販売の申出のみが日本国内の場合について
本日は久しぶりに東京弁護士会の知的財産法部会に出席しました。火曜日はなかなか出られないんです・・。
皆さんと議論して、自分がかなり保守・守旧派?だということが判明。たしかに、私はオーソドックスな解釈が好きです。
本日出た議論でいうと、特許法2条3項の「譲渡等の申出」が、外国における販売(譲渡等)について日本国内で申出をすることを含むか?という論点。コンメンタールなどには全く書いていないそうです(たしかに、私の手元の「工業所有権法逐条解説」17版にも書いてない)。
でも普通に考えれば実施行為としての「譲渡等」が日本国内に限るのですから、それと併記してある「譲渡等の申出」における「譲渡等」は日本国内の譲渡ですよねえ。
それに平成18年改正時に「輸出」が実施行為として追加された際も、「輸出の申出」は意図的に追加されませんでした。そうすると、「輸出の申出」さえ実施に該当しないのですから、外国における譲渡等の申出は、なおさら該当しないと考えるのが普通でしょう(法律学では「もちろん解釈」と言います)。
まあ私が保守的なことばかり言うのは被告側を代理することの方が圧倒的に多いということもあるようです。
それに、私の信念として、「弁護士は学者ではないのだから、新しい解釈を考えることより、裁判所がどう判断するかを正確に予想する能力がよほど重要」と思っているということもありますね。
でも知財弁護士は、こういうことを議論することを趣味とする人たちの集団です。まあ好きでないとやってられないですね。
法律になじみのない人は条文にすべて書いてあると思っているのですが、条文に書いてあることは本当に大枠だけです。注釈書を読んでも、大したことは書いていない。条文と注釈書だけ読んでわかったつもりになってはいけないわけです。楽譜と似てますね(わかる人にしかわからない例えですが)。




