隆田 原オフィシャルブログ『KING編集長のケモノみち』 powered by アメブロ

誰も期待してないインディアンズ

クリーブランド・インディアンズがボストン・レッドソックスに延長十一回の末、13-6で勝った。
NHKのBS放送の中継がパリーグのクライマックスシリーズの都合で終わっとたんインディアンズが7点入れた。
どうもNHKはレッドソックスといいヤンキースといい著名日本人選手のいるチームの試合にはご親切にリキ入れてくれちゃって、実況アナも応援を強制してくる感じがほほえましくもウザいのだが、せっかくのメジャーの必死な勝負(インディアンズやロッキーズやダイアモンドバックス)をこそ、たっぷり見せてほしいものだ。
特にインディアンズは明日の保証なきベテランと怖いもの知らずの新鋭の選手編成のバランスが抜群で、それを生かすベンチワークが実にためになるし、感動的だ。
シーズン45セーブもあげているのにメディアに評価の低いベテランクローザーや、先発一番手、二番手の若きエースに比べてゴミみたいに扱われている三番手、四番手の先発のベテランへのウェッジ監督のモチベーションの持たせ方は、新書にでもしたら、とてもウケるのではないかと思う。
なにせレッドソックスの総年俸1億4300万ドル(松坂のポスティング・フィー5100万ドルは含まず)に対して、インディアンズは総年俸8100万ドルで戦っているのだから、ベンチの手腕は見事というほかない。アリーグの最優秀監督はウェッジ監督で決まりだろう。
さあ第三戦、松坂とインディアンズの三番手先発投手ウエストブルックの投げ合いが楽しみだ。

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松井秀喜の涙目

ヤンキースが今年もプレーオフ一回戦で敗退した。
気になったのは、松井選手の表情。6対1からソロホームラン二本で追い上げてるのに、アップになった顔を見ると、涙目になってた。膝の状態が悪いのか、トーレ監督最後の試合になりそうで感極まったか、いずれにしてもいつも冷静で、不動心がモットーの彼にしては、意外な顔をさらしていた。
いや、案外これが、素の彼なのかも知れない。

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世界のクロサワ

田草川弘さんの黒澤明vsハリウッド(文藝春秋刊)は、久しぶりにスリリングな読み物だった。トラトラトラを途中解任された黒澤監督の京都東映太秦撮影所での二週間の崩壊ぶりが特別なまなましい。芸術家の完璧主義、聞こえはいいが、それに付き合わされる周囲の人間が現実的であればあるほど、事態は悲惨になっていく。映画のプロデューサーというのは普通の神経では絶対につとまらない。監督を変え、何とか公開にこぎ着けたこと自体奇跡的だが、超スペクタクルを謳った映画は不入りで内容も酷評されてしまう。翻って、黒澤監督だが、ノイローゼ説も流れたが、降りたとたんに元気回復し、別人のように新企画に意欲を見せる。虎虎虎は、スペクタ
クルなんかではなく、トラジディ(悲劇)なのだと語っていた彼は、もしクロサワが監督していたらさぞかし違う凄いものになっていただろうと、作らずして名誉をうけることになる。この人生の皮肉。やっぱり大物の逸話はとことん面白い。

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