版のコストを下げる面というよりは、おれはハードを売るために安く使えるソフトのある読書、という理解をしています。目的は、パソコンよりも小さく携帯電話よりも大きなハード(なんていうんでしたっけ?)の販売かなーと。アメリカではアップルとグーグルの争い、という報道になってますね。

とりあえず、縦書きでもうちょい見やすいハードがでてくれるとありがたいなってのが個人的な感想かなー。
画面が光っていると、あまり小さな文字だと見づらいので、どうしても一画面あたりの情報量が少なくなっちゃうのが不便だなっていつも感じるんですよ。せめて本の見開きくらいの情報量が欲しいですね。
そういうハード面での不満がなくなれば、おれも購入したいと思ってますw

8 ■>アランさん


 ハードを売るためのソフト、ソフトを売るためのハードの件。
 確かに今の所は高いハードを売るための電子データという側面が大きいのかもしれませんね。
 でも、着うたフルを聞くのに今ではどこの携帯でも大丈夫なように、電子図書を読むのに、いずれはどこの情報端末(あえて読書端末とは言わないw)でも関係ないって時代になるのじゃないかと期待します。(それだけ情報端末というものが一般化するという期待を込めて)

 当面はgoogleとamazon、そしてapple(ibookというサービスで参入するっていうような話をこの間スティーブ・ジョブスが講演してました)の三つ巴みたいな感じになるっぽいのかなと。

 自動索引の話。
 実は、この間、古本市があってつらつらと眺めていたときに、全集には索引編ってのがついてるのを見かけまして。一冊全部が全集全体を網羅した索引になっているんですよね。
 で、電子書籍なら、例えば自分が持っている本の中で”愛”とか、”夕暮れ”とか好きな言葉で索引作って、縦横に言葉に関連したフレーズを読むとかってやってみたいなとふと思ったんですね。
 そういうのってきっと電子書籍ならではな読み方だなぁって(笑)

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