蜜柑草子~真実を探求する日記~

常識と非常識、既知と未知。
それらを折り合わせながら、"真実"を探求する日記です。
更新頻度は気まぐれ。みかんが美味しい。
引用・転載は自由ですが、その時はURLを明記してください。


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その1その2はこちら。

条文はこちら。
TPP協定の全章概要(日本政府作成):PDF
TPP協定の全章概要(別添・附属書等):PDF
TPP全文:"Text of the Trans-Pacific Partnership"

さてさてさて、今回もTPPについて書いておこう。
農業の関税とか自動車のセーフガード措置といったテクニカルな話は、他のところで書かれているだろう。
本丸の一つの医療(保険)の分野であれば、以前からジャーナリストの堤未果さんが切り込んでいるので、そちらを参照。
政治過程や具体的な制度などもお書きになっている。

筆者は、ごく普通の一般市民なので、別の視座から書いておく。


TPP委員会
ご覧になった方も多いと思われるが、これは第27章(運用及び制度に関する規定)にある。
これまで散々、TPPの驚くべきことを書いて来たのだが、この存在も驚きだ。
この章は短いのだが、すごいことが書いてある。

それがTPP委員会だ。
締約国は、それぞれの国の大臣又は上級職員(日本で言えば官僚だろう)のレベルで会合するTPP委員会の設置をする(第1条)。
その代表者は、それぞれの国で決めることができる。
この委員会は、協定発効後、一年以内に会合を開き、
その後は、TPP委員会の任務を完全に果たすために必要な場合など、締約国が決定した時に会合を開く(第4条)。
(事実上、いつでもということだろう。)
このTPP委員会の任務はいくつかあるのだが、TPP委員会は、
(d) この協定の下で作られる、全ての委員会及び作業部会の作業を監督する。
(f) 締約国間の貿易や投資をさらに大きくするための方法を検討する。
などの役割をする(第2条1項)。
(d)で言われる委員会や作業部会は、例えば、第15章(政府調達)では、第23条に従って作られる。
この委員会では、第15章の実施や運用に関することで、締約国の要請により、それを協議したり、
公共事業をさらに自由化したり、差別的な基準を撤廃するような交渉がなされる。
TPP委員会は、こうした全ての委員会や作業部会を監督し、その上に立つ存在。

TPP委員会の意思決定は、協定に別段の定めがある場合以外は、コンセンサス方式(≠全会一致)によって決定される。
日本と呼ばれている国では、憲法98条2項により、条約の方が国内法に優越するため、
このTPP委員会が、形式的にも、国会より上位に来る。
ということは、TPP委員会で決まったことが、日本で実施されるようになるということだ。
しかもこうした意思決定の手続きは、TPP委員会で決めることができるため(第4条4項)、交渉同様、秘密裏になるだろう。
また、TPP委員会は、自身の役割を妨げるような問題について、
非政府の人間や集団(group)に助言を求めることができる(第2条2項(g))。
条文ではこういう書き方をしているが、実質的には、
アメリカを支配しているグローバル企業やグローバル金融資本の人間がTPP委員会に口を出せる(ように仕向ける)、ということだ。
こうしたことに加え、以前にも書いたようにISD条項によって訴訟が次々に起こされるため、
「彼ら/彼女ら」の意向が反映された法令や環境が日本という国に次々に整備されるようになる。

ここまで来るとマンガやアニメみたいだが、これも本当の話。
1回目に読んだ時は、「TPP委員会って何だよ」と、思わずツッコミを入れたくなる感じだったが、
しかし、条文を素直に読んでも、そう書いてある。
ちなみに、その1その2はで書いた内容も、素直に条文を読んだだけであり、ほとんど特別な解釈をしていない。
未読の方向けに書いておく。
日本語訳の概要は、意図的に重要な箇所を省略してあったり(例:第9章第21条や第15章の附属書など)、
"等"という文言の中にわりと大事なことが隠されてしまっていることがあるので、印象が全く違ってしまう。
英語の原文は、附属書を含めて1000ページ程度なので、こちらをおすすめする。
(正確にはこれに加え、交換文書が加わる。)
(影の)世界政府樹立に向けた動きをありありと感じることができるだろう。


今後
世界政府樹立で思い出したので、IMFと中国の熾烈な争いについても、ちょっとだけ書いておこう。
中国の人民元が、いよいよ、2016年10月からSDR構成通貨の仲間入りする。
11月30日に、IMFが正式決定した。
構成比率は、ドル、ユーロに続いて、元は3番目になる。円は4番目。
人民元が正式な国際決済通貨になるということだ。

これを利用して、中国は、さらに世界各地に手を広げて行くだろう。
特に、中東では、産油国との原油の元建て決済を目論んでいるだろう。
ドル建てだけでなく、元建てでも決済できるようにすることは、中東にとっても悪い話ではないので、いずれ実現されていくだろう。
また、EUとは一帯一路でさらに関係を強化し、ロシアに対しても切り下げられているルーブルを助け、
アジアとはAIIBを使うなどして影響力を行使し、元の経済圏を構築していく。
上流階級はもちろんのこと、年収10億円以上の中流階級の影響も、さらに大きくなるだろう。
そして、中国国内に積み上がっている様々な債務(債権)の証券化も、視野に入れているだろう。
CDOなどにより組成されたトリプルA債に加え、2次や3次以上のCDO、その他様々な金融商品が作られ、
国際的なデリバティブ市場(という名前のババ抜き大会)で大きな力を持つ日もすぐそこだろう。
なるほど、その手で来たか。
彼らは、「こんなことができるのか!?」というようなことを平気で実現してくる。
国内にとてつもなく巨大な矛盾を抱えたまま、十数億の人間を率いなければならないので、やはり上の人間はケタが違う。
今後も中国とIMFやグローバル金融資本との熾烈な戦いは続く。


一方、日本という国は、完全に蚊帳の外。
TPPによって、アメリカと日本がやり合った時に、
ほぼ確実にアメリカが勝てるような枠組みがまたしても作られてしまい、日本は第2の敗戦をしてしまったのでした。
こうした枠組みを作ることも世界皇帝達の得意技だ。
こういった話は、抽象度の高い世界なので、目に見えず分かりにくいが、大変強力だ。
しかも、今すぐに効いて来るのではなく、少し経ってから効いて来る。
そして、気がついてみると、ほぼ必ず負けるような戦いをさせられている。
自分にとって、完璧に不利なルールなのにも関わらず、賭場で「次こそは!」「これしかないんだ!」と叫びながら、
負け続けるのでした。
シンガポールの外交官が言うように、"a big fat loser(デブの敗者)"。
オリンピックの競技同様、委員会による一方的な変更もされ、日本人は次々と敗れてしまうのでした。
もう世界皇帝達の眼中には無いだろう。

このまま行くと、日本という国は通貨発行権も奪われるだろう。
TPPや郵政民営化により加速された財政破綻が到来し、株安・債券安・通貨安のトリプル安を経験する上、
5年以内にはIMFの管理下に入ると言われているが、それは経済的な主権も完全に失うということだ。
日本銀行の出資証券のうち、55%は日本政府が保有しているが、これも失うことになるだろう。
日本と呼ばれる国は、通貨までも世界政府に握られ、世界皇帝達とのIQや力の差を知らしめられてしまったのでした。

日本という国は、「30年後にもまだ残っていればいいね~」、「そうだね~」、という感じだろう。
その頃、日本語と呼ばれる言語を話す人々は残っているだろうが、日本という国が残っているという確証はどこにもない。
(仮に、残っていたとしても、それが国家と呼べるような代物かどうかは定かではない。)
「東アジアに存在する細長い火山列島の上にある国が日本である」ことに必然性はない、ということだ。
それは、アメリカかもしれないし、中国かもしれないし、はたまた別の国や、極端にはほぼ無人島かもしれない。
そうした可能世界(possible world)でも十分に到達可能(accessible)だ。(そうでなければ、安全保障という概念は不要だ。)
日本という国は、必然的に存在するのでもなく、たまたま存在するだけ。
天から降って来たわけでもなく、人によって作られたもの。
であるが故に、自分達で作り変えることもできるのだ。
これを「作為の契機(けいき, きっかけの意)(丸山真男)」と言う。
このまま「作為の契機」を体得できなければ、日本という国は、恐らく無くなるだろう。

まぁでも、日本という国が無くなることもそんなに心配する必要はないだろう。
ユダヤ人も世界中に離散した後、今のように国家を作っているのだから。
「作為の契機」を知るいい機会になるかもしれない。
うまく行けば、ユダヤ人のように2000年後くらいにはもう一度、日本と呼ばれる国が存在しているかもしれない。
啓典が無いため、日本人と呼ばれる人々や日本語と呼ばれる言語が存在しなくなってしまい、
そうしたことができない可能性も高いけど。
結果は、2000年後のお楽しみ。


次回も気が向いたら更新。


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さてさて、今回もTPP。
前回の補足なども含めて、書いておこう。
条文はこちら。
TPP協定の全章概要(日本政府作成):PDF
TPP協定の全章概要(別添・附属書等):PDF
TPP全文:"Text of the Trans-Pacific Partnership"

TPPの成立と今後
まずは、基本的なことから書いておく。
10月5日に、閣僚達の合意によって、TPPは最終的な合意に達したのだ。
10月5日付けの閣僚声明ではきちんと、
"We, the trade ministers of ... are pleased to announce that we have successfully concluded the Trans-Pacific Partnership."
と発表されている[1]。
日本では「大筋合意」とばかり報道されているらしいが、
そうではなくて、すでにTPPは合意され、条約は成立している。
国際法上、国家間の合意があれば、それで条約が成立する。
(民法でも、意思能力及び行為能力を持つ契約主体の合意により、契約が成立する(自然人の場合)。口約束でも成立する。)

そもそも、TPPの正式名称は、"Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement"であって、
これに関わるということは、Agreement(合意)するということが前提とされている。
(条文を読めば分かるが、"under this Agreement"といった表現が繰り返し出てくる。)
だから、交渉をするという時点で、半ば合意しているようなものだ。
むしろ交渉に参加することが、「大筋合意」と言っていいくらいだ。
そして、"Strategic"という単語の用法も、日本人という人々には共有されなかった。
これは、関税のように経済的なことだけでなく、政治にも関わり、
相手の国家を解体する、という意味。

次に、11月5日に、日本政府の責任により、TPPの全文の概要が公開された。
これにより、日本という国は、TPPの成立を追認した。
日本という国では、条約の締結権を持つ内閣(憲法第73条)の代表が交渉に参加して合意し、
それを政府として追認した。
そして、ウィーン条約法条約第18条により、締約国には、条約が成立(署名)されて以降、
条約の効力発生前に条約の趣旨及び目的を失わせてはならない義務がある。
従って、農業への補助金など、TPPに反するようなことをしたりするのは、
信義則に反し、後に損害賠償請求の対象にされる。
こうして、TPPは、すでに事実上発効している。もちろん、正式な発効はまだまだ先だが。
11月5日の文書を、内閣官房の名義で出さなければ、また違う道を歩むこともできただろう。

ここまで来てしまってはいるものの、TPPを抜ける道はかろうじて残されているのだが、
日本という名前の国では、恐らく、このことを使って、次のように言う人々が政権中枢やその周辺に多くいるだろう。
「TPPは、事実上、発効しているのだから、それに従って政策を作るしかないんだ。」
そして、後になると、いつもの決まり文句が出てくる。
「今さらやめられないと思いました。」
日本人という人々の行動様式が大きく変わることがない限りは、こうなるだろう。
日本という国は、すでに「彼ら/彼女ら」の眼中には入っていないだろうが、アメリカ国民はまだしぶとく抵抗するだろう。
アメリカは、議員にも反対派が多くいるし、市民社会の反対も強くなってきているので、もしかしたら撤退できるのかもしれない。
そうなれば、カナダも確実に撤退し、TPPはご破算だ。
(2015年12月16日追記:よく考えてみたが、アメリカやカナダが撤退した場合でも、日本をTPPに参加させ、収奪することは可能なので、ご破算にはならないかもしれない。)


ISD条項
TPPの最も重要な部分("Strategic"なこと)は、前回の記事にも書いた。
特に、第9章に含まれるISD条項が、破壊的だ。
多くの方がご存じのように、ISD条項は、投資家や企業が他国の政府を訴えることができるという条項。
この存在を知らないまま、条文を読むと、TPPを錯覚してしまいそうになる。

一つは、条文の至るところに出てくる表現だ。
"Nothing in this Agreement prevents a Party from ..."
(「この協定は、締約国が、・・・の利益を保護するための措置をとることを妨げるものではない。」)
といった表現を読むと、「あれ?そんなに悪い条約でもないのかな?」と思ってしまうので注意が必要だ。
確かに、そういった措置を取ってもいいのだが、それはISD条項による訴訟対象になり、
損害賠償を請求される可能性が大だ。
しかも、その措置を取り続けるならば、それをしていた年数を掛けただけの損害賠償が請求される。(例:1兆円×10年=10兆円。)
だから、事実上、そんなことはできない。

もう一つは、第28章「紛争解決」だ。
この章には、締約国で揉めごとが起きた時には、交渉したり、話し合いをしたりして、
それでも決まらなければ多数決にしましょう、といった、良さげなことが書いてある。(第11条)
でも、これは国家と国家との間での話であるということに注意が必要だ。
ISD条項はそうではなくて、企業が国家を相手に訴訟でき、世界銀行傘下のICSIDの法廷で争うということだ。
そして、ほぼ間違いなく、アメリカの企業(実際には、アメリカに税金すら払っていないだろうが)の勝訴になる。

ここで、その紛争解決手続きについて書いておこう。(第9章第17条以下)
(かなり細かい規定があるのだが、おおざっぱに書いておく。)
まず、紛争が起きた場合には、申立人(投資家や企業)と被申立人(国)との間で、
交渉をするなりして、解決しなければならない。
そして、被申立人が書面による協議の要請を受け取ってから、6ヶ月以内に解決できなかった場合には、
申立人は、被申立人が違反した事項や、その違反によって受けた被害などの申立てをし、仲裁にかけることができる。
そして、その仲裁者は3人。
紛争当事者から、1人ずつ。そして、当事者同士が合意した上で、もう1人を指名する。
当然、3人目が決まらないことが自然なわけだが、申立てが仲裁に付託されてから、75日以内に仲裁者が決定されない場合は、
いずれかの当事者の要請により、ICSIDの事務局長(the Secretary-General)が、3人目の仲裁者を指名できる(第21条3項)。

この条項により、アメリカの企業が日本を提訴した場合、2対1の状況が作り出される。
アメリカの企業が1人指名、アメリカが支配する世界銀行傘下のICSIDが1人指名、そして、日本側が1人だ。
そして、ワシントンD.C.の法廷で争われる。
こんな状況では、アメリカの企業が勝つのが当たり前だ。
(反対に、日本企業もISD条項を使って、アメリカ政府を提訴できるのだが、これも2対1となり敗訴する。)
こうして、日本という国は敗訴に次ぐ敗訴。
毎年毎年、巨額の損害賠償を請求されるか、法令や環境の整備を要求され、ボロボロにされてしまうのでありました。


かんぽの狙い撃ち
これもTPPの本丸の一つだ。(第11章 金融サービス)
(農業や食品、自動車の分野も、影響が大きいのはもちろんだが、わりとテクニカルな話だ。)
かんぽ生命保険は、郵政民営化以来、ずっと狙われ続けて来た。
これは、第11章の附属書C節に書いてある。
固有名は出されていないが、ここに書いてある「郵便保険事業体」とは、かんぽのことだ。

かんぽは、日本国内で大きなシェアを持ち、莫大なお金を持っている。
かんぽの個人保険の契約件数は毎年約200万件で、日本国内トップ。
そのため、かんぽに積み立てられた責任準備金も膨大な金額になっている。
そのお金をアメリカの保険会社(アフラ○クなど)に売り渡すために、
「締約国は、自国の国内で、同種の保険サービスを提供する民間のサービス提供者と比較して、
郵便保険事業体が有利となるような状況を作ってはならない」といったことが規定されている。
しかも、ご丁寧に第6項で、その数値目標まで指定されている。
(これを1回目に読んだ時は、筆者もさすがに震え上がった(( ;゚Д゚)) )
今後、このお金が、民間、特にアメリカの保険会社(アフラ○クなど)に流れていく。

これだけでもかなり悲惨な話だが、それでは終わらない。
以前の記事でも書いたように、かんぽに積み立てられたお金は、こっそり日本国債の購入に回され、特別会計の原資になっている。
従って、アメリカの保険会社にお金が流れていくようであれば、
特別会計の原資も急速に減っていき、社会保障費などの削減という潮流が作られやすくなる。
そして、財政破綻の時期もますます早まってしまうのでした。
念のために書いておくと、巷でよくある話に、「日本は財政破綻やデフォルトをしない」というものがある。
でもこれは、「今は」という但し書きが付く。
それは、2020年頃までの話。このままだと、残された時間は長くて5年程度だろう。
その頃には、国債の発行残高もさらに積み増され、日本人や日本の金融機関だけでは、国債を買い支えられなくなる。
ゆうちょの預貯金やかんぽの積立金も、アメリカに流れていくから。


学校給食、移民
TPPの成立には、愛国者(笑)が果たした大きな活躍も見逃せないので、これらのことも書いておこう。

学校給食での「地産地消」の取り組み。
これも完全にTPP違反。
第15章(政府調達)により、全都道府県および全市区町村の調達も、ほぼ全てTPPの対象になる。
学校給食も例外ではない。
そして、第16章(競争政策)や第26章(透明性及び腐敗行為の防止)第1条などに基づき、
「あなた方は、何故、地元の食材だけを使っているんですか?
 何故、我々が作った食材を差別するんですか?
 あなた方の談合により、我々は、自由な競争を阻害され、巨額の機会損失を被っています。」
とされ、ISD条項で提訴される。
そして、自治体の条例の変更などを余儀なくされる。(これは米韓FTAで実証済み。)

日本の学校給食に、温かくて美味しく、安心で、安全な食材を出したらダメでしょ。
柳田国男の「国土と結びついた人間の絆」なんて、そんなこと言ったらダメダメ。
TPPに従って、素性のよく分からないような食品を出さないと。
せっかく、動植物や食品の検疫の規制も緩和し、
通関にかかる時間を48時間以内にしなくてはならないようにしたのだから。(第5章第10条)
こうして、愛国者(笑)の考えていた通り、
地域の文化を残そうとする試みや共同体自治はますます弱ってしまうのでありました。
マルクスに倣って言えば、学校給食まで、外資というジャガーノートの車輪の下に置かれてしまうのでした。


最後にもう一つ。
第12章(ビジネス関係者の一時的な入国)について。
これもすごいことが書いてある。
書第4条及び附属書によれば、実質的に、TPP締約国からのビザ無し労働者を許可せよ、と書いてある。
(もちろん、全員ではなく、特定の条件を満たしていれば、という話。)
当然、その子供や配偶者も同じ期間の滞在を認めなければならない。
しかも日本の場合は、期間が切れた後、延長がいくらでも可能なので、完全に移民。
(「契約に基づくサービス提供者」の場合は、5年を超えない期間の滞在が可能。)

これと第15章(政府調達)により、次のようなことになる。
高速道路や鉄道の整備などの公共事業を、ベク○ルのようなグローバル企業(多分、その子会社とか)が、
海外から入札して元請けになる。
そして、それを日本法人に下請けさせるなどする。
そうすれば、第12章附属書F節第2項を適用でき、ベトナムやチリといった国の低賃金労働者を雇い、日本国内に派遣することができる。
ここで、第10章(国境を越えるサービスの貿易)第5条により、
締約国は、国境を越えるサービス提供者(法人及び自然人)に対する数の制限を加えてはならないため、
外国からの低賃金労働者を無制限に受け入れることになり、そのまま移民となる。

移民による経済的な影響として、日本人の失業者が増えるのはわかりやすいが、それに伴って賃金も切り下げられていく。
日本人の失業者が増えることへの対策は、雇用を増やすしかない。
(移民を止めるというのは、ISD条項により提訴される。)
一方、賃金の切り下げは、労働組合などによって、同一労働同一賃金の論理を貫徹させるようにすれば、なんとか防げる。
しかし、日本人と呼ばれていた人々には、そうした考えも共有されることがなかったので、
移民による賃金の切り下げ圧力を抑えることができず、ますます賃金が切り下げられてしまうのでした。

また、移民の増加による社会的な影響も無視できない。
言語や習慣、風俗が異なるので、移民の数が増えることにより、日本列島の原住民との社会的な軋轢が増えていく。
今のEUが直面していることを、アジアの東の外れにある日本という島国もいずれ直面することなる。
(EUでは難民のこともあるが。)
せっかくなので、さらにもう一歩進んでおこう。
それは、サブプライム危機だ。
移民が増えてくれば、当然、その人たちが住宅を購入したいという需要も大きくなってくる。
中には優秀で高い所得を得る人もいるだろうが、大半は低所得者の可能性が高い。
そうした低所得者や信用度の低い人向けの住宅ローンが、バンバン貸し出されるようになる。
実際、もうすでに仕掛けは始まっている。これが移民にまで拡張されていくのも時間の問題だろう。
第13章(電気通信)により、テレビの外資規制も撤廃されるため、こうしたことも簡単簡単。
こうして、日本という国は、ここでもグローバル金融資本のカモにされてしまうのでありました。


これが日本という国に待ち受ける未来。

次回もTPP


[1] 「環太平洋パートナーシップ閣僚声明」(現地時間2015年10月5日発表)


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10月5日の「大筋合意」、11月5日の政府による文書公開によって、TPPも事実上発効となり、
日本という国の未来が段々明らかになってきたので、書いておこう。
日本人という人々の多数の行動様式が変わらない限りは、おおよそは、こうなるだろう。

さて、日本政府による一部翻訳および英文の全文に目を通した方も多いと思われる。
さすがはアメリカの法律家といったところで、原協定が遙かに膨れ上がっていた。
(だいたい、翻訳の概要は100ページ、英文は本文600ページ+附属書400ページ。原協定は160ページ+附属書)[1]-[4]
強力な爆弾とされるISD条項も含まれることになった。(第9章)
これもひとえに大多数の日本人の協力のおかげで、
アメリカさえも支配するグローバル企業やグローバル金融資本の予定通りになった。
2012年の選挙で日本人がこういう道を選んだ結果であり、日本人の責任。
(投票をしなかった、ということも、不作為という選択をしたことになる。)
これで心おきなく、合法的に、日本という国、そして日本列島からいくらでも収奪できる。
そこで、今後のシナリオをいくつか書いておこう。
(下記のこと以外にもすごいことがたくさん書かれているということは言うまでもない。)

まずは、農家への補助金。
これは、第16章(競争政策)第1条に基づき、全面的に廃止。
国が農家を保護・支援することは、反競争的な政策なので、そのような状態は変更しなければならない。
もしそれをやらなければ、ISD条項を使い、グローバル企業に巨額の賠償請求を起こされる。
対象とする年数にもよるが、数兆円はもちろん、数十兆円という規模でもおかしくないだろう。
「日本政府による、日本の農家を保護する政策によって、
 我々は公平な競争をすることができず、多大な損失を被った。」というように。
訴訟はもちろん、ワシントンD.C.にある世界銀行傘下のICSID(International Centre for Settlement of Investment Disputes)で、英語で行う。
そして、そのための法的証拠集めも始まっているはずで、下手をすると訴訟対象になる。
閣僚達の合意と内閣官房による文書公開により、TPPは事実上、発効してしまっているので、
11月5日以降、日本の農業を守るために、農業への補助金を出そうかどうしようか、
などと言うのは、公平な競争を阻害する行為であり、TPP違反で訴訟対象。
カナダですらボロ負けなので、日本という国も当然、それ以下の敗北を喫する。
これに加え、第2章第4条に基づき、若干の猶予があるものの関税がほぼ全て撤廃されるため、オーストラリアなどの安い農作物が怒濤のようになだれこんでくる。
(撤廃されない品目もあるのだが、競争を阻害しているということでISD条項の対象になるなどして、結局は撤廃だろう。)
補助金という支えを失ったため農家の廃業が増え、日本という国の食糧自給率は、さらに落ち込む。

ついでなので、食品に関して書いておく。
遺伝子組み換え作物(GMO)も、これからどんどん入ってくる。
(11月19日には、ついに、GMOサーモンがFDAに承認された。)
第8章附属書Gでは、締約国は、有機産品の生産や加工、適正評価の方法を、
要請してきた他国と同様にすることが奨励されている。
もしこれをしないのであれば、その他国に対して、それを実施しない理由を説明しなければならない。
(ということは、GMOの有害性を、FDAの人間達に対して、科学的に立証できるほどでなければならない。)
これにより、アメリカのFDAで承認されたGMOは、厚労省も承認し、国内で販売できるようにしなければならない。
また、販売するパッケージの表示法もアメリカに合わせなければならない。
そうしなければ、
「厚労省がアメリカと同等の基準を採用しなかったばかりに、我々は莫大な損失及び機会損失を被った。」
と言われ、ISD条項により日本政府は提訴される。


そして、政府調達。(第15章)
これがまたすごい。ここまで全面的に開放するのは史上初の試み。
衆議院、参議院、最高裁から、全省庁はもちろん、全都道府県、全市区町村まで、対象に含まれる。
そして、農業者年金基金、水資源機構、理研、産業技術総合研究所、物質・材料研究機構といった研究機関、
日本年金機構、全国健康保険協会、成田空港、東京メトロなどなどなどといった機関も対象。
筆者もさすがに、「えっ!理研や産総研?」と最初読んで驚いた。
化学分析用の装置だとか、各種測定器などが対象と書かれている(附属書D節)。
(さすがにここまでやってくるとは原協定を読んだだけでは想像できなかった。)
その他、電線だとか農業機械、線路だとか、ほぼありとあらゆる物やサービスが対象。
これらを調達する際には、他国の企業も、自由に参入できるような状況を作っておかなければならない。
その際、第15章第7条に基づき、インターネットで海外からも入札できるようにし、
なおかつ、物やサービスを調達する過程の記録、公示は英語でもしなければならない。
それをしていない国会や都道府県、市区町村は全て、
公正で公平な競争を阻害していなかったかどうかをチェックされるなどして、ISD条項による訴訟対象。
「そんなこと知りませんでした。」
ノー、ノー、ノー。そんなの通らない、通らない。
「あなた方は、あの時、英語も使用していませんでしたね?
 英語ができないのなら、翻訳者を雇えばいいだけなのに、それもしませんでしたね?
 こうして、あなた方がTPPに従っていなかったために、我々は巨額の損失ないし機会損失を被った。」
というように数年以内には訴えられ、ワシントンD.C.の法廷に引きずり出される予定。

それから、水道も、保険も、何から何まで民営化されていく。
「日本政府や市区町村が、上下水道の整備・管理という事業を市場に開放しなかった。
 入札しようと思ったら、水道事業の調達に関する情報が、英語ではなく、また、インターネットにも公開されていなかった。
 そのため、我々は莫大な損失を被った。」
と言われ、これも訴訟対象。
保険ももちろん対象で、国民皆保険制度は、完全にTPP違反。
これは、どこからどう見ても、日本の事業体による寡占状態。
そのため、何らかの措置を取る必要がある。そうでなければ、
「国民皆保険制度により、我々(アメリカの保険会社)は公平な競争をすることができず、
 我々が多大な損失を被っただけでなく、日本国民の消費者の利益を損なった。」
というように、厚労省や各自治体の事業などがTPP違反だとされ、日本政府は提訴される。
そして、国民皆保険制度は、次第に崩壊していく。
裁判の費用は、弁護士を雇ったり、文書を英語で書かなければならなかったりで、1件あたり年間数億円はかかる。
こうしたものが年間、何十件、何百件となる可能性がある。
そして、公共事業が民営化され、市場原理にさらされていく。

これと並行して、医療の民営化も進む。
株式会社による病院の経営も広まっていく。
日本政府の規制による、非営利組織のみの病院経営は、自由で公平な競争を阻害しているため、
この規制も撤廃するか、さもなければ、
「日本政府の規制によって、我々は自由で公平な競争を阻害され、多大な損失を被った。」
と言われ、ISD条項による訴訟対象。
そして、アメリカの企業が経営する病院を含む病院同士の自由競争により、小さな病院などは次々に淘汰されていく。
すると、診療価格を独占的に決める病院が出現し、国民皆保険制度も崩壊し、
医療を気軽に受けられない状況となる。
医薬品についても、自由診療となる以上、薬価がつり上げられるのは当然ながら、
ドラッグ・ラグも完全にTPP違反。(第18章第48条)
ドラッグ・ラグは、他国では承認された薬が、日本で承認されるまでにかかる時間の差のこと。
「我々の医薬品は、FDAにはすでに承認されているが、日本の厚労省が即座に承認しなかったため、
 我々は多大な機会損失を被った。」
とされ、数々の医薬品に対して、ISD条項による訴訟対象になり、日本政府は提訴される。

これらのことに対して、憲法第25条(健康で文化的な最低限度の生活)によって防衛しようとしても、苦しい。
裁判所による判決ですら、ISD条項によって、訴訟対象になる。
その事例として、現在、アメリカの製薬会社のEli Lilly and Company(Lilly)が、カナダ政府と係争中だ。[5][6]
これは、カナダの連邦裁判所が、20109月にLillyの製品の特許は無効であるという判決を下したことに始まる。
その後、Lillyは控訴・上告をするが、棄却・却下された。
すると、Lillyは、NAFTA第11章(ISD条項)に基づき、カナダ政府を提訴。
現在は、5億ドル(約600億円)の損害賠償請求を求めて争っている。[7]
カナダですらこのような状況なので、日本と呼ばれている、アメリカの属国はボロボロにされる。
何もかもが民営化(外資の参入)、または、訴訟の対象になる。


「でも、日本社会は、以前から、そして今も「カネの切れ目が縁の切れ目」という社会ですよね。
 自殺者は毎年10万人以上、経済的な理由や失業したくらいで自殺する人も多数。
 日本人は、ずっとこの状態を放置していますよね。
 それなのに、水道や医療などが民営化され、命の沙汰もカネ次第になることの何が悪いんですか?
 教えてください。」
民営化をするというのは、こうして、事業を論理や特に経済効率で評価していくということだ。
論理を入れると、必ず、反論、再反論、再々反論・・・ができるようになり、
防衛線を切り崩されるのは時間の問題になる。
(医療が民営化されることの良い点、悪い点が次々に挙げられ、その果てにゴーサインが出る。)
こうして、水道や医療といった生命に直接関わり、
本来ならば決して議論の土俵に上げてはいけないものまで議論の土俵に上げられ、
日本人と呼ばれていた人々の生活水準は、どん底まで切り下げられてしまったのでした。


これらのシナリオを実現するタイミングは、皇帝やその臣下の判断による。
郵政民営化同様、いつでも日本という国を終わらせることのできる枠組みは作れたので、
あとは、好きなタイミングで実行すればいい。
圧力をかけられた日本列島の土人が右往左往する姿を眺めながら、ゆっくりと殺していくか、
それとも一気に殺すかの違いだ。
近いうちに、日本という国に、結論が下される。


――いやぁ、文字通り、日本を全て売っちゃうとは。
郵政民営化なんか目じゃない。
全く次元の違う話。
さすがの筆者も、ちょっとついていけない世界だ。
日本人という人々の行動様式は一体どうなっているのだろうと不思議に思うが、
もしかしたら、日本という国や社会を全て破壊し、日本人狩りを楽しめる環境を作り出して、
自分達を鍛えようという深遠な戦略があるのかもしれない。
とても生き残れるとは思えないが。


日本人という人々は、すでに諸々の準備を済ませているか、結論を受け入れる覚悟もできているのかもしれない。


次回もTPP


[1] 内閣官房、TPP協定の全章概要(PDF)
[2] 内閣官房、別添・附属書等(PDF)
[3] NZ政府、"Text of the Trans-Pacific Partnership"
[4] NZ政府、"Text of Original Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement"(PDF)
[5] ICSID, "Eli Lilly and Company v. Canada (ICSID Case No. UNCT/14/2)"
[6] 西村もも子、"国際投資協定に基づく知的財産権紛争とその政治的背景"(PDF)
[7] ED SILVERMAN, "Eli Lilly vs. Canada: The Patent War Moves to Washington", Wall Street Journal, 14 April 2014


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