第2回定例会の一般質問では、

「性的マイノリティに対する差別是正」を取り上げました。

 

以下に、一般質問の全文を掲載します。

かなり長文ですが、よかったら読んでください。

 

また、一般質問の様子を録画でもご覧いただけます。

こちらもよかったらご覧ください。

(性的マイノリティに関する質問は、開始から6分後です)

 

なお、質問に対する答弁については、議事録公開後に掲載する予定です。

 

録画 性的マイノリティに対する差別是正について

 

 

性的マイノリティに対する差別是正について、質問いたします。

 

渋谷区が同性のパートナーシップ証明書の受付を開始し、1年半が経ちました。その間、渋谷区は、17組の同性パートナーシップ証明書を交付。世田谷区でも、同性パートナーシップ宣誓の受付を開始し、50組の宣誓書を交付しています。また、この間、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、那覇市が条例や要綱を制定。札幌市も同性カップルについて、公的なパートナーとして認める制度の導入を検討しているとのことで、実現すれば、政令指定都市では初の試みとなります。

 

LGBTをはじめとする性的マイノリティへの配慮は、行政にとどまらず、呼応するかのように、たとえば日本IBM株式会社では、「IBMパートナー登録制度」を導入。パナソニック株式会社では、人事関連制度において、法的要件等で対象外となるものを除き、同性パートナーにも配偶者に準じた適用を行うなど、今後の動向が注目されるところです。

 

こういった我が国の状況から近年の動向と思われがちですが、同性パートナーシップの歴史を紐解くと、世界初の同性パートナーシップは、実に四半世紀以上も前に遡ります。

 

性的マイノリティに関する啓発活動を行っているNPO法人EMA日本によると、「1989年にデンマークで法制化され、2001年にはオランダが同性婚を世界で初めて正式に認めた。今日までに、同性婚あるいは同性婚に相当する同性パートナーシップなどの制度を法制化した国は、米英仏独など欧米のみならず、ブラジルや南アフリカなど全世界で47カ国にのぼる。」とのことで、私たちが関わる多くの国が同性婚や同性パートナーシップを認めているのです。

 

こうした同性婚をめぐる諸外国の状況、他の自治体の同性パートナーシップ証明書等の発行、さらには民間企業における社内規定の改定等の近時の動向を踏まえ、改めて、同性パートナーシップに対する区の考えをお聞かせください。

 

さて、杉並区議会においては、昨年の第1回定例会で性的マイノリティについて活発な議論が行われ、世間の注目を集めたことは、記憶に新しいところです。

 

杉並区での議論の後、このテーマは、国政のレベルでも盛り上がりを見せました。昨年5月には、野党4党が「LGBT差別解消法案」を衆議院に提出。また、注目すべき点としては、自民党でも「性的指向・性自認に関する特命委員会」が組織され、「国民の理解増進を目的とした議員立法の具体化」が打ち出されました。

 

自民党の特命委員会が公表した「わが党の基本的な考え方」では、歌舞伎の女形や「とりかへばや物語」などに触れ、「わが国においては、中世より、性的指向・性自認の多様なあり方について必ずしも厳格ではなく、むしろ寛容であった」と、保守らしい視点からこの問題に理解を示されている点は、大いに注目したいところです。こういった国政の動向からも、性的マイノリティに法的保護・権利を認める動きは確実に広がっていることがうかがえます。

 

そんな中、大きなニュースが飛び込んできました。大阪市が、市内に住む男性カップルを、養育里親として認定したというのです。現大阪市長の吉村洋文氏は、大阪維新の会の政調会長でもあり、維新と言えば、保守というイメージがあることから、その点からも今回のニュースに衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、吉村大阪市長のツイッターへの書き込みをご紹介したいと思います。「LGBTは、単なる少数者。活躍の場が制限されるのは社会的にもったいない。色々考え方はあろうが、他の自治体にも広がればいい。」「LGBTのカップルでは子育てができないのか。僕はそうは思わない。里親は子供のための制度。子供の意思確認もした。養育里親制度の趣旨も理解され、経済的にも安定、愛情を持って養育してくれている。児童虐待で回復不能な心身の傷を負う子もいる。」とつぶやかれています。

 

私も吉村大阪市長のお考えには、大いに賛同するところであります。一人でも多くの子どもが家庭で育つ環境を得られることが何よりも大切なことで、今回の一歩が、他の自治体に波及することを願うと同時に、私もそのための活動の一翼を担っていきたいと考えております。

 

そこで、早速、東京都の状況を確認してみました。ところが、東京都の里親認定基準は、同性カップルを里親として認定しない基準となっているのです。しかも、毎日新聞の調査によると、児童相談所のある69自治体で、同性カップルを除外する基準を設けているのは、東京都だけでした。なぜ、このような基準になっているのか、東京都の担当者に確認するも、納得のいく回答は得られずじまいです。

 

このことについて、林浩康・日本女子大学教授がコメントされていますので引用しますと「同性カップルに育てられることに何の害もないことは海外の事例からも明らかで、都は施設で暮らす数に比べ圧倒的に少ない里親の貴重な担い手を失っている。自治体の懸念はマッチングを慎重にすれば解決できる。家族のあり方の時代の変化に里親制度も対応させる必要がある」と指摘されています。

 

そこで、まず、里親までの道のりを簡単にご説明させていただきます。

1.児童相談所へ問合せ

2.申請要件の確認

3.認定前研修の申込・受講

4.児童相談所に申請

5.家庭訪問による家庭調査

6.児童福祉審議会里親認定部会で審議

7.東京都知事が認定・登録

という手順になっており、申請から登録までの流れは、3か月から6か月程度かかり、十分な審査が行われ、子どもが紹介されるスキームになっています。

 

しかも、その後、すぐに同居生活がスタートするのではなく、外出、外泊を重ね、子どもと里親の関係を築いていきます。さらに、児童相談所が訪問し、養育家庭の意思や子どもの状況をもとに総合的に判断した上で、委託の可否が決定されるのです。その間、おおむね3か月という期間を要します。

 

以上の里親までの道のりからも、林浩康・日本女子大学教授のご指摘の通り、問合わせの段階で、里親の門をわざわざ狭める必要はなく、マッチングを丁寧に行いさえすればすむことなのです。

 

また、大阪市の担当者にも大阪市の里親認定基準について確認してみたところ、国の里親委託ガイドラインに従っているとの回答を得ました。この里親委託ガイドラインには、同性カップルを除外するような内容は見当たりません。国のガイドラインに従うとするならば、子どもの最善の利益を実現する担い手であれば、同性カップルも養育里親になることが可能なのです。

 

以上の通り、大阪市の同性カップル里親認定を契機として、東京都の里親認定基準の問題点が浮き彫りになりました。

 

ところで、東京都の所管である里親制度について、なぜ区議会の一般質問で扱っているのか、そう思われるかもしれません。しかし、改正児童福祉法により、特別区での児童相談所の設置がようやく可能となります。

 

杉並区の児童相談所開所については、所管より、担当ポストの新設に伴い、今後、開所時期等を含む具体的な内容を検討していくと伺っております。杉並区において児童相談所を設置するとなれば、どう里親を増やしていくかも考えていかなければなりません。

 

これまで述べてきたように、東京都の里親認定基準は、古い固定概念を引きずった問題のあるものです。国の里親委託ガイドラインとの整合性を図り、同性カップルを除外するような運用は正すべきです。この点について、ぜひとも、区長のお考えを、お伺いしたいと思います。

 

続いて「性的少数者に対する理解の促進」事業について質問して参ります。

 

杉並区男女共同参画行動計画の一部改定からおよそ1年半が経ちました。計画には、「区民等に向けた啓発」として、「人権問題の一つである性的少数者に対する差別や偏見が解消され、区民や区職員の正しい認識と理解が促進されるよう啓発に取り組みます」という記述があります。

この間、区職員に対し、性的マイノリティへの理解促進に向けて、具体的にどのような啓発に取り組まれたのか、どのような理解促進が進んだのか、お伺います。

 

区職員を対象とした性的マイノリティ研修については、昨年、一度、任意参加の研修が行われ、約80人が参加したと所管から伺っております。しかし、職員のみなさんは、業務の中で様々な区民の方々と接するわけですから、できれば全職員が研修を受けることが、望ましいはずです。

 

たとえば、国立市では、市職員や嘱託等を対象に、平成26年から年に1回程度、LGBT研修を行っているそうです。現在までで、全職員のおよそ三分の一が、LGBT研修を受講しており、この研修は、全職員の受講が終了するまで継続するとのことです。

 

杉並区においても、このような、全職員への研修を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 

さらに、文京区では、文京区職員・教職員のために「性自認・性的指向に関する対応指針」を策定し、この指針を元に研修等も実施しているそうです。杉並区においても、性的マイノリティに関する職員の姿勢や考え方の指針となるものが必要と考えますが、区の見解を伺います。

 

次に、区民に対する性的マイノリティへの理解促進に向けて、実際にどのような啓発に取り組まれたのか、どのような理解促進が進んだのか、お伺いします。

 

さて、研修等により、性的マイノリティに対する理解が広がったとしても、実際に施設を利用する際に障害があっては対策は不十分です。大阪市では、性的マイノリティの方が利用しやすい庁舎・施設とするために、各庁舎・施設の多目的トイレの入り口に、性の多様性を象徴する虹をあしらったステッカーを掲示しています。大がかりな改修が不要なこういった対応は、すぐにでも可能です。是非、本区においてもこういった取り組みを敢行(かんこう)すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 

次に、性的マイノリティの児童生徒への支援について伺います。

平成28年4月、文部科学省は、教職員向けの周知資料「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」を通知しました。

 

ちなみに、平成27年4月に通知されたのは、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」です。みなさんもお気づきになられたかと思いますが、平成28年のタイトルには「性的指向・性自認」が加えられています。

 

そして、1ページ目の最初には、性的指向、性自認に関する用語の説明が記載されており、さらに読み進んでいくと、「まずは、教職員が、偏見をなくし理解を深める事が必要です。」と書かれ、性的マイノリティへの理解を呼びかけています。

 

そこで、伺います。この文部科学省の通知を受け、具体的にどのような対応を行ったのか、お答えください。

 

性的マイノリティは、少数者であるがために、周りと違う自分に戸惑いながらも、いじめや差別につながることへの不安から、なかなか周囲に相談できず、一人悩んでしまうケースが多いと聞きます。そんな時、支えとなるのは、やはり教員やスクールカウンセラーではないでしょうか。

 

児童生徒が何に困っているのか、どのような対応を望んでいるのか、教員自らが、性的マイノリティについて、正しく理解したうえで、児童生徒一人ひとりと、一緒に考えていくことが大切です。

 

そこで、伺います。教職員を対象とした、性的マイノリティに特化した研修は行なわれているのでしょうか。

 

場面ごとの配慮も必要となりますので、全教職員が研修を受けることが、望ましいはずです。

 

さて、世田谷区では、「世田谷区第二次男女共同参画プラン」の次期プラン策定に向けて、2016年8月、インターネットで、全国の10代以上の性的マイノリティ当事者約1,000人を対象に「性的マイノリティ支援のための暮らしと意識に関する実地調査」アンケートを行いました。

 

いずれも複数回答で、「あなたが経験したことのあるものを教えて下さい」という質問では、自殺をしたいと思ったが最多の49.7%、自殺未遂18.9%と続きました。

 

また、宝塚大学看護学部教授らによる調査によると、日本のゲイ・バイセクシュアルの男性においては、全体の65%が自殺を考えたことがあり、15%が自殺未遂をしているという結果が出ています。

 

近年、インターネット等では、性的マイノリティ関連の情報量も増え、肯定的な意見も多くみうけられる一方で、わが国には、今なお、根強い偏見や差別が残存しており、少数者にとっては生きにくい環境であることが、これらの調査結果からもうかがえます。

 

以上を踏まえ、当区においても、当事者の気持ちに寄り添った、

性的マイノリティ専用ダイヤルを設けるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 

なぜ、専用なのか?そんな疑問もあるかもしれません。しかし、誰にも相談できずに、自分だけで悩み続け、自殺を考えてしまうケースが相当数あることもアンケートでわかりました。

 

この問題は、極めてセンシティブな問題なのです。一縷の望みをかけて区の相談窓口に電話したところ、相談員の軽はずみな一言が相談者に回復不能なダメージを与えてしまう、そんな事態は防がねばなりません。性的マイノリティに関する正確な知識を持った専門スタッフによる専用ダイヤルは、場合によってはいのちの電話と同等の意味を持ちうるのです。

 

2015年4月、株式会社電通が、全国の約7万人を対象に行った調査では、7.6%、13人に1人がLGBTに該当すると回答しています。本区においても、それだけの割合のLGBT区民が居住されている、そのことを前提に政策を考えていくべきです。

 

次に、今後の、「杉並区男女共同参画行動計画」について伺います。

 

現行の「杉並区男女共同参画行動計画」については、29年度までの計画とされています。今後改定される本計画でLGBTをはじめとする性的マイノリティについてどのような方向を目指しておられるのか、過去の議会答弁では明確なお答えはなかったように記憶しております。

 

国政の動きなども踏まえた場合、杉並区としては、例えば、より力を入れて啓発に取り組むなど、積極的な方向に向かうのか。それとも、現状の取組で十分であるとお考えなのか。基本的な方向性だけでも構いませんので、現時点での区としての考えをお答えいただければと思います。

 

次に、実行計画を越えた、条例レベルの対応について伺います。昨年の議会では、既存の法制度との整合性や区民の賛否などを理由に、渋谷区・世田谷区と同様の条例・要綱の制定には否定的であるとのご答弁がありました。

 

しかし、性的マイノリティに関する区市町村の条例対応は、パートナーシップに踏み込んだものだけではありません。例えば、都内では文京区や多摩市などで見られますが、男女平等参画の計画の上位に推進条例を定め、そこで、性別と並び、性的指向や性自認による差別を禁止するといった、アプローチもございます。

 

既存の法制度との整合性や区民の賛否を理由にパートナーシップ制度の創設は困難ということであったとしても、少しでも現状を変えるべくこのようなソフトなアプローチを行うことは可能なはずです。より一般的な形での性的マイノリティに関する条例の制定について、区の見解を伺います

 

性的マイノリティに対する差別是正について、縷々質問してまいりました。そろそろ私の持ち時間も少なくなって参りましたので最後に、オリンピック憲章よりオリンピズムの根本原則 第6項をこの場でご紹介させていただきたいと思います。

 

「このオリンピック憲章の定める権利および自由は

人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、

政治的またはその他の意見、

国あるいは社会のルーツ、財産、出自や

その他の身分などの理由による、

いかなる種類の差別も受けることなく、

確実に享受されなければならない。」と明記されています。

 

本区では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、国際規格のビーチバレーコートを整備し、外国チームの事前キャンプを誘致する計画です。

 

ビーチバレーコートの整備については、私は反対しておりますが、外国チームの事前キャンプを誘致するということであれば、

ぜひとも、小中学生をはじめ区民のみなさんに、

オリンピズムの根本原則 第6項に「性的指向による差別禁止」がなぜ加えられているのか、学ぶ機会を設けていただくことを要望しまして、わたしの質問を終わります。

 

 

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