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2014年03月26日(水) 21時35分28秒

Serge Delaite / "Planete Jazz"

テーマ:僕と1日と音楽と





ゲンダイジャズという言い方に

ちょっとした違和感がある

ジャズという音楽が40年代や

50年代で止まってしまっている様な

形骸的な響きを持っているからだ






凄まじい量のジャズが輩出されている

50年代よりも複雑に入り乱れたビート

価値観の崩壊と再構築

雑食性と多様性

情報量の多さから来る醒めた視点

ジャズの可能性が無数に花開いている

もちろん旧譜の再発も盛況だ

こんな時代にジャズを聴ける幸せ

きっとみんな感じているはず







昨日はセルジュ・デラートのCDを

2枚見つけた

2枚で500円

後から調べてみると、凄い

たかだかCDとは言え

結構な買取額がついている

これもジャズが活況の証

幻の名盤

そんな時代は

活字の過去だと思っていた






Planete Jazz / P.C. 2000/1






思わず一度棚に戻してしまった

ジャケットのセンスは

どうも好きになれないのだが

中身はまっとうなピアノトリオ

幾ばくかのラテンタッチを含んだ

美しいメロディが目白押しの名盤である







4曲目"Ballade irlandaise"の歌心

耳を奪われる美しさである

美旋律と達者な鍵盤さばき

ブレイキーのドラム組曲でおなじみ

"Cubano Chant"も彼にかかれば

メロディがまるでスタンダードのように響く







一日雨が止まない

今日はずっと家の中で

じっとジャズを聞き進めた

マリリン・マズール

メレディス・ディアンブロージオ

ヴィンス・ジョーンズ

これらが良かった

それぞれ250円

明らかに収穫だった




All the Birds/Stunt



マイルスのアルバムでパーカッションを叩いた

マリリン・マズールのジャズ賞受賞記念

2枚組でアフリカ志向が全面に出た好盤

個人的には2枚目の後半で炸裂する

打楽器とトランペットのスリル満点の応酬

これがたまらない

マイルスの音楽をさらに

打楽器からアプローチした演奏とも言えるか






Cove/Sunny Side




ピアノ・ヴォーカルのメレディスは

エディ・ヒギンスの嫁らしい

87年作だが録音も良く選曲も良い

フレッド・ハーシュの全面参加も嬉しい

リー・コニッツが数曲でアルトを聞かせるが

あまり多くを期待してはいけない

あくまでフレッド・ハーシュ・トリオと

彼女の歌の、ある種森林浴にも似た

自然で深遠な世界を味わって欲しい





Trustworthy Little Sweethearts/Universal



ヴィンス・ジョーンズのこの88年作

間違いなく名盤である

ジャズという範疇に収められないだろうが

オーストラリアのチェット・ベイカーなどと言う

くだらないイメージを超えて

素晴らしい歌とトランペットを聞かせてくれた

少しづつ認知されているようで

彼のアルバムにも注目が集まっているよう

すでにベテランだがおすすめである








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2014年03月18日(火) 21時22分04秒

Paulinho Da Viola / "Eu Canto Samba"

テーマ:僕と1日と音楽と







確信は尊い

そう思うのは

潔い心地の目に宿るものが

永遠につながる野生のいのちの

覚悟を秘めているからだ






こんこんと続く人の世で

何も成さなかった人が

その本当の痛みを知った事があったか

その本当の苦味を知った事があったか

吐き捨てたくなるほどのお世辞なら

15分の出会いこそが重要ではないか

言葉などはどうでもいい

覚悟を光らせる行動が欲しい








やっぱり月は昇っていて

日増しに風は暖かくなる

こんなに早く一日が過ぎる

時間の列車は待ってはくれない

誰が何を成し遂げるのか

眺めている余裕など毛頭ないのだ

風を読む暇を捨てなければならないなら

素直に動く4つの体と引き換えに

僕は甘んじてその暇を捨て去ろう







美しい声と地べたに転がる歌

そんな音楽が聞きたかった

土を払い落とし丁寧に磨き

広い空間に置いておくと

何でも無いものが美しく見える

拾い上げる面白さ

美しさ




Eu Canto Samba/Latin Originals





自作がほとんどとは言え

これだけの歌声の持ち主が

地面の下の砂だらけになった

サンバを歌う

ブラジル音楽の豊穣な土壌を

まざまざと見せつけられた様な傑作だ






サンバも音楽の成立としては

ブルーズに似たものがある

大衆音楽としての側面を持ちながら

裏山では数々の知られざる歌い手によって

陽の目を見ない曲が数多く存在したと言う

そんな精神性が

パウリーニョ・ダ・ヴィオラの歌には

棲みついているようだ






アレンジが美しいこのアルバムは

パウリーニョ・ダ・ヴィオラの歌声と

その生命力に溢れた曲の数々

これらが最大の聞き所だと思う

89年の録音ながら

時代におもねったところが一つも無い

まっすぐにサンバを歌っている

その気概がまた美しいのだ






こんな風に歌う事ができれば

毎日の残り糟なんて

どこかへ吹き飛んでいくのだろうか






2014年03月10日(月) 21時48分44秒

"Everything Happens to Me" 聞き比べ考

テーマ:僕と1日と音楽と






マット・デニスの

"Everything Happens to Me"を

聞き比べしている

きっかけはソニーから出ている

1000円シリーズのバルネ・ウィラン



バルネ/SMJ



この盤はどちらかというと

ハードバップの申し子と言うべき

ケニー・ドーハムと

透明度のあるトーンで弾きまくる

デューク・ジョーダンの二人に

バルネが引っ張られるような演奏である






全体的にテンションは高めなのだが

ボーナストラックとして収められている

"Everything Happens to Me"

これがなかなか渋く聞かせてくれた

本当はじっくりとバラードで料理する曲だが

少しスウィングテンポでやったのが良かった

こんな良い曲だったかと

色々な人の聴き比べをやってみた




オン・インパルス/ユニバーサル ミュージック クラシック



まずはソニー・ロリンズのインパルス盤

"On Impulse!"に収録されたもの

さすがはロリンズ、堂々の風格

11分もの長さだが曲をあっちへこっちへと

多彩な旋律をもって飽きさせない

でも好みで言うと少し男っぽすぎる

骨がありすぎるというか

この曲を演奏するには逞しすぎるのだ






では女性っぽいのがいいのかと思い

チェット・ベイカーの同曲を聴く




It Could Happen to You/Ojc




Let’S Get Lost/RCA Victor Europe







チェットはこの曲、十八番のようで

自伝映画レッツ・ゲット・ロストの

サントラでも取り上げている

59年のリバーサイド盤はうら若きチェット

ロマンチックで水が滴る

やはりチェットが歌うこの歌には

説得力があった






サントラ盤の方はどうかと言うと

曲の枯れ方が凄まじい

これほど甘酸っぱい曲が

ここまで枯れてしまうのかと思うほど

歌が成熟している

ここまでくると切ないと言うよりも

むしろ達観の様なものを感じる






Flight to Denmark/SteepleChase





冒頭のバルネ盤でも

ピアノを弾いているデューク・ジョーダン

さすがと言うべき解釈

切ないフレーズがどんどん出てくる

甘いと言えば甘い

しかしこれこそジョーダンの真骨頂

と言いたい

賛否両論はあると思うが

僕はこの演奏、大いに結構






At Storyville Vol 1 & 2/Blue Note Records



スタン・ゲッツは51年のライブで取り上げている

良くも悪くも曲に淡白なこの人は

原曲を上回る歌心で聞かせてしまうだけに

テーマの演奏はとてもドライ

ジョーダンとは対極の解釈だ

僕はこの曲にドラマが欲しいので

少しもったいない演奏だとは思うが

ゲッツの音色はワン・アンド・オンリー

どうしようにもジャズになってしまう






エイプリル・イン・パリ~チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス+4/
ユニバーサル ミュージック クラシック



最後はパーカー

少々大げさなストリングスのイントロの後に

パーカーが一くさりテーマを奏でる

これがねっとりと素晴らしい

文句の付けようが無いテーマである

パーカーは曲の押し引きを知っていて

こうすればドラマティックに聞こえる

というツボと言うツボを押さえているから

どんな曲も感動的に聞こえる





アドリブはほとんどない

パーカーはテーマを何度か吹くだけである

しかしこの曲には

ポップス史に永遠に残る美しいメロディがある

これをパーカーのあの音色に吹かせれば

極上の一品ができると考えた

プロデューサーは偉いと思う






結論としては

パーカーの演奏がもっとも良かった

これだけの名演が出るということは

やはりこの曲は名スタンダードである

と再認識した








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