Русское Чаепитие: ロシアのサモワールでお茶会を。 | ルワンダのおうちから。

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ロンドン→半年の東南アジア放浪旅→プラハ→またまた旅→ハーグ→インドネシア周遊→タシュケント→キガリ、と海外生活10年弱を終えて、2011年、東京に帰って来ました。毎日のお料理と、ぷつぷつの思いの記録。


(Photo by Fumie。私のかわいい妹分が、こんなに素敵なお写真にしてくれました。)

出会いは本当に運命で、それは見えない魔法だ。
仲良しのsoleilちゃんの中国茶とマカロンのWSの講師で、右も左も分からない中国茶音痴の私に、少しパリのエッセンスを加えた(このあたりが絶妙)新しい中国茶の飲み方を提案して下さり、さらに、にこやかに気さくに話しかけてくださったのが、加藤多都子先生。
多都子先生は、中国茶のエキスパート。それでいて、素晴らしい器や茶器にも、まさにtastefulな感覚をお持ちで、チャイナタウンにひっそりとある隠れ家サロンは、京町家風にシノワズリー。アンティークの家具のしつらえがシックで、素敵な空間。

そして最近、多都子先生が、その美しさに魅了されたのは、ロシアのサモワール。
ベルリンのロシア人街でお求めになられたそう。
デコラティブな装飾と、それにまつわる冷戦時代を生きた、ロシア系移民の方々のノスタルジイ。その思いで、胸がいっぱいになる。

すっかり多都子先生と心が通じあって、ゲストの方々をお招きして、サモワールお茶会を開催することに。思いが重なるその瞬間の、あの高揚感。

そして。
私は、祖父がシベリア抑留者で、厳しい日ソ、日露関係を直視しつつも、その改善に微力ながら貢献したいと言う思いを、傍らで見て育った。ロシアという国はまだ真意の図りかねない隣国、といった関係が続いているけれど、個人ひとりひとりが、互いの理解を深めることで、進めてゆける関係改善もあるのではないかと、希望を持っているの。


(Photo by Fumie)

そしてこれがサモワール。下段でぐつぐつとお湯を沸かして、上段のティーポットで濃く熱く香り高いお茶を淹れる。
そしてその濃いとろりとしたお茶を、少量カップに注いで、下段の蛇口から、好みの量のお湯を注いででいただく方式。
寒い国寒い国の知恵。


そして私が今回ご用意した軽食は、ロシアの前菜をベースにした、ワンプレートカフェランチ。
どれもこれも、ロシアやウズベクやサハリンの家庭で習った、お母さんの味。


紫の、セルクルで抜いたお料理は、『毛皮のコートを着たにしんのサラダ』。手作りのにしんの塩漬け(セリョートカ)づくりが大変ではあるのだけれど、その価値のあるおいしい味。ロシアのちょっと春のごちそう。
黒パンも、都内を奔走して見つけた。
イクラとサワークリームを添えるのが、いかにもロシアぽくて気に入り、
そばの実のカーシャは、ほんとは朝ごはんのメニューなのだけれど、今回はデリ風に。


柘榴のサラダは、アルメニア人のお友達に習った。
キンザ(コリアンダー)とウクロップ(ディル)がたっぷりで、くるみと柘榴(種ごといただく)が、クランチーな食感。
人参のサラダは、にんにくが効いていて、たっぷりのチーズが入っている。ルワンダの時のロシア人のお友達、ライーサの味。


そして、肝心のお茶には、手造りのベリーの(ロシアの人が愛してやまない)ヴァレーニエを添える。
ジャムよりももっとさらさらとしていて、果物の香りが生きている、ロシアのみんなが大好きなもの。これにちょっとウォッカを垂らして、香りを立てせて、いただくのがおすすめ。
でも、ティーの中に入れないの。
お匙ですくって、少しなめて頂いて、熱いお茶を口に運ぶ、それがロシア式。


(Photo by Fumie)
こんな装飾のお茶菓子、プリャーニキもお出ししました。
アイシング付きの、イースターバージョン。
スパイスが効いている、蜂蜜たっぷりの素朴なお菓子。


楽しい時間はあっという間で、私の拙いレクチャーも、皆さんに支えられて何とか。
ご参加の皆様もそれぞれお茶のエキスパートの方々や、お花やお料理、お写真、素敵な輸入雑貨のサロネーゼ。私もとっても刺激になりました。

わざわざお運びいただいたみなさま、本当にありがとうございました。