2010-07-09 11:13:02 テーマ:知的財産

職務発明対価請求訴訟の真実

kimuralawの投稿

 昨日、私が会社側で関与している職務発明訴訟の判決があった。


 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010070800899


 この発明者は数十億から数百億円の対価請求権があると主張し、そのうち1億円を一部請求して提訴した。結果は約228万円(遅延損害金は別途)と、発明者側の惨敗である。


 しかし、こういう事件は新聞に載らないんである。一応、会社もニュースリリースを各社に投げ、問い合わせもあったそうだが、数千万円認容という判決でないと、読者にとって面白くないからニュースにならない。


 新聞に載るような華々しい事件の陰に、こうした地味な事件が多数ある。最近も、私は代理人でないが、うちの事務所で扱った事件で請求棄却になった事件があった。


 でも一般の人は新聞から情報を得るから、「職務発明訴訟って儲かるんだなあ」と勘違いしてしまう。


 個々の事件はすべて違う。だから裁判例の「傾向」などというものを軽々に語るべきではない。ましてや、新聞情報のみで「傾向」を理解しようなどと思うと、間違えること必至である。


 また、訴訟を起こすような発明者というのは、自分の発明を必ずと言ってよいほど過大評価している。二重、三重に勘違いをして訴訟を起こすのだから、勝てる方が不思議である。


 職務発明訴訟というのは、企業から見ればまるで生産的でなく、やりたくない訴訟である。われわれ特許弁護士から見ても、あまりうれしい事件ではない。


 世の中の勘違いが少しでも減って、沈静化に向かうことを祈るのみである。


 




 


 

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