The Watch on Ameba

魅惑の腕時計たちを紹介

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今年6月に盛岡セイコーの機械式時計セミナーを受講してきたんですけど
311震災から3ヶ月ほどであちらでは大した被害もなかったんですけれど

最近の報道も福島原発と政府の対応ばかりが目立ちますね

12月に入ってからは
被災地にクリスマスツリーをと言う活動が起きてきて

やっと被災地を想いだしてくれたかと言う感じなんですけど (;^_^A ひとの事は言えませんけど

東北と言えばどうしても
盛岡セイコーが頭に浮かんでしまう KingWatch なんですが

内陸にある盛岡セイコーはほとんど被害はなく、震災当時は停電程度の被害との事でしたが
海岸線近くにも協力工場があったりします

私が伺ったところではたしか、KG(風防)の工場と記憶していますが
時計の場合はどの部品も特殊でどれかひとつが欠けても機能しないものばかりなんですね

ずいぶん悩んでいたんですけど
1度だけ時計とは直接は関係のない記事をUPさせていただきます

12月13日から私の持病の膵炎を題材としたブログではUPしているのですが
こちらです ↓ 興味がありましたらお読みください
ごんのブログ(慢性膵炎日記) (別窓で開きます)

震災から10日目に ”NGOボランティアプラットフォーム(ぼらぷら)” から
あるサイトが立ちあげられました

”ボランティアプラットホーム” と言います
現地や避難先の被災者と支援者をつなぐサイトで

被災者ひとりひとりが直接、希望する物資や人手を掲示板形式で掲載し
また、支援者が支援しようとする物資やお手伝いできる日時・作業などを掲載し
双方が希望する場合にマッチングして支援すると言うものです

無駄なくタイムリーな支援ができるのですが
被災地にも支援者にも未だ知名度が低いのが現状です

こちらをクリックするとボランティアプラットホームのサイトが開きます


URLは
http://b.volunteer-platform.org/

また、こちらは特に母親と小さな子供たちに力を入れた部門になり


URLは
http://b.volunteer-platform.org/mamaid/

どちらも一度ご覧いただきたいのです

そしてできるなら
皆さんからもこんなサイトがあると1度だけでも呼びかけてみて欲しいんです

救援者と支援者のやり取りは
掲示板形式でガラス張りですから誰でも見る事が出来ます

ただし、住所や連絡先などは登録して
支援や募集の意思表示として掲示板に書き込み
双方が合意した場合のみにお互い登録した内容が確認できるシステムです

使わなくなったぬり絵といろえんぴつを差し上げますと掲示する支援者
そして小さな娘さんがお絵描きが好きだからと応募するやり取りや

余ったもので良いので、年賀状で元気を分けてください
と言った募集もあります

切実な内容のものもありますが
意外と 『なんだ、そんな事』 と思われるような募集があったりします

地震と津波はもう去っていますが
原発の放射能漏れの問題もあります

東北地方と北関東の復興にはまだまだ時間がかかります
他方へ避難している方も大勢いらっしゃいます

去年まで来ていたサンタさんが誰なのか知っているのでしょう
『今年はサンタさん・・・ 来ないよね』 と寂しがっている子供たちがいます

被害の大きかった地域には
SEIKOの協力工場もあります
もちろんCITIZENの電子関係の工場もです

応援していただける事は
日本の時計を応援する事に間接的になると思いますので

ぜひ一度ご覧になってください
そして心に従ってみてください

よろしくお願いいたします
KingWatch

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TECHNOS TAM629 の電池交換の最終回です

前回の注意点は電池がきちんと組込まれているかですね


目で見て判らないようでしたら絶縁体の棒のようなもので上から突いてみると
浮いている場合はカチッとはまりますよ

スペーサーを外したのでスペーサの組込みをします

スペーサーはムーブメントの位置決めもしていますので、外してしまうと
ムーブメントを取り出して組込まないとなかなか入らないんですね

ムーブメントを取り出すにはリューズ巻真を外さないと取り出せません
オシドリのピンセット付近に小さな点があるのが判りますか?
ここを押しつけながらリューズを引き抜けば簡単に外れます


両手で作業して画像では私の手しか写りませんでしたので・・・ (;^_^A 文章だけね

上の写真のピンセットのちょい上にあるオシドリの小さな点、ここをリューズを必ず押し込んだ状態で
地板側(つまり下)に押しつけると巻真のロックが浮きます(ツヅミ受け座の下なので見えません)ので
リューズを引っ張ればカンタンに抜けます

注意としては、リューズを引いたままオシドリを押し込むと切替え機構が働いていますので
カンヌキを破損させる場合がありますからね (;^_^A

リューズ(巻真)を抜きます


写真ではピンセットで抜いていますけど、撮影用にですからね

ダイヤル(文字盤)が付いたままムーブメントが外せますので、針に触れないように
注意してスペーサーにのせて組込みます


このスペーサーはキッチリとはまるタイプですので逆さまにしても簡単には抜けませんが
抜けた時に落下させると針を曲げる恐れがありますから側(がわ=ケース)を被せて裏返します

スペーサーの位置を合せます


スペーサーはただ押さえているだけですからキッチリと合せてあげないといけないんですね

この時の注意はムーブメントの巻真が通る穴とスペーサーの穴と側の巻真のチューブが一直線になっていないと
巻真が通らない事と電池を押さえている部分が浮いていないかですね


位置はOKでしたので巻真を組み入れます


この時はただ押し込むのではなくてリューズを回しながら押し込む事ですね
巻真はオシドリの奥にあるツヅミ車やツタエ車を回す役割もあるんですね

カレンダーを早送り(早修正)する場合や時刻合わせの時にリューズを1段または2段引くのがこれなんですけど
リューズを引いてカチッと切り替わるのがオシドリがテコになって切替えバネのカンヌキを押し込むとツヅミ車が奥に動き
日ノ裏車を回し、時刻合わせができるんですね

この時に巻真が円柱だと回せないのでツヅミ車を回す部分だけ四角柱になっているので
回しながら押し込まないとスムーズに入らず、強い力で押し込む事で内部を破損させてしまう事もあるんですね

正しく入ればオシドリの下側を潜り抜けますので、カチッと言う小気味の良い感触ではまります

巻真が入ったら軽く押し込みながらリューズを回し、1~2回切り替えをしてみます

巻真が抜けたり、変な手ごたえがなく時刻合わせやカレンダーの早修正がスムーズにできるかを確認します

問題がなければ裏蓋を閉じます


また、ラジペン登場ですね・・・ (;^_^A オープナー買おっと


外したブレス(バンド)をはめます


12時側のバネ棒を外しましたので11時側と1時側をはめるんですけど
写真は11時側をはめておいて、1時側をピンセットで留めています

ブレス(バンド)が組めたら必ず、引っ張りながら左右にひねってみます


これをやっておかないとしっかりとバネ棒が留っていないと時計を使用中に外れる事がありますからね

あとは時間とカレンダーを合わせれば完了です

本来なら組立て完了後には防湿検査・リーク検査・防水検査・温度特性・耐衝撃検査などの検査が必要なんですよね

オーバーホールならば全分解して各部品をすべて溶剤に浸けて超音波洗浄して最初から組立てながら
給油して回路を組込んだところで消費電流測定をして正常に作動するかを調べ

電池を組み込んだところで歩度測定をして規定値に調整します
例えば月差20秒を保証する時計なら日差は±0.7秒で20秒に収まりますから

トリマーコンデンサを調整しますが、これはメチャメチャ微妙でドライバーを当てただけで
2~3秒ずれますからね (;^_^A 0.1秒の調整なのにね

まぁ、#20系や#21系はトリマーコンデンサは不要なんですけどね

興味のある方は#20系の代表機種の2035を購入出来ますよ
↓ 3個で税込:1,890円(送料別)


#2035は私が作っていた機種で低価格帯の汎用機なんですけど
#5車以外は金属の車を使っている数少ないムーブメントで扱いやすいです


3HANDSって書いてありますけど時・分・秒の中3針の事です

あ! おまけに展開図も今、出しときますね о(ж>▽<)y ☆


もし、興味があっていじってみたい方だけにお勧めですからね (≡^∇^≡) またねぇ~


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TECHNOS TAM629 の電池交換の続きです
まずはおさらいをしておきましょうか

主要な各部名称ですね


①”電池押さえ板” ②”コイル” ③”封止管(水晶振動子封止管)” ④”オシドリ” ⑤”輪列受け”

Cal#20系やCal#21系はまるで ”スーパーカブ” や ”カローラ” や ”サニー” と言った実用車、大衆車のような存在で
コスパに優れ故障も少なくて、とってもシンプルな機械体なので生産性も良く非常に出回っている機種なんですね

電池押さえ板の電池と反対側には ”MIYOTA CO.” と刻印されていますが
”シチズンファインテックミヨタ” の事で長野県の軽井沢の西にある御代田(みよた)町に存在する主要工場ですね

電池交換で特に注意が必要なのは電池押さえ板の電池押さえにあたる部分の変形ですね
腕時計と言うのは腕に巻いて使うわけですから不意にぶつけたり、落としたりと衝撃を受ける事もあるので
対応策が随所に盛り込まれているんですね

衝撃で電池が飛び出して外れないような角度でしか組込めないので意外とコツが必要で
ねじ込むように入れるので電池押さえが閉じなくなったり潰してしまって、押さえなくなる事があります

まずはスパーサーを外します

このスペーサーは電池のハズレを防止するためにスペーサーでも電池を抑えていますから
外さないと電池が交換できないんですね


電池押さえに穴があいていてピンセットなどを差しこんで開けるようになっています


この穴にピンセットを閉じて差しこんで手の力で開こうとすると
電池押さえを曲げてしまいますのでピンセットをお箸のように使うと良いんですよ

電池押さえの穴にピンセットの片側を差し込み、イメージとしては柔らかいお豆腐の小さな粒を
つまむようにそぉ~っとつまむと簡単に開いて電池が、ひょこっと出てきます


電池が外れると電池の下にある金色の部品の ”電池受けバネ” が現れます
電池を押さえ板に押しつけるバネですけれど、マイナス側の接点も兼ねています

勢いをつけてしまうと、電池が飛んでしまう事もありますから、慣れない方は慎重に
(勢いがあると曲がりにしてしまう事も多いんですよ)

使用している電池は ”SR626SW” ですね


交換する電池を買ってきました
¥700- くらいですよ


ここからは素手での作業は厳禁です
素手で触ると錆の原因になりますからね

ここまではピンセットで内部に触って来たんですねど
ここからは電池組込みのために触らないわけにはいかないんですね

最も良いのは時計組立て用の指サックを使うのが良いんですけど
市販の指サックやゴム手袋では代用ができません

市販のゴム製品では機械内部を腐食させる成分があるからなんですね
時計用の指サックは機械体などにダメージを与える成分を除去した専用品なのでけっこう高価なんですよね (;^_^A

 ↓私が工具などを購入しているショップが開きますよ


手ごろなのはこれですかね、10枚入りですけど・・・
(通常は親指・人差指・中指の3本に使います)

144枚入りでお得な ”Sサイズ”

144枚入りでお得な ”Mサイズ”

144枚入りでお得な ”Lサイズ”

144枚入りでお得な ”XLサイズ”

まぁノンスリップのマイクログローブでも良いんですけどね (;^_^A 精度は低いけどね

もちろん電池は金属のピンセットはNGで素手も錆の原因ですからダメですね
絶縁ピンセットで置いています


さぁ、組込みですよ
電池を指の腹で押さえて時計回りにひねりながら輪列の方向に押し込みます


ここで注意なんですけど
押込み方が足りないと写真のように浮いてしまい、ちょっとした衝撃で外れてしまうんですね


逆に押込む力が強すぎると電池押さえを下側に曲げてしまい
押さえる事ができなくなります

こうなると部品交換と言う事になってしまいますね
でも、浮いている場合は真直ぐに押してあげれば簡単に入りますから力加減に注意しましょうね

キッチリと電池が組み込まれた状態


”TECHNOS TAM629 の電池交換 ③” につづく

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久しぶりの更新になってしまいました f^_^;

実は実践的な時計の内部を・・・ と思っていたんですけど(練習がてらメカウォッチで)
なかなかメカウォッチのジャンクが見つからなかった (;^_^A

そうこうしているうちに愛用の時計のひとつが止まったんですよ
忘れられない腕時計 (大好きな腕時計 改題) 2010-02-14 (別窓で開きます)

まぁ電池切れなんですけどね


で、ダイバーズの場合は普通メーカー送りにしてオーバーホールを兼ねて
ISO準拠の検査を行ってもらうのが普通なんですけど

過去に使っていたのはセイコー(潜水士時代はプロフ画の600m)がメインで1度だけシチズンも使い
いずれも同じ扱いだったのは日本製だからなんでしょうね

と言うのはダイバーズウォッチのISO化を提言したのは日本なんですよね

当時の諏訪セイコー舎で特殊時計を主に手掛けていた
”徳永 幾男(とくなが いくお)” 氏の働き掛けでダイバーズウォッチのISO規格ができたんですね

で、このダイバーズ(?)はダイヤルにこう書いてあります

AIR DIVER Ⅱ
WATER RESISTANT
10ATM
ALL STAINRESS STEEL

この4行の意味は
空気潜水を意味する ”AIR DIVER” に Ⅱ が付いているのでダイバーズの規格の
”AIR DIVER” と ”PROFESSIONAL DIVER” ではなくてシリーズかモデル名と判断できる

飛ばして4行目はケースの素材ですねステンレスって事ですけど、決定的なのは3・4行目

”WATER RESISTANT 10ATM(ATM=大気圧と言う圧力単位)” って事は10大気圧防水って意味だけど
ISO規格では第一項目に「少なくとも100mの防水能力を有する」ってあるんだ

時計の防水性能で水深表示(300mとか1000ft)がされないで、相当圧で表示されているって言う事は
10ATM(他にBARとかPa(pascal)がある)の水深100mに相当する空気中で水を掛ける事への防水、となる

水に浸って活動するダイビングで考えるとあり得ない

腕時計の防水のランクは
防水無し ⇒ 日常防水 ⇒ スポーツ防水 ⇒ 空気潜水用防水 ⇒ 飽和潜水用防水になる

それぞれの検査内容はメーカーで若干違うと思いますが
防水なし、無検査・日常防水、3BARでの乾式防水(リーク)検査機+抜取浸水検査(10cmの浸水で表示圧まで加圧)
スポーツ防水、5BARでの乾式防水(リーク)検査機+抜取浸水検査(10cmの浸水で表示圧まで加圧)

ダイバーズの場合はISOでの検査規格もあって全数に施され
空気潜水、5BARリーク+10cmの浸水で表示水深の1.25倍相当圧に2時間加圧後6時間以内に大気圧に減圧
飽和潜水、5BARリーク+ヘリウムガスに満たされた10cmの浸水で表示水深の1.25倍相当圧に
24時間加圧後1分以内に大気圧に減圧
(他にも検査工程はあるけど、防水に関してはこれが最低限)

オーバーホール時も同じ検査をするはずなのだが
購入時に販売店に電池交換はどうするか聞いた時『当店で出来ます』と答えたのでがっかりした
(どう考えてもそんな設備は無さそうなので、無検査と確信した)

念のため信頼しているメーカーとして、愛用のセイコーのネイビーボーイズを見てみると

㊧ダイヤルには空気潜水用を意味する ”DIVER'S” と水深がメートルで表示
 ㊨裏蓋には同様に空気潜水用を意味する ”SCUBA DIVER'S” の刻印(写真では上方 (;^_^A ちと見ずらいけど)

どうせダイバーズとして信頼できないなら
自分でやっちゃえっ! ってわけです (;^_^A マネしないでね

まずはピンセットかバネ棒外しで片側で良いのでブレス(メタルバンド)を外す


皮やウレタンバンドと違ってブレスは融通が利かず中々嵌らない
6月の盛岡セイコーでの機械式時計セミナーの2日目の初級コースを

『初級コースでは、若干難しくなるメタルバンドで、皮と比べると組みつけが少し難易度が高い』
2011年06月のブログ (別窓で開きます)

と書いたのは、この理由から

スクリューバックオープナーがないのでラジペンで裏蓋を回す
(キズになりますから止めましょうね (;^_^A )


裏蓋が緩んだら手で回して外します


開けてビックリだ ヽ((◎д◎ ))ゝ


なにが驚いたかって、昔作っていたCITIZEN Cal#20系の兄弟機種のCal#21系が入ってる・・・ (;^_^A 懐かしい

TECHNOSになぜCITIZENが入っているかって?
別に不思議じゃないしバッタモンや偽物じゃないんだよね

CITIZENはエボーシュ供給もしているんだよね

時計業界は各パーツから完製品までを一貫生産する事は意外と少なくて
部品や未完成ムーブメントで供給する事をエボーシュ(ebauche)と呼ぶんだ

で、電池交換に関連する(または注意する)各部名称はこんな感じだ
見やすいようにスペーサーを外しました


①”電池押さえ板” 電池と電子回路全体を押さえるプラス側接点です。 コイル側のアームが電池押さえになっていますが
 1個だけ大きなネジは胴付きネジで締め付けても0.3mmくらい浮いていてアームは簡単に開きますが変形に注意

②”コイル” オレンジ色の部品でステップモーターの#RT(ローター)の回転に必要な地場を作ります。
 巻いてある銅線の太さは髪の毛の1/100以下と極細なので指でこすっても断線してしまします。
 (写真のコイルは見えている側にコーティングしてありますが裏面にはないので断線しやすいので注意)

③”封止管(水晶振動子封止管)” この中に水晶発振のための水晶が密閉されていますが衝撃で破損しやすいので注意

④”オシドリ” 切替機構のスイッチの役目とリューズ巻真のストッパーを兼ねる部品で
 ボスから離れた位置にストッパー部を浮かせる位置のパンチマークがあります。

⑤”輪列受け” 機械式から受け継いでいるモジュールでギア比で1つの回転を時・分・秒に変えるモジュール。
 全部で4ヶ所ある窪みはホゾと呼び、歯車の真を立てて給油ヶ所にもなりますのでうっかり触ると油が手に付き、
 機械体は油切れになったり周囲が汚れて止まりの原因にもなります。

”TECHNOS TAM629 の電池交換 ②” につづく

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ダイバーズウォッチと言えば皆さんはどんなモデルを思い浮かべますか?

ドーバー海峡を渡った世界初のダイバーズでしょうか?
発展モデルが宇宙に飛び立ったあのダイバーズ?

日本のダイバーズの伝説はここから始まったと言えますね


国産初の本格的ダイバーズウォッチ
1966年の第8次南極越冬隊にも採用され、極低温下での性能・信頼性が実証され
かの ”植村直己” 氏の愛用した時計でも有名なんだけど

実はこれは1978年4月29日の世界初の北極点犬ゾリ単独行、北極点到達の時の話しで
植村直己氏は当初海外メーカーのダイバーズを使用していたが
ムーブメントの油の凍結で止まり、補給地点に来ていた知人の記者が使用していた
ハック機構付の改良型セカンドモデルと交換して残りの旅を乗り切ったそうだ

植村直己氏のセイコーダイバーズとの付き合いはもっと古く
1970年5月11日、日本人として初めてエベレスト登頂に携行されたのは
1968年に発売された300mプロフェッショナルダイバーズハイビート(10振動)


国産初のプロフェッショナルダイバー向けに開発されたそうですけど
この当時のプロフェッショナルダイバーズは単に深々度防水と言える事が後に唯一の欠点と判明するんですね
つまり、飽和潜水に対応していないと言う事なんです (;^_^A 裏蓋の無いワンピースケースですけどね

潜水病って聞いた事はあるでしょう?
高気圧障害と潜水障害の中で特に ”減圧症” を差すんですけど

血液中に溶けたガス(呼吸による気体)が圧力の変化で血管内で気泡が発生してしまう事なんですけど
防止策として、血液中に溶けたガスを予測して、特定の水深に一定時間留まりながら水面に浮上するんですけど

潜水病は他にもあって
圧力が増し、空気の大半(約80%)を占める窒素の濃度が240%(分圧でp2.4)に相当する
水深30m付近から麻痺作用が現れ ”窒素酔い” と呼ばれる状態に陥りますし

更に圧力が増し、大気圧では空気の20%の酸素が200%(分圧でp2.0)に相当すると
酸素の毒に犯される ”酸素中毒症” にも陥ります

これらの高気圧障害と潜水障害を緩和させるために空気で呼吸するのではなく
深度が深まると人工の混合ガスで呼吸しての潜水になるんですけれど
時間の経過とともにいずれのガスも身体に溶け込まない ”飽和状態” になります

飽和状態になると、元の大気圧環境に戻るためにゆっくりと時間をかけた減圧に
必要な時間は変わらなくなります
この性質を利用したのが飽和潜水(Saturation diving=サチュレーション・ダイビング、SAT=サットとも略される)

飽和潜水用エレベーター(ダイビングベル)


このベルで作業水深まで低圧のまま潜降し、作業を開始する時に解放して
環境圧にして海中に出る

作業が終わると、環境圧のまま海面上(船上または陸上)の減圧チャンバーに接続して
数日間かけて大気圧に戻すわけだ

減圧チャンバー内


この減圧中と潜水中に呼吸のために使われたヘリウムガスはとても分子構造が小さく
時計の内部に入り込んでしまい、減圧によって時計内部が周囲より高い圧力になると
ガラスが吹き飛んでしまう事があり、時には機械部品も飛んでしまう事がある

或る日セイコーに1通の手紙が届いた
広島県呉市に住むひとりの職業潜水士(PROFESSIONAL DIVER)からだ

その内容は
『ヘリウムガスを使う飽和潜水で壊れない、頑強な潜水夫用のダイバー時計を造って欲しい』
早速調査が開始され研究に費やした時間は何と7年間

実際にこの間にセイコーはダイバーズの新モデルを発表していない

1975年についに発売された ”PROFESSIONAL 600m



ROLEXが世界で初めて飽和潜水時のヘリウムガス対策を施したダイバーズウォッチ
ロレックス シードゥエラー2000(610m)を発売したのは1971年だが
エスケープバルブを採用していた

ROLEXもOMEGAもIWCすらも成し得なかった、ヘリウムの侵入を許さない
プロフェッシュナル・ダイバーズウォッチが日本から発売されたのだ

1978年にはクォーツ化された ”PROFESSIONAL 600m” が発売された


1983年5月にはこのクォーツ化されたPROFESSIONAL 600mを
有人潜水調査船 ”しんかい2000” のマニュピレーター(船外ロボットアーム)に取りつけての潜水実験も行われた


その時の船内からの画像


この時の水深は ”1,062m” だ
600m防水の時計が1,000mを越えて正常に作動し続けたんだ

1986年には更に改良を加え外胴をチタンからセラミックスに変更された
PROFESSIONAL 1000m” として発売されたんだ


これは現行モデルの1000mとほぼ同じだね

現行モデルの ”PROFESSIONAL 1000m
クォーツの ”SBBN013” と機械式の ”SBDX011”

機械式の ”PROFESSIONAL 600m” は2000年に復刻版の
”ヒストリカルコレクションSBDX005” としても発売されていたことがある


この ”ヒストリカルコレクションSBDX005” は ”メカ時計セミナー” でお世話になった
盛岡セイコーにも展示されてたんだ (;^_^A 写真撮っときゃ良かったなぁ

セイコーのプロフェッショナルダイバーズでは600mって言う系譜が多いんだけど
実際の曝露潜水(海中の水圧に曝される潜水)ではフランスのCOMEX社がフランス海軍と
共同で行われるHYDRA(ハイドラ)計画の1988年のHYDRA-VIIIによる
6人のダイバーが534mの実海面での潜水が現在も有人潜水の最深記録だ

加圧実験によるシュミレーションでは1992年のHYDRA-Xで701mを記録しているが
600mまでの圧力に到達するまでに15日かかり、大気圧に戻るにはそこから24日間が必要なんだ

つまり、実用面では600mには達していないんだ

現行モデルには ”スプリングドライブ” 搭載の
プロフェッショナルダイバーズ ”SBDB001” もある


挑戦し続ける者だけがその真価を知ることができる


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