木又 誠次の大工日本一への道 -3ページ目

ホームページが新しくなりました!




6年ぶりくらいにホームページを新しくしました。


今回のホームページはスマホでも見れる様になり、


動画なんかも取り入れました。


前回のホームページでは私自身の写真しか載せてなかったのですが、


今回は職人達も増えましたので、職人達の写真も載せました。


ホームページを担当してくれたのは、今回もトリプルプライム!


写真はシュガールの佐藤くん、コピーはセンテンスのサイジョウくん。


みんなええ仕事してくれはります。おおきに!


是非一度見てやって下さい。


木又工務店


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木又誠次


箕面森町の家 竣工写真

去年の暮れにお引渡しさせて貰った、箕面森町の家の


竣工写真です。




箕面の山の中、自然に囲まれた敷地に


こじんまりとした小屋が4つ、角度を変えながらつながっています。





外壁は焼き杉が張られ、構造は鉄骨造。


一部木造もあります。




アプローチ部分。


至る所にFIXガラスがあり、外と内との境が程よく


緩やかにつながっています。




玄関のピーラ杢板の建具にケリ板は錆び鉄板を貼り、


引き手は木工作家さんによる黒柿の引き手です。




玄関を入ると、コンクリートの土間に左官屋さんによる


葉っぱのレリーフが出迎えてくれます。




玄関廊下を抜けると、リビングからは箕面の里山の風景が


広がります。この時期は山桜が咲いています。


夜になると薪ストーブの炎を見ながら、家族団欒の時間を


過ごされているそうです。





玄関棟、リビング棟、和室棟、浴室棟が角度を変えながら、


心地よくつながっています。


それぞれが平屋で、どれも高さが程よく、居心地が良いです。


キッチン以外の家具は全て大工造作によるものです。




小上がりの和室。




障子の桟は壁に乱張りにした板に合わせています。


座卓はケヤキで製作しました。




開くと、ここからも里山の景色が望めます。


とても心地よい風も抜けます。




ピーラの柾板の乱張りと左官の中塗り仕上げ、


和紙とい草の組み合わせがうまく調和しています。




洗面室から浴室へ。


壁と天井はカラーモルタルで塗りまわしています。




浴室からも里山が望め、露天風呂の気分です。


ご主人はとても気に入られ、休日には3回も入る事があるとか。




屋根裏には杉板張りの隠し部屋。


息子さんの隠れ家になっています。




至る所にFIXが有り、外の自然とつながります。


FIXは全てスチール製作で既製品がありません。




窓から入る陽射しに木の葉の影が落ち、


床に映る影が風に揺れます。


ここでは時間がゆっくりと流れているようです。




外溝で版築にも挑戦しました。


施主さん家族と設計事務所のスタッフさん達と


ワークショップ形式で版築してみました。


作業は大変でしたが、良い雰囲気に仕上がりました。




既製品がほとんどなく、職人達の手作業による


家作りをさせて貰いました。


設計は間工作舎 の小笠原絵理さん。


小笠原さんは職人達と一緒に作っていくと言う想いを


とても大事にされていて、そんな小笠原さんとの家作りは


我々職人も楽しく、やりがいがあります。


素敵な施主さんとも出会え、良い家が完成しました。



設計 間工作舎


施工 木又工務店


基礎 野並工業、 鉄骨 進広鉄工、 板金 岡本板金工作所


左官 梶原組、 FIX フタバ、 ガラス 原澤ガラス


建具 中村建具店、 塗装 宮坂塗装、 電気 ボルテック


水道 高木住宅設備、 ガス 伊丹産業、 材木 前田木材


外溝 杉景



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ちょうなで名栗る

釿(ちょうな)で名栗る(なぐる)




現在、刻み中の現場で釿(ちょうな)で名栗(なぐり)と


いう加工をしてみようと思いました。


ちょうなと言うのは古来からある大工道具の一つで


曲がった木の柄の先に刃がついてあり、立った状態で上から


振り下ろして使う道具です。


昔、製材技術がまだ発達していない時代、ちょうなで木の


形を作っていっていました。


今でも正月には大工道具の三種の神器とされ、墨坪、曲尺(さしがね)と共に


祀られたり、一軒の家の工事を始める際には「ちょうな始め」と言ったりします。




通常は「ハツリ」と言い、写真の様に丸太などの木作りを


して行く時に使う事が多いです。こういう作業の時には


平刃と言って、刃の先が真っ直ぐな物を使います。


写真で使っているのは、平刃の四寸。




今回は「名栗(なぐり)」と言って、規則正しくハツリ、


そのハツリ跡を見せる技法を使います。


名栗に使うちょうなの刃先は蛤刃(はまぐりば)と言い、


平刃よりも刃先が緩やかにカーブになってあり、


平刃でハツるよりもハツリ跡が深くなり、模様もはっきりと出てきます。




上の写真は杉を名栗った場合。


ハツられた跡が出て、鉋で仕上げた時とまた違う表情になります。




栃(トチ)の小梁を名栗ります。


栃は白く、名栗をして行く際にハツリ跡が見えにくいので、


先にオイルで色付けしてハツって行きました。




逆目が起きない様に、木目を見ながら一列ずつハツっていきます。


木目が乱れてる部分は逆方向からハツったりします。




一列行くと、また半分ずつ間隔をずらしてハツって行きます。




全てハツリ終わった所です。


今回はこれに自然塗料のいろはオイルで着色します。


濃茶とクリアを混ぜて色付けです。





こんな感じで仕上がりました。


これを和室の小梁で一本だけ使います。


この現場ではこの他にももう一箇所、


化粧でみえてくる小屋束にこっそり名栗をしています。



「釿で名栗る」


綺麗に名栗るのは、かなり難しいです。


刃を良く研ぎ、何度も練習をしなくてはうまくなりません。


自分自身、もっと修練を積み、また新たな釿による


表現方法を考えて行きたいと思います。


そして弟子にも受け継いでいって貰いたいです。


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