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2014年11月13日(木) 22時15分23秒

Eddie Reader / "Sings The Songs of Robert Burns"

テーマ:僕と1日と音楽と





人の優しさが身に沁みる時は

決まってどこかに軋みが出ている

先日も風邪をひいたと思ったら

妙に親切な人ばかりが周りにいて

その顔達は毎日見ているのだけど

特別な優しさを感じたことなどなかったのだ







ありがとう、と受け取ればいいものを

ついつい、大丈夫です、と断る

断られた方も疑り深く

本当に?

ときたものだから

その親切に甘えておきます、と

妙に浮いた答え方をする

そうそう、それで良し、と先方の顔

どうも目の向けどころが定まらなくて

何度もペットボトルに口をつけていた







ふと

自分は誰かの軋みに

あんなふうに気取らずに

さっと油をさせているのかと思うと

妙に恥ずかしくなってくる

キィキィ鳴る自分の体が

惨めに思えてきたりする

自分のメンテナンスの仕方も知らずに

他人に油を差そう

と考えることを

世間ではおごりと言うのだろう






スーパーのレジ

ハキハキと目を見てお釣りを渡される

たまには挨拶も必要だろうと

会釈をしながらありがとう

と空気に撒いてみる

ちょっとした優しさの恩返しが

返ってくるならばそれで良い

風邪薬のあの苦みもまた

同じように体に沁みるようだった





Sings the Songs of Robert Burns/Compass Records





エディ・リーダーの声が

妙に恋しくなるのがこの季節だと思う

葉っぱが色付きはじめて

空気がしん、と冷たくなって

光がぼんやりと綺麗で

月が奥まって見える頃

彼女の歌が聴きたくなる






フェアーグラウンド・アトラクションで

繊細で優美で弾けたポップスを

歌っていた彼女

ここではスコットランドのトラッドを素材に

自由にどんどん羽ばたいていく

1曲目の"Jamie Come Try Me"

一体どこまで翔んでいくのだろう、という

感情の広がりが素晴らしい

とても雄大な音楽だと思う







それぞれにケルトの旋律が顔を出し

随所にストリングスが散りばめられる

一歩間違えれば企画のみが鼻につくものだが

エディ・リーダーの解釈が素晴らしいのだろう

全てが一級品の音楽だし

彼女のベストソロに挙げても良いぐらい

歌唱も吹っ切れていると思う







古びたウィスキーの瓶のようで

リズムも楽し気な

"Charlie is My Darling"もとても良い

最後は"蛍の光"なのだが

お馴染みのあの旋律ではない

でもより郷愁が感じられるのはなぜだろう

歌とどこかの風景が重なって

胸が感情で一杯になるのは

なぜだろう




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2014年11月10日(月) 21時34分40秒

Paul Brady / "Welcome Here Kind Stranger"

テーマ:僕と1日と音楽と





今日から

またはじめます

自分の見たこと聞いたこと

残していくだけなんですが

誰が見ていなくても

よろしくお願いします







あっという間に半年以上

間が空いていたようで

僕はというと

家を出て

独人になった

素晴らしいことだと思った







人から離れたくなる

きっかけは人それぞれあるにせよ

酔ったように繰り返される煩わしさに

誰もが一度は嫌気がさすはずで

僕にもそのときが来た

たったそれだけのことなのだ

言葉にするのは

とても難しい感情なのだけれど







おはようもただいまもない世界に

首を突っ込んだ僕

宝物の音楽に囲まれて

相変わらず彩りの薄い仕事を続けて

平たい感動を壁に擦り付けて

若いということを妙に醒めてみたりして

それでもなんとか

世間に胡座をかいている

だからまた

よろしくお願いします





Welcome Here Kind Stranger/Paul Brady





あまりに私的なアルバムである

聞いた人全てがそう思っていたとしても

僕はなんら不思議ではない

誰もが心の中に共有できる

普遍的な存在感が

この作品には宿っているからだ

それこそがフォークではなかったか

いや、音楽ではなかったか






ポール・ブレイディの歌は

あらゆるものを飛び越えてやってきて

近くまでやってきたと思ったら

またものすごい力で突き放される

孤高という名の反発力

伝統音楽への接近はこれ以来

作品としては試みられていない







もちろん全ての曲がベストトラックなのだけど

一曲だけ選べと言われたら

"Lakes of Pontchartrain"を

とらないわけにはいかない

ジャクソンの街を出て

ポンシャントレインの湖へと旅をした男が

クレオールの女の子に恋をする

旅愁という言葉がぴったりとくる

秋風になびく音楽







今の自分を歌にしてみるなら

こんな曲の気分なのかもしれない

季節のせいではなく

そんな生活のせいなのだ

決して季節なんかのせいではない







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2014年03月26日(水) 21時35分28秒

Serge Delaite / "Planete Jazz"

テーマ:僕と1日と音楽と





ゲンダイジャズという言い方に

ちょっとした違和感がある

ジャズという音楽が40年代や

50年代で止まってしまっている様な

形骸的な響きを持っているからだ






凄まじい量のジャズが輩出されている

50年代よりも複雑に入り乱れたビート

価値観の崩壊と再構築

雑食性と多様性

情報量の多さから来る醒めた視点

ジャズの可能性が無数に花開いている

もちろん旧譜の再発も盛況だ

こんな時代にジャズを聴ける幸せ

きっとみんな感じているはず







昨日はセルジュ・デラートのCDを

2枚見つけた

2枚で500円

後から調べてみると、凄い

たかだかCDとは言え

結構な買取額がついている

これもジャズが活況の証

幻の名盤

そんな時代は

活字の過去だと思っていた






Planete Jazz / P.C. 2000/1






思わず一度棚に戻してしまった

ジャケットのセンスは

どうも好きになれないのだが

中身はまっとうなピアノトリオ

幾ばくかのラテンタッチを含んだ

美しいメロディが目白押しの名盤である







4曲目"Ballade irlandaise"の歌心

耳を奪われる美しさである

美旋律と達者な鍵盤さばき

ブレイキーのドラム組曲でおなじみ

"Cubano Chant"も彼にかかれば

メロディがまるでスタンダードのように響く







一日雨が止まない

今日はずっと家の中で

じっとジャズを聞き進めた

マリリン・マズール

メレディス・ディアンブロージオ

ヴィンス・ジョーンズ

これらが良かった

それぞれ250円

明らかに収穫だった




All the Birds/Stunt



マイルスのアルバムでパーカッションを叩いた

マリリン・マズールのジャズ賞受賞記念

2枚組でアフリカ志向が全面に出た好盤

個人的には2枚目の後半で炸裂する

打楽器とトランペットのスリル満点の応酬

これがたまらない

マイルスの音楽をさらに

打楽器からアプローチした演奏とも言えるか






Cove/Sunny Side




ピアノ・ヴォーカルのメレディスは

エディ・ヒギンスの嫁らしい

87年作だが録音も良く選曲も良い

フレッド・ハーシュの全面参加も嬉しい

リー・コニッツが数曲でアルトを聞かせるが

あまり多くを期待してはいけない

あくまでフレッド・ハーシュ・トリオと

彼女の歌の、ある種森林浴にも似た

自然で深遠な世界を味わって欲しい





Trustworthy Little Sweethearts/Universal



ヴィンス・ジョーンズのこの88年作

間違いなく名盤である

ジャズという範疇に収められないだろうが

オーストラリアのチェット・ベイカーなどと言う

くだらないイメージを超えて

素晴らしい歌とトランペットを聞かせてくれた

少しづつ認知されているようで

彼のアルバムにも注目が集まっているよう

すでにベテランだがおすすめである








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