2009年10月18日(日)

DULL-COLORED POP 第9回公演①

テーマ:演劇・ライブ
10/11。三鷹から新宿へ移動し、DULL-COLORED POP。「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」の衝撃からまだ2ヶ月も経っていない。

おおおおおおおおぉぉ。すごい。これぞ演劇、これぞ生の舞台ではないか。現時点で今年No. 1かもしれない。小細工一切無し。照明も音響もミニマム。セットもテーブルと椅子のみ。衣装もカジュアル。照明の強さと色で状況演出をする以外は、言葉と体だけでぶつかってくる名作。

演技にとにかく緩急が利いていて、あまりのリアルさに呆然と観入ってしまった。感情を表に出してしまった事へのいら立ち、恥ずかしさを全キャラクターが独自の表現で観せてくれる。最後は余韻を残して幕。あの余韻でようやくホッと肩の力を抜く事が出来る。当日チラシに「良質な海外劇を紹介したい」と書かれているが、この谷賢一さんの目的は十二分に果たされていた。

正直翻訳劇というものには元々興味がなかった。「翻訳をしたところで、オリジナルの良さが伝わる訳がないではないか」と思っていた。が、今作品でその先入観が覆されたかもしれない。もちろんオリジナルの台本を読んだ事がないのでどこまでが谷さんの脚色なのかは分からないが、そこまで手は加えられていないはずである。でもこのタイミングで活動休止かよ!

出演している役者さん全員が自分の領域にしっかりと線引きをしており、相手の陣地に溶け込む事なく感情をぶつけあう。そうかと思うと、結局似た者同士、傷を舐め合いたいという感情も働き、くっ付きそうで離れ続けるという危ういバランスが続く。役者さんって"ゾーン"に入り込むとすごいなぁ。

父親を演じていた中田顯史郎さんがとにかく素晴らしかった。もはや"演技"ではなかった。真冬のカフェで清水那保さんに最後のひらめきを披露する場面。舞台で行われている演劇ではなく、「たまたま目にしてしまった他人の日常」と錯覚してしまう程のリアルさだった。

劇場で聴くベルベット・アンダーグラウンドは、いろんな意味で格別。

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$Pittsburgh Phil
DULL-COLORED POP 第9回本公演
活動休止記念作品
「プルーフ/証明」
2009/10/07(水) ~ 2009/10/13(火)
サンモールスタジオ

脚本・翻訳・翻案 谷賢一
原作 デヴィッド・オーバーン(『プルーフ』)
演出 谷賢一

出演者 清水那保、小栗剛、木下祐子、中田顕史郎

■『プルーフ/証明』

2000年にアメリカの小劇場で初演された後、評判が評判を呼びブロードウェイを駆け上がり、全米公演に続いてトニー賞・ピューリッツァー賞ほか五つの演劇賞に輝いた名作。

●演出・翻訳は英国帰りの気鋭の劇作家・演出家、谷賢一。
時間堂・コロブチカなどの上演にて使用されすでに高い評価を得ている翻訳を、訳者自らによる演出と、オルタナティブな個性を持つ俳優4人で上演します。

○あらすじ
シカゴのとある寒い冬、天才数学者・ロバートは、彼にとって二度目の世紀の大発見である偉大な「証明」をノートに書き続けていた。それほどの「証明」を、彼は誰にも見せようとしなかったし、誰もそれを見ようともしなかった。なぜなら彼は、気が狂っていたから。たった一人で彼の身の回りの世話をしていたロバートの次女・キャサリンは、遺稿の整理に訪れた若い数学者・ハルと、ノートの持ち出しを巡って激しく争う。父の書斎をそのままにしておきたいキャサリンと、埋もれているかもしれない新たな業績を発掘したいハル。やがてキャサリンは、彼女にとって最も重要な一冊のノートを父の書斎から持ち出し、ハルに託す。なぜなら彼女は、……。

■□■今公演をもって、DULL-COLORED POP は、当面の間、活動休止となります。是非、今公演をお見逃しなく!

スタッフ
照明:松本大介(enjin-light)、朝日一真、音響:長谷川ふな蔵、美術協力:土岐研一、演出助手:高橋浩利、酒井一途、制作:北澤芙未子(DULL-COLORED POP)、池田智哉(feblabo)

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